公務員試験では、「論文試験」か「作文試験」のどちらかが課される場合が多いです。
基本的に、
✔ 大卒・上級レベルの試験→「論文」試験
✔ 高卒・初級レベルの試験→「作文」試験
を受験することになります。
ところが、この論文と作文の違いをよく理解しないまま受験をして、大失敗してしまう人がいます。
実は「論文試験」と「作文試験」には決定的な違いがあります。
この違いを理解しておかないと合格点に達する文章を書くことができないんです。
そこでこの記事では、論文と作文の違いについて紹介します。
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論文と作文の根本的な違い
「論文」と「作文」は全く違う種類の文章です。
論文と作文の見分けポイントは「採点者を説得・納得させる必要があるかないか」という点です。
論文試験
論文とは「論:物事の筋道を述べる」という意味があるように、100人が聞いて100人が納得する文章のことを言います。
イメージでいえば、大学で書くレポートのようなものです!
論文試験は、数値やデータを元に論理的に文章を展開していきます。
後述しますが、自分の主観や考え方は極力控えて、実データに基づいた根拠のある文章展開が求められます。
基本的な文体は「である調」「私は~だから~と考える」。
課題テーマにもよりますが、基本的には以下のとおり進めていくことになります。
① まずは論理構成を考える
② テーマの背景(序論)を書く
③ 課題点をいくつか書き出す
④ 対応策を書き出す
⑤ まとめ(今後の方針)を書く
⑥ 見直し
作文試験
逆に作文とは、自分の経験や体験からの考察・そこから何を学んだか感じたか、自分の考えを書いていく文章です。
論文とは対照的に、作文試験には必ず自分の意見・考えを書く必要があるんです。
イメージとしては、小学校~高校生までの読書感想文のようなものです!
基本的な文体は「ですます調」「私は~だと思う」。
進め方としては、以下のとおりです。
① 構成を考える(文章の流れを決める)
② 自分の思った感想を表現力・発想力豊かに書く
③ 見直し
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論文と作文のテーマの違い
上述したように、論文と作文では全く種類が異なります。
それは【課題テーマ】も同じことが言えます!
論文であれば「対策を述べよ」
作文であれば「あなたの感想・思っていることを書きなさい」
という形式になっています。
論文試験のテーマ(例)
例① 地方自治の重要性
「地方自治の強化が地域住民の生活に与える影響について論じ、具体例を挙げて説明せよ。」
例② 少子高齢化社会への対応
「少子高齢化が日本社会に及ぼす影響を分析し、効果的な政策を提案せよ。」
例③ 環境保護と持続可能な開発
「環境保護と経済成長のバランスを保つための具体的な政策を考察せよ。」
例④ 災害対策と地域防災力の向上
「地域防災力を向上させるために必要な施策を挙げ、それらがどのように機能するかを説明せよ。」
例⑤ 情報通信技術(ICT)の活用による行政サービスの向上
「ICTの活用が行政サービスの質をどのように向上させるか、具体的な事例を用いて論じよ。」
簡単にまとめると論文のテーマは、深く分析して論理的に議論することが目的です。
作文試験のテーマ(例)
例① 地域社会の活性化
「あなたの地域における地域活性化のためのアイデアを述べ、その実現に向けた具体的な行動計画を示せ。」
例② 公務員の役割と責任
「公務員としての自分の役割と責任について考え、それをどのように果たしていくかを具体的に述べよ。」
例③ 公共交通の重要性
「公共交通の利用促進が地域社会に与える影響について論じ、改善策を提案せよ。」
例④ 市民参加の促進
「市民参加を促進するための具体的な施策を考え、その必要性を説明せよ。」
例⑤ 環境問題への取り組み
「環境問題に対するあなたの考えを述べ、地域や個人としてどのように貢献できるかを考察せよ。」
簡単にまとめると作文のテーマは、自分の考えや感情を自由に表現することが目的です
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論文試験・作文試験の採点基準
論文試験の採点基準
論文試験の採点基準は以下の3点がポイントです。
・ 設問に対しての結論が論理的であるか
・ 結論に対して、論理的な根拠や証拠があるか
・ 実現可能な方法かどうか
どこかが著しく欠けている場合は、点数がもらえないこともあるため必ず押さえておいてください。
採点イメージは以下の通りです。(今回は50点満点と仮定)
・設問に対しての結論が論理的であるか
基準点(A:30点 B:20点 C:10点 D:0点)が設けられており、結論の妥当性を評価され点数が付与される。
・結論に対して、論理的な根拠や証拠があるか
この部分は、減点方式が取られる。
・実現可能な方法かどうか
残り20点は、具体的な提案が実現可能かどうか整合性が取れているかで加点される。
理想の空論ばかりを述べている文章は点数が低くなることがあります。
日頃からニュースや新聞などを読みつつ、自分の提案が本当に実現可能なのか意識して対策をしていきましょう!
作文試験の採点基準
作文試験で高得点をとるためには、以下の5点を意識してください。
・ 設問に正しく答えられているか
・ 説得力のある主張が述べられているか
・ 誤字脱字がないか
・ 原稿用紙の使い方が間違っていないか
・ 時間、文字制限などのルールが守られているか
上記でも述べたように、作文試験とは自分自身の考えや主張をアピールする試験です。
そのため、説得力のある主張、採点者が納得する考えをいかに書けるかが重要です。
さらに「誤字脱字」「原稿用紙の使い方」「文字制限」などの細かなルールを見落としている人がかなり多い。
論文試験にも当てはまりますが、公務員は法律、規則(ルール)を根拠に業務を行います。
設問に「⚪︎⚪︎文字以内」「根拠を3つ出して」などの制約がある場合は、必ずチェックをつけて見落とさないようにしましょう!
見落としで減点もしくは不合格になるのはもったいない!設問は最低3回読んでしっかりと理解しよう!
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論文・作文の書き方
論文試験・作文試験の違いがわかったところで、具体的な書き方に入っていきましょう。
いきなり書き始めない
論文試験・作文試験でいきなり文章を書き始める人がいますが、これはNGです。
なぜなら、途中で間違いを見つけても書き直すことができないからです。
論文・作文試験は原稿用紙に書いていく場合がほとんど。途中で間違えてしまうと隙間があいたり、不自然な使い方になってしまったりします。
そうなると、全てを消して書き直すしかなくなりますよね。
なので、いきなり書き始めることはしないようにしましょう。
分析→構成を考える→書く
では、どのように本文を書けば良いのか。書くまでの流れを解説していきます。
結論、情報を分析し構成を考えて、本文を書き始める
時間的には、情報分析③:構成を考える⑤:本文を書く② くらいのイメージでOKです。
論文試験・作文試験は準備が9割です。上記1〜3にしっかりと時間を使い採点者を納得させる文章を作りましょう!
行政職員の視点を入れ込む
いくら素晴らしい文章が書けていても行政職員の視点が抜けている文章は評価されません。
本文を書く際には、以下の考え方を入れて書いてみてください。
・ 行政は適応できる人ではなく、適応できない人を救う職である
・ 住民目線で考える
・ 実現可能な施策・提案か
適応できる人ではなく、適応できない人を救う
公務員の業務は「最終ネット」とよく言われます。(生活保護などが良い例)その業務の特性上、何かしらに適応できない人も助けられる施策・提案が求められるんです。
民間企業との違いですが、民間企業は利益を求める必要があるため対象者を絞って施策を行います。
しかし、公務員は営利目的ではない。市民、国民の税金を使って施策を行うわけです。そのため、対象者は全市民、全国民です。
民間企業の施策から漏れ出た人を救う、全ての人に納得してもらえる。そんな施策・提案が求められることを意識しましょう。
住民目線で考える
例えば、あなたが地方創生の事業責任者であるとします。
上司から「この地域を盛り上げ住民を活発にする施策を考えてほしい」と言われました。あなたは、どのような案を考えますか?
案:映画館やショッピングモールをつくって移住者を呼び込み経済を回す
これだとNGです。
なぜなら、地方を都市化して喜ぶのであれば、そこに住む住民は都市部へ引っ越しているはず。
長年、その地域に住み続けている理由は、その地域が好きだからですよね。そのため、景観を損なうような施策を提案することは住民の反感を買うことになります。
常に住民目線で施策やサービスを考える。思いつきの施策の列挙は控えましょう。
実現可能な施策・提案か
採点基準の項目でも説明した通り、近年の論文試験・作文試験は「実現可能な施策か?」という視点が重要です。
人口減少、少子高齢化などにより行政は施策やサービスにかける予算の削減が求められている現状にあります。
少ない予算の中で住民を満足させるサービスを考えるのも公務員として必要な能力です。
自分が提案した施策・サービスが本当にその自治体の規模で実現可能なのか。この視点も忘れないようにしてください。
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論文・作文が上手くなるコツ
最後に、論文・作文がうまくなる秘訣を紹介します。
- 合格する論文・作文を読む
- 実際に書いて比較・添削する
上記2点が、論文・作文のレベルを上げるためには必須です。
合格する論文・作文を読む
あなたの最終目標は「合格する論文・作文を書くことができる」ですよね。
であれば、まずはどの論文・作文が合格できるのか、そのレベルを把握しておく必要があります。
多くの受験生はここができておらず、読みづらい構成、中身のない文章を書いてしまうケースが多いんです。
自分が書くべき合格する論文・作文がわからないと、どの方向性で対策を進めていけばいいかわかりませんよね?
まずは、合格レベルの論文・作文をしっかり読み込んで自分自身が書けるようになるべき文章を理解するようにしましょう。
実際に書いて比較・添削する
合格できる論文・作文が理解できたら、あとは実際に書いていくだけです。
この記事で紹介した、論文を書く時の注意点や視点を織り込んで、合格論文・作文の構成、書き方を見本に書いていきましょう。
そして、書いたあとは合格論文・作文と比較する。もしくは、第三者に添削してもらいフィードバックを必ず受けてください。
論文試験は、あくまで人が採点します。第三者が見てどう思うのか、その意見は貴重です。
可能であれば、近くの論作文に精通した人に見てもらうのがベストですが、難しいようであれば以下のサービスを利用してみてください!
はじめはうまく文章を書くことができないと思います。
しかし、このステップを繰り返し行うことで確実に合格レベルの論文・作文に近づくはずです。
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まとめ
本日は、論文・作文の違いから出題例、書く際の注意点についてお話ししました。
以下に、本記事のまとめを作成しておきます!
これらの内容を意識して対策を進めていけば、高い確率で合格する論文・作文が書けるようになるはずです。
また、以下の記事ではさらに詳しく【論文の書き方】にフォーカスしてまとめていますので、ぜひご参考にしてみてください。
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