はじめに:ニュートン算とは?
公務員試験の数的推理で、毎年のように出題される“ニュートン算”。 「タンクに水を入れる」「注ぐ・抜く」「満タンになるまで○分」などの形式で、 “流量”と“時間”の関係を問う典型的な問題です。 名前は難しそうですが、仕組みは「仕事算」とほぼ同じ。 コツを押さえれば確実に得点源になります 💪
なぜ公務員試験で出るの?
ニュートン算は、論理力+計算力+文章読解力の3つを同時に問えるため、 公務員試験(特に地方上級・国家一般職)で定番化しています。 また、グラフ・表・文章のいずれでも出題されるため、 「情報を整理して構造を見抜く力」が試されます。
この記事で学べること
この記事では、ニュートン算の基礎から応用までをステップ解説します。 図や表を使いながら、「速く・正確に・安定して」得点できる方法を紹介。 最後にはAI復習機能が強力なスタディング公務員講座を活用し、 効率的に苦手克服できる勉強法も紹介します。
- ・ニュートン算の仕組みを“図で理解”できる
- ・よく出る4パターンを瞬時に判断できる
- ・本番で時間をかけずに正答できる思考法を身につける
ニュートン算の基本構造を理解しよう
ニュートン算は、一言でいえば「満タンになるまでの時間を求める問題」です。 主に注水(+)と排水(-)を組み合わせて、タンクの水量の変化を計算します。 つまり、「流量 × 時間 = 量(仕事)」の考え方で解けるんです。
- ・全体(タンクの容量)を1とする
- ・1分でどれだけ入るか(注水)を「+」
- ・1分でどれだけ出るか(排水)を「-」
- → それらの合計流量 × 時間 = 1(満タン)
🔹基本公式
例:A管が1分で全体の1/6を注ぎ、B管が1分で1/12を排水する場合 →(1/6 − 1/12)× 時間 = 1 → 時間 = 12分
🔹仕事算との違い
どちらも「全体を1とする」点は同じですが、 ニュートン算は「仕事」ではなく「水量(流量)」を扱うため、 “入れる・抜く”の符号に注意する必要があります。 特に「途中で止まる」「複数の管が切り替わる」場合はミスしやすいポイントです。
A管だけでタンクを満たすと12分、B管だけで満たすと18分かかる。 A・B同時に開くと、何分で満タンになるか?
Aの1分仕事=1/12、Bの1分仕事=1/18 ⇒(1/12+1/18)×時間=1 ⇒ 時間=7.2分
✅ ポイント:タンクを1としたときの1分あたりの合計流量を出せばよい!
🔹図でイメージしよう
タンクの問題は、「時間」×「流量」の面積イメージで考えると理解しやすくなります。 グラフでみると、注水は上向きの傾き、排水は下向きの傾き。 交差する点(=水量が一定になる点)を探すのがカギです。
- ① タンクの全体を1とおく
- ② 1分あたりの注水・排水量を整理
- ③ 合計流量 × 時間=1 の式を立てて解く
よく出る4つのパターンを攻略!
ニュートン算の出題は、大きく分けて次の4パターンに整理できます。 この分類を覚えておくことで、問題文を見た瞬間に「どの型か」を判断でき、 時間短縮とミス防止の両方につながります ⏱️
| パターン | 構成 | 特徴 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ① 基本型 | 注水のみ | 単純な流量計算 | 1分仕事を足して時間を求める |
| ② 併用型 | 注水+排水 | 符号に注意(+/−) | 全体を1とし、合計流量を計算 |
| ③ 途中停止型 | 途中で管が止まる・変化 | 2段階計算が必要 | 「前半+後半」で別々に求める |
| ④ 逆算型 | 時間や流量の一部が未知 | 式を立てて解く | 全体=1 を使って未知数を解く |
① 基本型(注水だけ)
→ 1分あたりの仕事量:A=1/12、B=1/18 合計=1/12+1/18=5/36 よって時間=36/5=7.2分 ✅
② 注水+排水の併用型
→(1/12 − 1/24)× 時間 = 1 ⇒ 時間 = 24分
💡 排水はマイナスとして計算!
③ 途中停止・変化型
このパターンは「途中まで2本 → あとは1本」など、 時間を区切って計算するのがポイントです。
前半6分で進む量=6×(1/12+1/18)=6×(5/36)=5/6 残り1/6をA管で→12×1/6=2分 よって全体=8分 ✅
④ 逆算型
(x分間はA+B、残りはAのみ)として式を立てる:
(x×(1/10+1/15))+((8−x)×1/10)=1 ⇒ x=3分 ✅
- ・「排水」が出たら符号ミスに注意
- ・「途中で止めた」は2段階処理
- ・「時間を求めるか」「流量を求めるか」で方程式を選ぶ
- ・全体=1の基準を忘れずに!
例題で学ぶステップ解法【図解つき】
ニュートン算を本当に理解するためには、1問を「分解して考える」練習が大切です。 ここでは、代表的な問題を使ってステップごとに解法を整理します ✏️ まずは「注水+排水型」での例題を見てみましょう。
A管は12分でタンクを満たす。B管は18分でタンクを空にする。 A・Bを同時に開くと、何分でタンクが満タンになるか?
① 全体を1とおく
タンク全体を「1」とすると、 A管は1分で 1/12 入れる、B管は1分で 1/18 出す。 つまり、1分あたりの「増加量(流量)」は次のようになります。
1分で全体の1/36だけ満たされるので、 全体が1になるまでには36分かかります。
- 1️⃣ 全体=1 とおく
- 2️⃣ 1分ごとの仕事量(流量)を整理
- 3️⃣ 入れる(+)・出す(−)を足し合わせる
- 4️⃣ (合計流量)×(時間)=1 を使って求める
② グラフでイメージ
ニュートン算の理解を深めるには、「水量の変化をグラフで考える」のがコツです。 横軸に時間、縦軸に水量を取ると、A管の線は上向き(+傾き)、B管は下向き(−傾き)。 それらの差(=合成流量)が水量の増え方を表します。
・A管の注水速度:急な上昇線
・B管の排水速度:ゆるやかな下降線
・その差が「実際に水が増えるスピード」=斜め上向きの線 📈
③ 応用:途中で止めるパターン
上の状況で、A・Bを同時に開き、6分後にBを止めた。 その後、Aだけで満タンにするには、あと何分かかる?
まず6分間で進んだ量を求めます。
残りは1−1/6=5/6。 A管のみなら、1分で1/12進むので、
よって、合計で 6+10=16分 で満タンになります ✅
どんな問題でも、これをテンプレ化すればスピードアップ!
ミスと対策:ニュートン算で落としやすいポイント
ニュートン算は一見シンプルですが、符号や途中経過の見落としなど、 ケアレスミスが得点を大きく左右します。 下の表で、典型的なミスとその対策を整理しましょう 💡
| よくあるミス | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| ① 排水を足してしまう | 符号を忘れ、注水と同じ扱いに | 排水は「−」で処理(注水+排水=実流量) |
| ② 全体を1と置き忘れる | 問題文の「満タン」基準を明確にしていない | まず「全体=1」からスタートして式を作る |
| ③ 途中停止の時間を無視 | 「何分後に止めた」を見落とす | 時間を区切り、「前半+後半」で別計算 |
| ④ 分数処理のミス | 通分・逆数計算の慣れ不足 | 最小公倍数で統一→暗算せず筆算で整理 |
| ⑤ 問題文の“空・満タン”を取り違え | 初期状態を読み違える | 冒頭の「最初に○分間開いた」に注意 |
公務員試験では「途中まで水が入っていた」「半分の状態から開始」などの 初期条件トラップが頻出です。 式を立てる前に、スタート時点の水量を必ず確認しましょう!
ミスを防ぐ3ステップチェック
- ① 問題文の状態(満タン・空・途中)を確認した?
- ② 流量の符号(+/−)は正しい?
- ③ 式に入れる前に単位・時間が統一されている?
ニュートン算は、慣れればパターン認識で瞬時に解けます。 逆に、ケアレスミスが残っていると「惜しい不正解」が続出します。 だからこそ、公式暗記よりも整理力を意識して練習しましょう ✍️
効率的な勉強法と時短テク
ニュートン算は、公式を覚えるだけでは得点につながりません。 「構造を理解 → パターンを整理 → 反復練習」の3ステップで習得するのが近道です。 ここでは、短期間で得点アップを狙うための学習法を紹介します ✨
① 仕事算との並行学習で効率化
ニュートン算は「仕事算」の応用です。 タンクの問題を“人の仕事”に置き換えて考えると、理解が一気に深まります。 つまり、「全体=1」「1分あたりの量」「合計流量×時間=1」という構造はまったく同じ。 2つを一緒に学ぶと記憶が定着しやすいです。
「A管・B管で注ぐ」⇔「Aさん・Bさんで作業」
問題設定は違っても、計算ロジックは同じです。
② 図解とイメージ学習を取り入れる
抽象的な式だけでなく、「水量の変化を線で描く」ことで理解が加速します。 ノートにタンクの断面図やグラフを描くと、符号ミスが劇的に減ります 📘 目で見える形にすることが、速く・正確に解く第一歩です。
③ スタディングのAI復習で時短学習
自分一人でニュートン算をマスターしようとすると、 「公式の当てはめ方」や「計算順序」で混乱しがちです。 そこでおすすめなのが、スタディング公務員講座のAI復習機能。 苦手分野を自動で判定し、あなた専用の復習リストを作成してくれます 💡
- ・動画+スライドで視覚的に理解できる
- ・AIが復習タイミングを自動調整
- ・スマホ完結でスキマ時間に学べる
- ・過去問演習と即復習のセットで時短効率UP
自宅学習でも効率よく得点アップを狙うなら、 「AI復習 × 図解 × スマホ学習」の3点セットを実践するのがベストです。 時間が限られた社会人・学生の受験生でも、合格レベルに到達できます!
まとめと次のステップ
ニュートン算は、「全体=1」「流量×時間=1」というシンプルな構造を理解すれば、 どんなバリエーション問題にも対応できます。 仕事算・流水算・速さ問題などにも応用できるため、 公務員試験の得点安定化の要といえる分野です。
- ・ニュートン算は「注水」「排水」「タンク満タン」型の定番問題
- ・排水は必ずマイナス扱い(符号ミス注意)
- ・途中で止める/切り替える問題は2段階で考える
- ・図でイメージすれば理解が格段に速くなる
- ・仕事算と並行学習で記憶が定着
📈 次に学ぶべきテーマ
ニュートン算をマスターしたら、次は「速さ」「仕事算」「流水算」などの “比と割合の応用”に進むとスムーズです。 特に「速さ」は試験でも出題率が高く、理解の土台が共通しています。
公務員試験の数的推理を効率よく攻略するには、 「インプット→練習→AI復習」のサイクルを短期間で回すことが重要です。 独学で時間をムダにせず、スマホでも本格学習できる スタディング公務員講座を活用しましょう 🚀


