はじめに:数列で得点差がつく理由
公務員試験の数的推理の中でも、「数列」は苦手と感じる受験生が非常に多い分野です。 「何を基準に規則を見抜けばいいのか分からない…」「途中で混乱して時間切れになる…」 そんな悩みを持つ方こそ、この分野を得点源に変えるチャンスがあります。
数列問題は、公式や難解な計算を覚えるよりも、“パターン認識”と“規則発見の順序”を理解することが重要。 つまり、考える順番を決めておけばスピードも正確さも一気に上がるのです。
「2, 4, 8, 16, 32, …」→ 倍々=等比数列。
「3, 6, 9, 12, …」→ 差が一定=等差数列。
「1, 2, 4, 7, 11, …」→ 差が増える=複合型。
👉 ルールを1〜2秒で見抜ければ、確実に得点できます。
・数列の基本ルールと考え方の順序
・頻出パターン4選(等差・等比・交互・複合)
・本試験で役立つ時短テクとミス防止のコツ
・スタディングを活用した効率的な反復学習法
本記事では、初学者でも「数列の規則を瞬時に見抜ける」ように、 ステップ式でわかりやすく解説していきます。 最後には、スタディング公務員講座を活用した最短学習ルートも紹介します。
基礎:数列の種類とルールを整理
公務員試験の数的推理で出題される数列は、 大きく分けて4つのパターンに分類できます。 まずはそれぞれの特徴と「どんな変化を追えば規則が見抜けるか」を理解しましょう。
① 等差数列(差が一定)
隣り合う数の差が常に一定のパターン。
例:2, 4, 6, 8, 10, …(差=+2)
② 等比数列(比が一定)
隣り合う数の比(わり算の結果)が一定。
例:3, 6, 12, 24, …(比=×2)
③ 交互数列(+−や増減が交互)
奇数番目と偶数番目でルールが異なるタイプ。
例:1, 4, 2, 5, 3, 6, …
👉「1つおきに増減している」「+−が交互」といった特徴を捉える。
④ 複合数列(等差+等比など)
「等差の中に等比」「等比の中に交互」などが組み合わさったタイプ。
例:2, 4, 8, 10, 20, 40, …
👉 一見バラバラに見えても、グループで見ると規則が現れる。
1, 2, 4, 7, 11, … の次の数を求めよ。
➤ 差:1, 2, 3, 4 … → 差が等差的に増加。
したがって「複合数列(等差数列の差)」と判断できる。
・まず「差」か「比」かを見る
・一定なら→等差/等比、交互なら→別グループに分ける
・差の差を取ると規則が見えることも多い
この4分類を意識して問題を見直すと、どんな数列も「どの型に当てはまるか?」という視点で スッキリ整理できます。 次章では、規則を見抜く5つのステップを具体例つきで紹介します。
規則を見抜く5つのステップ
数列は考える順番を固定すれば一気に解けます。以下の5ステップを“口グセ化”して、どんな問題でも同じ手順で当てはめましょう。
STEP1:差を見る(等差候補)
隣同士の差を並べる。差が一定なら等差数列、差の差が一定なら二次の等差(複合)を疑う。
STEP2:比を見る(等比候補)
0が混ざらず全て正なら比を確認。比が一定なら等比数列。おおよそ倍々・半減の雰囲気もヒント。
STEP3:交互性を探す(奇偶で分ける)
+−が交互/上がる下がるを繰り返すときは奇数列と偶数列に分割。それぞれを等差・等比として解析。
STEP4:グループ化・ブロック化(複合候補)
2項ごと・3項ごとに区切る、または「前の値+前々項」を考える。aₙ=aₙ₋₁+aₙ₋₂型などの再帰も視野に。
STEP5:式で確定(一般項 or 再帰式)
候補が絞れたら式で固定。等差なら aₙ=a₁+(n−1)d、等比なら aₙ=a₁·rⁿ⁻¹。再帰型なら条件式でOK。
「差→比→交互→ブロック→式」
迷ったら差に戻る。差の差・差の比で粘ると規則が浮かび上がる。
1, 3, 6, 10, 15, … の次の数は?
差:2, 3, 4, 5 … → 差が等差(+1ずつ増加)。
よって「三角数」パターン:
aₙ=1+2+…+n=n(n+1)/2 → 次は 21。
・「比」で0や負数が出ると判定ミス → 先に「差」を優先。
・奇偶分割は「1つ飛ばし」で並べ替えるのを忘れない。
・ブロックの長さは、まず2項→3項の順で試す。
- 差は一定? 差の差は?
- 比は一定?(0・負は除外)
- 交互性あり?(奇偶で分けた?)
- ブロック・再帰の気配は?
- 最後に式で確定した?
5ステップを固定化すると、初見でも規則に素早く辿り着けます。次章では、頻出4パターンを例題つきで攻略します。
頻出4パターン(等差・等比・交互・複合)
数列問題は最終的に4パターンへ集約できます。ここでは、それぞれの「見抜きサイン」「一般式」「時短の型」を例題つきで確認します。
① 等差数列:差が一定(+kずつ)
サイン:隣同士の差がすべて同じ。文章中では「一定ずつ増える」など。
一般項:aₙ=a₁+(n−1)d
差d=4。a₂₀=3+(20−1)×4=3+76=79。
② 等比数列:比が一定(×rずつ)
サイン:倍々・半減など掛け算の気配。整数で増え方が急。
一般項:aₙ=a₁·rⁿ⁻¹
公比r=3。a₆=2×3⁵=2×243=486。
③ 交互数列:奇数列・偶数列で別ルール
サイン:+−や増減が交互/「1つ飛ばし」で規則が見える。
手順:奇数番目の列と偶数番目の列に分けて、それぞれ等差・等比を判定。
奇数列:1,2,3,… → 位置k=1,2,3…で k。
偶数列:4,5,6,… → 位置k=1,2,3…で k+3。
よって aₙ={ n奇数→(n+1)/2 , n偶数→(n/2)+3 }。
④ 複合数列:等差×等比/差が等差/再帰型 など
サイン:等差にも等比にも見えない/差が増減している/ブロックが繰り返される。
代表型:
- 差の等差:差が 1,2,3,4… と増える(=二次の等差)。
- ブロック繰り返し:2項ごとに「×2,+1」などの固定手順。
- 再帰型:aₙ=aₙ₋₁+aₙ₋₂(フィボナッチ型)など。
差:1,2,3,4… → 次の差は5 → 11+5=16。
パターン(×2,×2,+2)を繰り返し → 40の次は+2で42、次は×2で84。
- 等差:差一定 → aₙ=a₁+(n−1)d
- 等比:比一定 → aₙ=a₁·rⁿ⁻¹
- 交互:奇偶で別列 → 2本に分割して判定
- 複合:差の等差/ブロック/再帰 → 補助列で整理
ここまでの型を掴めば、本文を読まずとも“見た目判断→式で確定”まで最短で到達できます。次章では、実戦形式でステップ解説+時短テクをまとめます。
実践例題:ステップ式で考える
ここからは、実際の公務員試験の過去問レベルを使って、 「考える順番 → 解法パターン → 時短コツ」を一気に整理します。 すべての問題を同じルーティンで解くことが得点安定化の秘訣です。
例題①:基本の等差型
5, 9, 13, 17, … の第15項を求めよ。
ステップ:
差を見る → +4(一定)→ 等差型確定。
a₁=5, d=4 → a₁₅=5+(15−1)×4=5+56=61。
「初項+(項数−1)×差」をそのまま暗算で。
例題②:等比型
2, 4, 8, 16, 32, … の第10項を求めよ。
ステップ:
比を見る → ×2で一定 → 等比型。
a₁=2, r=2 → a₁₀=2×2⁹=2×512=1024。
例題③:交互型
1, 3, 2, 4, 3, 5, 4, 6, … の第10項を求めよ。
ステップ:
+−ではなく「1つおきに+2」→ 交互型。
奇数列:1,2,3,4,5 → a₂ₖ₋₁=k
偶数列:3,4,5,6,7 → a₂ₖ=k+2
n=10 → 偶数 → k=5 → a₁₀=5+2=7。
例題④:複合型(差の等差)
2, 5, 9, 14, 20, … の次の項を求めよ。
ステップ:
差:3, 4, 5, 6 → 差が+1ずつ → 差の等差型。
次の差=7 → 20+7=27。
どの問題でも共通するのは、「差 → 比 → 交互 → 差の差」の順で考えること。 スタディング講座でも同様の思考フローで解説されているため、 本記事の理解がそのまま学習に直結します。
ミスしやすいポイントと時短のコツ
数列の問題では、規則を見抜く順番は合っているのに計算ミスで失点…というパターンが非常に多いです。 試験本番で焦らないために、よくあるミスとその防止策を整理しておきましょう。
よくあるミスと対策一覧
| ミスの内容 | 原因 | 対策・意識ポイント |
|---|---|---|
| ① a₁, a₂を取り違える | 公式を暗記しても初項を勘違い | 常に「n=1でa₁」と書き出す。式の下に確認メモを入れる。 |
| ② 公差と公比を混同する | 差・比のどちらで考えるか曖昧 | 「+→等差」「×→等比」を必ず口に出す(視覚+聴覚で定着)。 |
| ③ 差の差を見落とす | 1段目で規則が見えず諦める | 「差の差・比の比」を試す習慣をつける。 |
| ④ 符号ミス(−の扱い) | 符号を暗算で処理 | マイナス列は+−+−を下線でリズム化。 |
| ⑤ 計算順序の勘違い | 括弧を忘れる/指数の順序違い | 「×より先に指数」「指数より先に括弧」ルールを意識。 |
→ 試験では「ざっくり見積もり」で桁感を確認しておくと安心です。
時短のコツ3選
- ✅ パターン化思考: 差・比を5秒以内に判定できるよう練習。
- ✅ 見た瞬間メモ: 2行の差をすぐ書き出す。頭で考えず手を動かす。
- ✅ 数表活用: 2,3,4,5,6の2乗・3乗・倍表を前日までに暗記。
公務員試験の過去問を「時間を計って3問ずつ解く」のが効果的。 解けない問題は放置せず、同じ型の問題をスタディング講座で反復練習しましょう。
試験本番では、スピードよりも「順序の固定」が命です。 考える順番を変えない=ミスが減る=得点が安定する、という黄金ルールを覚えておきましょう。
得点アップ勉強法:型練習×AI反復で効率化
数列の得点を安定させるカギは、「暗記ではなく型練習」にあります。 公式や計算を詰め込むのではなく、どんな問題でも同じ手順で解ける思考パターンを体に覚えさせましょう。
①「差 → 比 → 交互 → 差の差」ループを自動化
解法の流れを毎回考えていては時間が足りません。 数列では、以下のループを「手グセ化」するのが最強の時短策です👇
②「型別ノート」を作る
すべての問題を一冊のノートにまとめるのではなく、型ごとに1ページずつ整理するのがコツです。 例として:
- 🟦 等差型:差一定/aₙ=a₁+(n−1)d
- 🟨 等比型:比一定/aₙ=a₁·rⁿ⁻¹
- 🟩 交互型:奇偶で別処理
- 🟧 差の等差型:差の列が等差
このように整理すれば、見返したときに「何を見抜けばいいか」が一瞬で分かります。
③ スタディングのAI復習で弱点克服
④ 過去問演習は「時間×安定感」を意識
数列は1問にかける時間が長くなりがちです。 だからこそ、「理解度」よりも「解くスピード」を優先。 1問90秒以内で完答を目標にしましょう。
- □ 問題を見て型が即判別できる
- □ 計算式が3ステップ以内で書ける
- □ 2回目の解答で正答率90%以上
このルーチンを定着させれば、数列は「出たらラッキー」な得点源に変わります。 スタディング講座を使って、AI×映像×スマホ学習でスキマ時間を最大活用しましょう。
まとめ:数列は「型」で制す!
数的推理の中でも「数列」は、最初は難しく感じても、型を覚えるだけで一気に得点源になる分野です。 本記事で学んだ内容をもう一度整理しましょう。
- ✅ 「差 → 比 → 交互 → 差の差」で規則を見抜く
- ✅ 公式よりも「型」の理解を優先する
- ✅ ミスを減らすには「順序の固定」と「暗算の習慣」
- ✅ スタディングのAI復習で苦手型を反復練習
- ✅ 過去問は「1問90秒ルール」でスピード意識
公務員試験は「正確さ × 時間配分」の勝負。 数列を“考えずに手が動くレベル”まで引き上げれば、 数的推理全体で大幅な得点アップが期待できます 💪
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