第1章|はじめに:政治学は“最速で点が伸びる”専門科目
このページでは、公務員試験の専門科目の一つである政治学について、 「どんな科目なのか」「なぜ得点源にしやすいのか」「どこでつまずきやすいのか」を スマホでも読みやすいレイアウトで整理していきます。
・政治学の全体像がふわっとではなくハッキリ見えるようになる
・頻出テーマをどこまで・どう押さえるかが分かる
・独学+スタディングを組み合わせた最短ルートがイメージできる
1-1|政治学ってどんな科目?(科目の特徴)
公務員試験の政治学は、大学のような抽象的な思想史ではなく、 「現代の政治制度や国際政治を理解しているか」を問う実務寄りの内容が中心です。
- 政治理論(民主主義・立憲主義・権力分立など)
- 政治制度(議院内閣制・大統領制・選挙制度・政党制など)
- 国際政治(国連・安全保障・冷戦構造・グローバル化など)
特に公務員試験では、用語の定義と制度の仕組みがはっきり分かっているかどうかが 得点の分かれ目になります。
1-2|なぜ政治学は“得点源になりやすい”のか
- 計算がほぼなく、理論・制度の理解中心
→ 数的処理が苦手でも安定して点をとりやすい科目です。 - 出題パターンがある程度固定されている
→ 議院内閣制と大統領制の比較、選挙制度の長所短所、国連の機能など、 毎年似たテーマから出題されます。 - 他科目とのつながりが強い
→ 憲法・行政法、財政学、国際関係などと知識が相互にリンクします。
つまり政治学は、一度「骨組み」を押さえてしまえば、 過去問演習を通じてスムーズに得点源へと育てられる科目なのです。
1-3|それでも多くの受験生がハマる“3つの落とし穴”
- ① 用語暗記だけでイメージがない
→ 民主主義・立憲主義・権力分立…といったキーワードを、 「辞書の説明」で終わらせてしまうパターン。 - ② 制度比較で頭がこんがらがる
→ 議院内閣制と大統領制、小選挙区制と比例代表制など、 「似ているけど違う」制度のメリット・デメリットが曖昧になりがち。 - ③ 国際政治の情報量に圧倒される
→ 冷戦・デタント・多極化・国連改革など、 時系列と用語が整理されていないまま覚えようとして失速する。
・単語帳式の暗記ではなく、図・表・NG→OKの比較で整理すること
・「なぜその制度が採用されているのか」という、背景ストーリーを押さえること
この2つを意識するだけで、政治学の理解スピードが一気に上がります。
1-4|この記事を読み終えたときの“到達イメージ”
- 政治学の全体像が「3ブロック+頻出テーマ」で頭に入る
- 議院内閣制・大統領制、各種選挙制度の違いとメリット・デメリットを説明できる
- 国連や現代国際政治のトピックを、時系列でざっくり語れるようになる
- スタディング公務員講座を使った政治学の最短攻略ルートがわかる
「政治学はなんとなく難しそう…」という状態から、 「出題パターンが見えてきた、あとは回せば点が取れそう」という感覚になってもらうことが、この記事のゴールです。
次の第2章では、政治学を
① 政治理論 ② 政治制度 ③ 国際政治
の3つに分けて、SVG図解で“地図化”していきます。 まずは全体マップを頭に入れてから、頻出テーマを順番に攻略していきましょう。
第2章|政治学の全体像を図解でつかむ(マップ化)
第1章では、「政治学は最速で点が伸びる専門科目」であることを確認しました。 ここからは、政治学を3つの大きなブロックに分けて、 試験で問われる範囲を地図のように俯瞰していきます。
公務員試験レベルの政治学は、ざっくり次の3本柱に整理できます。
- ① 政治理論:民主主義・立憲主義・権力分立・政治思想など
- ② 政治制度:議院内閣制・大統領制・選挙制度・政党制など
- ③ 国際政治:国連・冷戦とその後・安全保障・地域統合など
2-1|政治理論:政治の「考え方・価値観」の土台
政治理論は、政治制度や憲法の「背景にある考え方」を扱う分野です。 民主主義・自由主義・立憲主義・権力分立など、ニュースでも耳にするキーワードが多く登場します。
- 民主主義:国民の意思が政治に反映される仕組み・価値観
- 立憲主義:憲法によって権力を縛るという考え方
- 権力分立:立法・行政・司法に権力を分けて相互に抑制
- 政治思想:ロック・ルソー・マルクス など各思想家の主張
公務員試験では、用語の定義+簡単な説明ができれば十分な問題も多く、 「思想の細かい年表」にこだわりすぎないことがポイントです。
・各用語について「一言でいうと何?」を自分の言葉で説明できるようにする
・思想家は、主張1〜2個+キーワードだけ押さえればOK
・憲法・行政法の勉強とリンクさせると定着しやすい
2-2|政治制度:実際に政治がどう動くかを決める「しくみ」
政治制度は、公務員試験政治学の最重要エリアです。 議院内閣制・大統領制・選挙制度・政党制など、「実際に政治がどう動くか」を左右するルールが出題されます。
- 議院内閣制:内閣が議会(国会)の信任に基づいて成り立つ制度
- 大統領制:大統領が国民から直接選ばれ、議会と独立した権限を持つ制度
- 選挙制度:小選挙区制・比例代表制・中選挙区制など、議員をどう選ぶかのルール
- 政党制:二大政党制・多党制など、政党の数や構造の違い
試験では、「A制度とB制度の違い」や 「この選挙制度ではどんな議会構成になりやすいか」など、比較・特徴を問う問題が頻出です。
・「誰が、どのように、どこまで権力を持つか」という権力の配置
・「少数意見がどこまで反映されるか」という代表性・公正さ
・「政権がどれくらい安定しやすいか」という安定性
2-3|国際政治:国内政治を取り巻く“外側の世界”
国際政治分野では、第二次世界大戦後の国際秩序を中心に、 冷戦・デタント・冷戦終結・グローバル化・地域統合などが問われます。
- 国連:総会・安全保障理事会・経済社会理事会・事務局などの構造と役割
- 冷戦構造:米ソの対立、東西陣営、NATO・ワルシャワ条約機構
- 冷戦後:多極化、地域紛争、国連PKO(平和維持活動)
- 地域統合:EU・ASEANなど、地域レベルの協力枠組み
情報量は多く見えますが、「時代の流れ」と「キーワード」をセットで押さえれば、 問題はパターン化して見えるようになります。
・年号暗記より「前→後の流れ」をつかむ
・国連の組織名と役割は図で整理しておく
・ニュースでよく出る用語(NATO・EUなど)を、テキストと結びつける
2-4|公務員試験で特に狙われやすい“5つの頻出エリア”
3つのブロックの中でも、公務員試験で特に頻出なのは次の5つです。
- ① 民主主義・立憲主義・権力分立(政治理論の基礎)
- ② 議院内閣制と大統領制の比較
- ③ 選挙制度の種類と長所・短所
- ④ 政党制(二大政党制・多党制)の特徴
- ⑤ 国連の組織・権限と冷戦〜冷戦後の国際秩序
・上記5エリアを図解+カード形式でコンパクトに整理
・「ここだけは落としたくない」という頻出テーマを、スマホでサクッと復習できるレベルまで落とし込む
次の第3章では、政治学の頻出5テーマを 図解とミニ解説でスライド感覚で押さえていきます。
3-1|民主主義と政治参加(頻出テーマ①)
政治学の最も基本となるテーマが民主主義(デモクラシー)です。 公務員試験では「民主主義とは何か?」「どのように政治参加が保障されているか?」を シンプルに説明できるかがよく問われます。
3-1-1|民主主義の種類(直接民主・間接民主)
① 直接民主主義
国民が直接政治に参加し、政策を決定する方式。
→ 例:スイスの国民投票、地方自治体の住民投票
② 間接民主主義(代議制)
選ばれた代表者が国民の意思を代行する方式。
→ 現代のほぼ全ての国家で採用
3-1-2|政治参加の方法(ここも試験で出る)
- 選挙(投票・立候補)
- 請願・署名
- デモ・集会・表現活動
- 住民投票(地方)
3-1-3|よくある誤解(NG→OKで理解)
「直接民主主義=昔の制度で現代では使われない」
直接民主主義は現代でも地方レベル(住民投票)で積極的に使われる。 国レベルでは間接民主主義が基本。
「政治参加=選挙だけ」
政治参加には請願・署名・集会表現・デモ・住民投票など多様な方法がある。
3-2|議院内閣制 vs 大統領制(頻出テーマ②)
公務員試験の政治学でほぼ確実に出ると言ってよいのが、 「議院内閣制」と「大統領制」の比較です。 ここでは、2つの制度の仕組み・長所・短所を、図解とカードで整理します。
3-2-1|議院内閣制のポイント(日本・イギリス型)
- 内閣は議会の信任にもとづいて成立する
- 議会は内閣不信任決議を出せる → 内閣は総辞職か議会解散
- 行政府(内閣)と立法府(議会)の結びつきが強い
日本やイギリスのように、内閣総理大臣(首相)が国会議員の中から選ばれ、 多数党が内閣を構成する仕組みは、政党政治とセットで理解すると覚えやすくなります。
・長所:多数党内閣なら、議会で法案が通りやすく政治が安定しやすい
・短所:与党の力が強すぎると、立法と行政の一体化が進み、権力監視が弱くなる危険も
3-2-2|大統領制のポイント(アメリカ型)
- 大統領は国民の直接選挙(またはそれに近い形)で選ばれる
- 大統領と議会は任期が原則別々で、相互に解任できない
- 行政府(大統領)と立法府(議会)の独立性が高い
アメリカは典型的な大統領制で、三権分立を徹底する代わりに、 大統領と議会多数派の政党が異なると、政策決定が停滞する「ねじれ」も起こりやすくなります。
・長所:行政府の長が国民から直接選ばれるため、民主的正統性が高い
・長所:権力が分散され、独裁を防ぎやすい
・短所:大統領と議会の対立で、政策決定が進まないリスクがある
3-2-3|試験で狙われる「典型的なNGパターン」
「議院内閣制では、大統領が議会を解散できる。」 → 大統領は大統領制の概念。議院内閣制は「内閣(首相)と議会」の関係がポイント。
「議院内閣制では、内閣が議会の信任を失った場合、議会解散を選ぶことができる。」 (国によって詳細は異なるが、日本・イギリスなど)
「大統領制では、議会の不信任決議によって大統領を辞任させることができる。」 → これは議院内閣制の発想。
「大統領制では、原則として任期中に議会が大統領を解任することはできない。」 (重大な違法行為に対する弾劾など、例外は別途)
・「議会の信任」「不信任」「解散」と出てきたら → 議院内閣制のキーワード
・「任期固定」「大統領と議会の独立」と出てきたら → 大統領制のキーワード
どちらの制度か迷ったら、まず「議会と行政府の関係」に注目すると正解しやすくなります。
3-2は以上です。 次は試験でセットで問われることが多い選挙制度(小選挙区・比例代表など)を 図解とカードで整理する「3-3」に進みます。
3-3|選挙制度(小選挙区・比例代表・中選挙区)(頻出テーマ③)
公務員試験の政治学で超頻出なのが選挙制度です。 特に、小選挙区制・比例代表制・中選挙区制の違いと長所・短所は、 ほぼ定番問題として狙われ続けています。
3-3-1|小選挙区制:1区1人当選、二大政党制になりやすい
小選挙区制:1つの選挙区から1人だけ当選する制度。 「勝者総取り」になりやすく、大政党に有利という特徴があります。
- 少数の票では議席に結びつきにくい
- 勝った政党が単独過半数を取りやすい → 政権が安定しやすい
- 二大政党制になりやすく、「政権交代」が起こりやすい
短所:少数意見・中小政党が議席に反映されにくい
3-3-2|中選挙区制:同じ選挙区から複数当選する“中間型”
中選挙区制:1つの選挙区から2〜5人程度が当選する制度。 小選挙区と比例代表の中間的な性格を持ちます。
- 同じ政党から複数の候補者が出る → 同一政党内の競争が激化
- 地盤・看板・カバン(いわゆる「三バン」)の重要性が増すと言われる
- 大政党が強いが、小政党も一定程度議席を取る余地がある
短所:同じ政党同士での競争から、派閥や金権政治との結びつきが問題視されることも
3-3-3|比例代表制:得票に応じて議席配分、多党制になりやすい
比例代表制:各政党の得票割合に応じて議席を配分する制度。 「得票=議席」に比較的近くなるのが特徴です。
- 小政党でも、一定の得票があれば議席を得られる
- 多党制になりやすく、連立政権が一般的
- 有権者は「政党」を選ぶ感覚が強い(名簿式の場合)
短所:政党が増えすぎると、連立交渉に時間がかかり、政局が不安定になりやすい
3-3-4|試験でよく出るNGパターンをつぶす(NG→OK)
「小選挙区制は、多様な少数意見を国会に反映しやすい。」 → 実際には大政党有利で、少数意見は反映されにくい。
「小選挙区制は、大政党に有利で、二大政党制・政権交代を通じて 政権選択を分かりやすくする一方、少数意見は反映されにくい。」
「比例代表制は、大政党が議席を独占しやすく、二大政党制になりやすい。」 → むしろ逆で、多党制になりやすいのが特徴。
「比例代表制は、各政党の得票率に応じて議席を配分するため、小政党も議席を得やすく、 結果として多党制・連立政権になりやすい。」
「中選挙区制では、1つの選挙区から必ず1名だけが当選する。」 → これは小選挙区制の説明。
「中選挙区制では、1つの選挙区から複数名(2〜5人程度)が当選する。」
・「1区1人」=小選挙区制
・「1区複数人」=中選挙区制
・「得票率に応じて議席配分」=比例代表制
この3セットを声に出して言えるレベルまで落とし込めば、 選挙制度の問題はかなり取りやすくなります。
3-3はここまでです。 次は、選挙制度とセットで問われることも多い政党政治(二大政党制・多党制)を扱う「3-4」に進みます。
3-4|政党政治(二大政党制・多党制)(頻出テーマ④)
選挙制度とセットで出題されやすいのが、政党政治に関する問題です。 特に、公務員試験では「二大政党制」と「多党制」の違いと、それぞれの長所・短所が頻出です。
3-4-1|二大政党制:政権選択が分かりやすい
二大政党制:2つの大政党が政権を争う構図が定着した政党制。 例としては、アメリカの民主党・共和党が典型です。
- 有権者にとって政権選択が分かりやすい
- 選挙のたびに政権交代が起こる可能性がある
- 小選挙区制と組み合わさると、明確な多数派が生まれやすい
・長所:政権が安定しやすく、政策決定がスムーズ
・長所:有権者が「どちらの政権を選ぶか」を意識しやすい
・短所:少数意見が代表されにくい(中小政党が育ちにくい)
3-4-2|多党制:多様性は高いが、政局が不安定になりがち
多党制:3つ以上の政党が存在し、それぞれ一定の勢力を持つ政党制。 比例代表制と組み合わせると、多様な民意を議席に反映しやすい性格があります。
- 環境・少数民族・福祉など、特定のテーマに特化した政党も議席を得やすい
- 単独過半数を取る政党が現れにくく、連立政権が一般的になる
- 連立交渉や政党間の駆け引きが増え、政権が短命になりやすい面も
・長所:少数意見・多様な価値観を議会に反映しやすい
・短所:政党が細かく分かれすぎると、連立交渉が複雑化し、政局が不安定になりがち
3-4-3|試験で狙われる「選挙制度 × 政党制」の組み合わせ
- 小選挙区制 → 二大政党制になりやすい
- 比例代表制 → 多党制になりやすい
- 中選挙区制 → 中間的な性格(大政党+中小政党が並立しやすい)
選挙制度と政党制の関係は、セット問題としてよく問われます。 「どの制度が、どんな政党制を生みやすいか」を図解でイメージしておきましょう。
3-4-4|典型的な誤りをつぶす(NG→OK)
「比例代表制は二大政党制を生みやすい。」 → 実際には多党制を生みやすい。
「比例代表制は、小政党でも得票に応じて議席を得やすいため、 多党制・連立政権になりやすい。」
「小選挙区制では多党制が安定しやすい。」 → 小選挙区制は二大政党制に傾きやすい。
「小選挙区制では、少数政党が議席を得にくいため、 二大政党制が形成されやすく、政権が安定しやすい。」
「多党制では、単独政権が長期安定しやすい。」 → むしろ連立政権が当たり前で、政権交代も頻繁。
「多党制では、1党が単独過半数を取ることは少なく、 複数政党による連立政権が一般的になる。」
・二大政党制=小選挙区制と相性が良く、政権選択が分かりやすい
・多党制=比例代表制と相性が良く、多様な民意を反映できるが政局は不安定になりがち
・選挙制度との「組み合わせ」を意識しておくと、選択肢問題で迷いにくくなります。
3-4はここまでです。 第3章のラストとなる3-5(国際政治:国連・安全保障・冷戦後)では、 公務員試験で頻出の国際政治のポイントを、図解+時系列で整理していきます。
3-5|国際政治(国連・安全保障・冷戦後)(頻出テーマ⑤)
政治学でもっとも得点差がつくのが国際政治です。 特に、公務員試験では国際連合(UN)の組織、冷戦構造、安全保障、現代の多極化などが頻出。 図解とカードで整理します。
3-5-1|国連の最重要ポイント(安保理・総会)
国連でもっとも権限が強いのが安保理。 国際平和と安全維持の中心で、P5(米・英・仏・露・中)の拒否権が最大の特徴。
- P5のうち1国でも反対 → 安保理決議は成立しない
- 平和維持活動(PKO)の決定も安保理が担う
加盟国すべてで構成される国連の最高議決機関。 ただし、安保理のような法的拘束力は弱い。
- すべての加盟国(193か国)が1票の原則
- 国際問題について幅広く議論・決議
3-5-2|冷戦構造のポイント(米ソ対立)
冷戦は「自由主義(米)」と「社会主義(ソ連)」のイデオロギー対立が軸。 冷戦終結後は、旧ソ連圏の独立、新興国の台頭、多極化が始まります。
3-5-3|冷戦後(多極化・地域紛争・国際協力)
- 多極化(米・中・EUなど)
- 地域紛争の頻発(ユーゴ・中東・アフリカ)
- 国際テロ(9.11以降)
- 国連PKOの役割増大
3-5-4|試験で狙われるNG→OK
「安保理は加盟国すべてが参加し、拒否権は存在しない。」
安保理は15か国で構成され、P5(米英仏露中)が拒否権を持つ。 → 国連最大の試験頻出ポイント。
「冷戦はヨーロッパだけの対立で、アジアとは無関係だった。」
冷戦は世界全体に影響し、朝鮮戦争・ベトナム戦争などアジアにも広がった。
以上で第3章は完了です! このまま第4章(事例問題)を進めたい場合は「第4章」と送ってください。
第4章|よく出る事例問題3つ(NG→OKで理解する政治学)
この章では、公務員試験の政治学で実際によく出るパターンを、 「問題 → 典型的なNG解答 → 正しいOK解答」という流れで整理します。 単に知識を覚えるだけでなく、どこで間違えやすいかまでセットで押さえましょう。
・本番で出やすい「ひっかけ」を事前に体験しておく
・NG→OKカードを通じて、自分の理解のズレを修正する
・頻出テーマ(制度比較・選挙制度・国連)を一段深く定着させる
事例①|議院内閣制と大統領制の取り違え
【問題イメージ】
次の記述のうち、議院内閣制の説明として適切なものを選べ。
- A. 内閣は、議会の信任に基づき成立し、議会の不信任によって退陣することがある。
- B. 大統領は、任期中いつでも議会の不信任決議によって解任される。
- C. 行政府の長は国民の直接選挙で選ばれず、常に君主が任命する。
「BがなんとなくそれっぽいからBかな…? 不信任決議ってよく聞くし、大統領も対象になりそう。」
正解はA。 内閣が議会の信任・不信任とセットになっているのは「議院内閣制」。 大統領は大統領制の概念で、任期は原則として議会の不信任では左右されない。
・「信任」「不信任」「解散」ときたら → 議院内閣制
・「任期固定」「大統領と議会の独立」ときたら → 大統領制
用語に振り回されず、「誰が誰を辞めさせられるか」に注目するとミスが減ります。
事例②|選挙制度の長所・短所を逆に覚えてしまう
【問題イメージ】
次の説明と選挙制度の組み合わせとして、正しいものを選べ。
- A. 少数政党にも議席が配分されやすく、多党制になりやすい — 小選挙区制
- B. 二大政党制を生みやすく、政権交代が起こりやすい — 比例代表制
- C. 少数政党にも議席が配分されやすく、多党制になりやすい — 比例代表制
「比例代表制って名前がややこしいし、多数派の議席が増えるイメージだからBかな…?」 → 「多数派=有利」という感覚で比例代表制を誤解してしまうパターン。
正解はC。 少数政党にも議席が配分されやすく、多党制になりやすいのは比例代表制。 小選挙区制は大政党に有利で、二大政党制になりやすい。
・小選挙区制 → 1区1人 → 大政党が有利 → 二大政党制
・比例代表制 → 得票率に比例 → 小政党も議席 → 多党制
長所・短所だけで覚えるのではなく、「結果としてどんな政党システムになるか」までイメージしましょう。
事例③|国連の機関を取り違える(安保理 vs 総会)
【問題イメージ】
次の説明のうち、国連の機関に関する記述として適切なものを選べ。
- A. 安全保障理事会は、すべての加盟国が1票を持ち、拒否権は存在しない。
- B. 総会は、国際平和と安全の維持について、法的拘束力のある強制措置を決定する。
- C. 安全保障理事会は、常任理事国が拒否権を持ち、国際平和と安全維持の主要な責任を負う。
「総会って一番えらそうな名前だから、Bかな…。安保理とかICJとか混ざる…。」 → 「名前のイメージ」で選んでしまうパターン。
正解はC。 安全保障理事会(安保理)が、国際平和・安全維持の第一義的責任を負い、 常任理事国(P5)が拒否権を持つのが最大の特徴です。
・総会:全加盟国が参加する話し合いの場(原則1国1票、法的拘束力は弱い)
・安保理:P5+非常任理事国で構成される少数精鋭の決定機関
・ICJ:国家間の紛争を扱う「裁判所」(個人ではなく国家が当事者)
- 制度比較(議院内閣制 vs 大統領制)は、「誰が誰を辞めさせられるか」で見分ける
- 選挙制度は、「1区何人当選するか」「得票と議席の関係」でイメージを固める
- 国連は、安保理=強い決定権+拒否権/総会=全員参加の話し合いと整理する
これらのパターンに慣れておけば、本試験で多少ひねられても、 「あ、このひっかけ前に見たことがあるぞ」と落ち着いて対応できるようになります。
第5章では、ここまでの内容を踏まえて、
多くの受験生が陥りがちな学習法上のミス3つと、 それを避けるための具体的な勉強法(+スタディング活用法)を整理していきます。
第5章|受験生が陥るミス3つと対策
政治学は知識量が広く映りますが、実は「ミスのパターンが決まっている科目」です。 多くの受験生が同じところでつまずくため、事前に理解しておくと一気に得点が安定します。
・よくある3つのミス
・なぜ起こるのか(思考の癖)
・どう直すか(OK解答の型)
を NG→OKカードで整理します。
ミス①|制度比較を「名前のイメージ」で覚えてしまう
「大統領制のほうが“強そう”だから、決定権は大統領制が中心だろう。」
政治学では“名前の強そうさ”は無関係。 ・議院内閣制 → 行政は議会に依存(信任・不信任)
・大統領制 → 行政と議会が独立 → 必ず権力関係(誰が誰をチェックするか)で判断する。
- 辞めさせられる関係に注目する
- 内閣の存立基盤 → 議会? 国民?(ここが最重要)
- 任期の固定性で判断(大統領制は原則固定)
ミス②|選挙制度を「長所・短所だけ」で覚える
「小選挙区制=二大政党制、比例代表制=多党制…でOKでしょ!」 → この丸暗記だけだと、ひっかけに弱い。
制度名だけで覚えるのではなく、当選人数・得票率・議席率の関係で理解する。 → 小選挙区制:1区1人 → 大政党有利 → 二大政党制 → 比例代表制:得票率に比例 → 小政党も議席 → 多党制
- 「少数政党が有利」は比例代表制
- 「大政党が有利」は小選挙区制
- 「死票が少ない」→比例代表制
- 「政権交代が起こりやすい」→小選挙区制
ミス③|国連の機関を「印象」で混同する
「総会は“総”ってつくから一番強い決定機関…?」 → 名称の印象で間違える典型パターン。
国連は安保理=決定、総会=話し合いで整理。 ・安保理:国際平和と安全の維持 ← 最重要
・総会:加盟国全員で議論 ← 法的拘束力は弱い ・ICJ:国家間の紛争を裁く ← 個人は当事者になれない
- 安保理は「P5+拒否権」=最重要ポイント
- 総会は「1国1票」=民主的だが権限は弱い
- ICJは「国家間裁判」=個人の訴えは不可
・制度は“名前の印象”ではなく、権力関係で理解する
・選挙制度は「当選人数」「得票と議席の関係」で覚える
・国連は「安保理=決定権」「総会=話し合い」で整理
この3つのミスを直すだけで、政治学の得点は一段伸びます。
次は第6章|スタディングで最短攻略(PRセクション)を作成できます。 進める場合は「第6章」と送ってください。
第6章|スタディングで政治学を最短攻略する方法
政治学は「範囲が広い」「用語が紛らわしい」という理由で苦手にしやすい科目です。 しかし、動画で体系的に学び → スマホでスキマ復習 → AIで弱点を補強 の流れを作れば、短期間でも十分点が伸びます。
① コンパクト講義で「全体像 → 重要点」を一気に理解
- 難しい制度(議院内閣制・大統領制・選挙制度)を図解で説明
- 「ここが出る!」という試験ポイントが明確
- 動画が短いので、何周も回しやすい
- 用語の意味をかみ砕いて説明してくれる
特に政治学は、体系理解が点数に直結します。 一度動画で流れを掴めば、記憶の定着率が大きく変わります。
② 過去問演習で「ひっかけ対策」を徹底
- 本試験のひっかけを徹底的に分析
- 間違いやすいポイントには丁寧な解説
- 通勤・昼休み・寝る前の5分で取り組める
- 問題の種類が豊富で、科目横断の理解も進む
特に政治学は、用語の取り違えが致命傷になりがち。 演習を繰り返すことで「見た瞬間に間違いに気づける」レベルまで到達できます。
③ AI問題復習で「弱点つぶし」まで自動化
スタディングのAIは、あなたの解答データを元に 苦手な政治制度・選挙制度・国連分野を自動で抽出。 重点的に出題してくれるため、復習の質が一気に上がります。
- 間違えた問題だけを集中出題
- 正答率の低い単元を優先して復習
- 実力の伸びが数値で見える
・広い範囲を動画で一気に理解
・スキマ時間でひっかけ対策を積む
・AIで弱点を自動補強
この3セットが揃うと、短期間でも合格点ラインへ最速到達できます。
※上記リンクはアフィリエイトリンクです
次は第7章|全体まとめを作成できます。 続ける場合は「第7章」と送ってください。
第7章|政治学の全体まとめと攻略の指針
ここまで、公務員試験の政治学について、 全体像 → 頻出テーマ → 事例問題 → ミスと対策 → 学習ツール(スタディング) という流れで整理してきました。
7-1|政治学で必ず押さえたい3つの柱
- ① 政治理論:民主主義・立憲主義・権力分立・政治思想など
- ② 政治制度:議院内閣制・大統領制・選挙制度・政党制など
- ③ 国際政治:国連・冷戦構造・冷戦後の多極化・安全保障など
この3つの柱を意識してテキストを読み返すだけでも、 「バラバラな知識」が1つのストーリーとしてつながり始めます。
7-2|頻出5テーマを優先して固める
- ① 民主主義と政治参加(直接民主・間接民主)
- ② 議院内閣制 vs 大統領制(信任・不信任・任期)
- ③ 選挙制度(小選挙区・比例代表・中選挙区と長所・短所)
- ④ 政党政治(二大政党制・多党制と選挙制度との関係)
- ⑤ 国際政治(国連の機関・冷戦構造・冷戦後の特徴)
この5つは、公務員試験で出題頻度・配点ともにトップクラスの領域です。 まずここを「どんな形で聞かれても怖くない」レベルまで仕上げましょう。
7-3|最短で点数につなげる勉強サイクル
- ① 図解で全体像をつかむ
本記事の図解やスタディングの講義で、3本柱と5テーマの位置づけを確認。 - ② 過去問・演習で「ひっかけ」を体験する
本記事の事例問題(第4章)のように、NG→OKで考え方を修正。 - ③ 間違えたところだけを重点復習
スタディングのAI復習などを使い、「苦手な制度・用語」をピンポイントで潰す。
7-4|本試験直前期の「仕上げチェックリスト」
- 「不信任」「解散」と聞いて、議院内閣制がすぐ浮かぶか
- 選挙制度3つ(小選挙区・比例代表・中選挙区)の違いを、図なしで説明できるか
- 二大政党制と多党制のメリット・デメリットを一言で言えるか
- 国連の主要機関(安保理・総会・ICJなど)の役割を整理できているか
7-5|他の専門科目とのバランスの取り方
- ミクロ・マクロ経済や法系科目に比べると、短時間でも伸びやすい
- その分、政治学で安定して稼ぐと全体がラクになる
- 最優先:頻出5テーマ + 国連の機関・制度比較
「完璧を目指してすべてのテーマを同じ重さでやる」のではなく、 出題頻度と得点効率を意識してメリハリをつけることが大切です。
政治学は、ニュースや時事問題ともつながる“生きた科目”です。 スタディングなどの講義と本記事の図解・NG→OKカードをうまく組み合わせて、 「覚える政治学」から「理解して使える政治学」へ、一歩進んでいきましょう。
最後の第8章|関連記事リンク(内部リンク)では、 あなたのブログ内の関連科目(ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学など)へ 読者を自然に誘導するカードデザインを作成していきます。
第8章|関連記事リンク
政治学とセットで得点源にしやすい科目の記事をまとめました。 苦手になりやすい分野ほど、政治学と組み合わせて知識の横断理解が進みます。
興味のある科目から読み進めて、専門科目全体の苦手つぶしに役立ててください。


