数的推理「濃度」:基本公式と条件整理のコツ
はじめに:濃度は「溶質量」と「全体量」を分けて考える
「食塩水を混ぜると何を足せばよい?」「水を加えたとき何が変わらない?」と迷う人は、まず溶質の量と溶液全体の量を分けて整理しましょう。 濃度算では、混合・希釈・蒸発・入れ替えなど操作ごとに何が増減し、何が保存されるかを確認して式を立てることが重要です。 志望先での出題有無や問題形式は試験区分・年度によって異なるため、過去問もあわせて確認してください。
濃度問題は「溶質量」と「全体量」の関係から考える
濃度問題では、まず「溶質の量=濃度×溶液全体の量」という関係を確認します。
そのうえで、「混合」「希釈」「蒸発」「入れ替え」などの操作によって、溶質量と全体量がどう変わるかを整理します。
操作によって溶質が保存されない場合もあるため、公式を機械的に当てはめず、何が増減し、何が保存されるかを問題ごとに確認しましょう。図にすると以下のようなイメージです。
食塩水A(10%・200g)+ 食塩水B(20%・300g)→ 合わせて500g・何%?
つまり「食塩の合計 ÷ 全体量 ×100」だけ。 構造をイメージすれば、文字の式よりずっとわかりやすくなります。
ミニ例題:まずは基礎を確認!
考え方:食塩の量は変わらない(保存)。
200×0.10=20g → (200+x)×0.08=20 → x=50g。
👉 「保存+全体量の更新+1本の式」でOK。
この記事で得られること
✔️ 濃度の基礎を“図で理解” ✔️ 代表的な4パターンの考え方を整理 ✔️ 保存される量・全体量を確認して式を立てる手順 ✔️ ミスを減らすチェックリスト付き 最後に、通信講座を使う場合の確認ポイントとスタディング公務員講座も紹介します。 無料講座や教材内容を確認し、自分に合う学習方法か判断しましょう。
濃度の定義と計算の考え方:図で理解しよう
「濃度」とは何を表している?
公務員試験の数的推理で扱う濃度は、食塩水・アルコール水溶液などの 「溶質(とかしたもの)」と「溶媒(水など)」の割合を表します。 よく出る「%」は“全体のうち食塩が何%あるか”を示すだけ。つまり――
例えば、10gの食塩を90gの水に溶かすと全体100g。 食塩10 ÷ 100 ×100=10%。 単純ですが、ここがすべての出発点です。
・溶質=食塩など、とけているもの。
・溶媒=水など、とかしている液体。
・溶液=両者を合わせた全体。
式では「溶液=溶質+溶媒」を常に意識しましょう。
計算で使う3つの基本操作
濃度問題の基本では、「混ぜる・薄める・蒸発させる」といった操作を扱います。入れ替えなど複数の操作を組み合わせる問題もあります。 まず基本的な3操作の考え方をまとめると:
② 希釈(水を足す)→ 食塩は増えず、全体量だけ増える。
③ 蒸発(濃縮)→ 食塩は変わらず、水が減るので%上昇。
ミニ例題:基礎式の確認
解法:
食塩量=150×0.12=18g(保存)
(150+x)×0.10=18 → 15+0.1x=18 → x=30g。
✅ 答え:30gの水を加える。
ここまで理解できれば、次章の「頻出4パターン」もスムーズに読めます。 濃度問題の本質は、“食塩の量はどう変化したか”を追うだけです。
代表4パターン:溶質量と全体量の変化で整理する
濃度問題では、以下の4つが代表的なパターンです。 ただし、複数の操作を組み合わせる問題もあるため、型だけを暗記するのではなく、溶質の量と全体量がどう変化するかを確認して式を立てましょう。
① 混合:A%+B% → C%(平均型)
異なる濃度の溶液を混ぜると、食塩量は合計、全体量も合計。 濃度は「食塩の合計 ÷ 全体量」で求めます。
食塩量=200×0.10+300×0.20=20+60=80g。
全体量=500g → 80÷500=0.16=16%。
・2種類の食塩水だけを混ぜ、他の操作がなければ、混合後の濃度は元の2つの濃度の間になります。
・混合量が異なる場合は単純平均ではありません。各食塩水に含まれる食塩量を求め、合計を全体量で割って確認しましょう。
② 希釈:水や溶媒を足して薄める
水だけを加える場合は、食塩量はそのまま、全体量だけ増えます。 この条件では、加える前後の食塩量が等しいことを利用して式を立てます。
食塩保存:300×0.12=36。
(300+x)×0.10=36 → x=60g。
✅ 答え:60gの水を加える。
・水だけを加えるなら、食塩量は変わらず全体量が増えます。
・加える前後の食塩量を等しく置き、求める水の量を未知数として整理しましょう。
③ 蒸発:水分が減り、濃くなる
水が蒸発して全体量が減ると、食塩の割合(濃度)は上がります。 水だけが減る=食塩は保存、と考えるのが基本。
食塩=200×0.10=20g(保存)
全体=180g → 20÷180=0.111…=約11.1%。
・蒸発量=全体量減少 → 濃度アップ。
・「保存+減少」のダブル意識が鍵。
④ 入れ替え:一部を捨てて同量を足す
タンクやビーカーから一部を抜いて水を足すタイプ。 計算は少し複雑ですが、手順は「減少→補充」をセットで扱えばOK。
捨てた分の食塩=100×0.20×(40/100)=8g減少。
残り食塩=20−8=12g。全体は再び100g。
12÷100=12%。
① 捨てた食塩量を求める。
② 残った食塩量を出す。
③ 補充後の全体量で割る。
→ 各操作のあとに食塩量と全体量を更新すると、条件を整理しやすくなります。
以上の4パターンを「溶質の量」と「全体量」の変化で捉えると、条件を整理しやすくなります。 まず基本例題で手順を確認し、その後に複合問題へ進みましょう。 次章では、これらを使った実践例題を紹介します。
例題で確認!混合・希釈のステップ解説
STEP①:混合問題(濃度差の比を使う方法)
2種類の溶液を混ぜて、その2つの濃度の間にある目標濃度を作る問題では、濃度差から混合量の比を求める方法を使える場合があります。 ただし、比の向きを取り違えやすいため、慣れないうちは食塩量の式でも検算しましょう。
👉 よって「8%液:20%液=2:1」で混ぜればOK。 (例えば 200g と 100g の組み合わせでも成立)
・2種類の溶液だけを混ぜ、目標濃度が2つの濃度の間にある条件では、濃度差を使って混合量の比を求められます。 ・8%と20%で12%を作るなら、8%液:20%液=(20−12):(12−8)=2:1。
・比の向きと適用条件を確認し、慣れないうちは実際の溶質量で検算しましょう。
STEP②:希釈問題(保存される量を確認する)
水だけを加えて薄める問題では、食塩量が変わらないことを利用できます。 「加える前の食塩量=加えた後の食塩量」と置き、全体量がどれだけ増えたかを式で確認しましょう。
食塩保存:200×0.15=30。
(200+x)×0.12=30 → 24+0.12x=30 → x=50g。
✅ 答え:50gの水を加える。
食塩量は30gのままなので、12%になった後の全体量は 30÷0.12=250g。 最初は200gだから、加える水は 250−200=50g。近似に頼らず、保存される食塩量から逆算すると速く正確です。
STEP③:混合×希釈の複合型
混ぜたあとに水を足すなど、複数の操作を組み合わせる問題もあります。 焦らず「①混ぜる→②薄める」のように、操作ごとに溶質量と全体量を更新して整理しましょう。
混合段階:10×300+20×200=3000+4000=7000。全体=500g → 14%。
水を加えた後:(500+100)=600g、食塩量7000/100=70g。
70÷600=0.1166…=約11.7%。
① 食塩量を合計する(混合)。
② 全体量を更新(希釈)。
③ 食塩量を割る。
→ 操作ごとに溶質量と全体量を書き直し、最後に濃度を計算します。
STEP④:計算前に確認したい3つのポイント
- 百分率は、小数・分数のうち計算しやすい形へ直す(例:12%=0.12=3/25)。
- 選択肢を使う場合も、概算だけで決めず、必要な精度まで計算して条件を満たすか確認する。
- 「溶質が保存されるか」「全体量がどう変わるか」を先に整理し、使う式を決める。
この章の狙いは、式を立てるよりも考え方の順序を体で覚えること。 次章では、こうした計算でありがちなミスと対策表をまとめて確認します。
ミスしやすいポイントと対策表
濃度問題は「考え方は簡単」でも、計算手順の混乱や 基準の取り違えが起こりやすい分野です。 以下の表では、特に公務員試験で多いミスとその回避法を整理しました。
| よくあるミス | 原因と対策 |
|---|---|
| 💧「濃度=食塩÷水」として計算 |
原因:全体量と水量を混同。 対策:必ず「食塩÷全体」で計算。水ではなく溶液全体が分母です。 |
| 📉 水を加えても食塩量を変化させてしまう |
原因:保存の意識が抜ける。 対策:水だけを加える条件なら食塩量は変わりません。問題を読んだら、操作によって溶質量が保存されるか・変化するかを先に確認します。 |
| ⚖️ 入れ替えで“抜いた後の量”を忘れる |
原因:全体量の更新忘れ。 対策:「減る→足す→全体100gに戻る」など、段階を順番にメモする。 |
| 🌀 比の向きを逆にしてしまう |
原因:濃度差と対応する混合量の向きを取り違える。 対策:目標濃度が2つの濃度の間にあることを確認し、「低濃度液:高濃度液=高濃度との差:低濃度との差」と対応させ、溶質量の式でも検算する。 |
| ⏱️ 小数の掛け算に時間がかかる |
原因:%をそのまま小数化して計算。 対策:12%=0.12=3/25のように、小数・分数のうち計算しやすい形を選びます。変換後も元の割合と一致するか確認しましょう。 |
| 📊 濃度が上がるか下がるか判断できない |
原因:イメージ不足。 対策:「水を足せば下がる/蒸発すれば上がる」だけ先に判断してから式を書く。 |
- 今回の操作で溶質量は保存されるか、増減するか
- 濃度の分母は水量ではなく溶液全体の量になっているか
- 操作後に濃度が上がる・下がる方向と計算結果が矛盾していないか
この章のチェック項目を使って、計算前に分母・保存される量・単位を確認する習慣をつけましょう。 次章では、条件整理を自力で再現できるようにするための勉強法・解き直し方法を紹介します。
濃度算の勉強法:基礎理解→演習→解き直し
① 操作ごとの変化を説明できるようにする
濃度算では、公式の暗記だけでなく、操作後に何が変わるかを説明できることが重要です。 「混合・希釈・蒸発・入れ替え」の基本例題を使い、溶質量と全体量がそれぞれどう変わったかを書き出しましょう。 慣れるまでは図や表を使い、式を立てた理由まで確認してください。
② 講義と問題演習をセットで回す
通信講座を使う場合は、動画や解説を見るだけで終えず、理解→例題→解き直しを1セットにするのが基本です。 濃度算は手順が明確なので、同じ型の問題を繰り返し、自力で式を立てられる状態を目指しましょう。
① 講義や解説で基本公式を確認する
② すぐに同じ型の例題を1問解く
③ 間違えた理由をメモして、翌日・数日後に解き直す
→ 「答えを覚える」のではなく、「手順を再現できる」ことを目標にしましょう。
③ 時間短縮のための思考ルーティン
数的推理では、内容を理解したうえで、条件整理と計算の手順を再現できることが重要です。 以下のような確認ルーティンを作ると、読み違いや計算ミスを減らしやすくなります。
① 状況を読む:「混ぜる?薄める?蒸発?入れ替える?」
② 食塩の変化を確認:「保存 or 減少 or 増加」
③ 公式を書く:「食塩=濃度×全体量」
④ 式を立て、最後に濃度が上がるか下がるかを検算する。 👉 類題を繰り返し、同じ手順を自力で再現できる状態を目指しましょう。
④ 解き直しの間隔を決めて継続する
1回解いて終わりにせず、間違えた問題や説明できなかった問題を時間を空けて解き直します。 学習時間は固定せず、自分が継続しやすい時間帯に演習を組み込み、解法を見ずに条件整理から再現できるかを確認しましょう。
このように「型の理解 × 反復 × 解き直し」を組み合わせることで、 濃度問題の計算手順を安定させやすくなります。 次章では、通信講座を使う場合の学習方法とスタディングの特徴を確認します。
通信講座を使って数的推理を学ぶときの確認ポイント
スタディングを検討する場合も教材との相性を確認する
数的推理は、参考書と問題集を使った独学でも対策できます。一方、解説を読んでも理解しにくい場合や、復習の管理が難しい場合は通信講座も選択肢です。 スタディング公務員講座を検討する場合も、講義形式・問題演習・復習機能・対応試験・料金などの最新情報を公式ページで確認し、無料講座や教材見本があれば実際に試してから判断しましょう。
✅ 志望先で必要な数的推理・濃度算が教材の対象範囲に含まれているか。
✅ 基礎解説だけでなく、例題・問題演習・解説まで用意されているか。
✅ 間違えた問題を解き直しやすい仕組みがあるか。
✅ 料金・利用期間・対応端末・無料で確認できる範囲が自分に合うか。
※スタディングを候補にする場合も、現在の機能・対象教材は公式ページで確認してください。
通信講座を使う場合の学習手順
通信講座を利用する場合も、講義を視聴するだけで終わらせず、基礎事項を確認 → 基本例題を自力で解く → 間違いの原因を確認 → 時間を空けて解き直す流れを作りましょう。 教材に復習支援機能がある場合は補助として利用しつつ、自分で式を立て直せるかを確認することが重要です。
・基礎:濃度の定義と溶質量・全体量の関係を確認
・演習:混合・希釈・蒸発・入れ替えの基本例題を解く
・復習:間違えた理由を分類し、解説を見ずに再度解く
・過去問:志望先の出題形式・難度に合わせて不足部分を補う
講座を選ぶときに確認したいこと
数的推理の講座を選ぶときは、図解で理解できるか・例題演習までセットになっているか・復習しやすいかを確認しましょう。 いきなり申し込むのではなく、無料体験や教材見本がある場合は先に確認し、自分が続けやすい形式かを判断するのがおすすめです。
実際の講座内容・受講プランは以下のリンクから確認できます。 まず無料講座・教材内容・料金を確認し、自分の学習環境や受験区分に合うか比較してみてください。
なお、スタディング講座の詳細レビューは別記事でも紹介しています: スタディング公務員講座の評判・口コミ|料金・デメリット・向いている人【2026年】 → 独自調査を含め、料金・メリット・デメリットを詳しく確認できます。
次章では、記事全体のまとめと、関連するおすすめ記事を紹介します。 「比と割合」や「損益算」など、濃度とセットで得点を底上げできるテーマも要チェックです!
まとめ:濃度問題は「何が保存されるか」を確認する
濃度問題では、計算を始める前に溶質量と全体量がどう変化するかを確認することが重要です。 ポイントは、代表的な操作を理解し、保存される量を確認して式を立てること。 「混ぜる・薄める・蒸発・入れ替え」は代表的な整理方法です。 型を覚えるだけでなく、問題ごとに溶質量と全体量の変化を確認し、自力で式を立てられる状態を目指しましょう。
- 濃度=「食塩の量 ÷ 全体量」で整理する。
- 混合・希釈・蒸発・入れ替えで、溶質量と全体量がどう変化するか確認する。
- 保存される量があるかを確認し、必要に応じて濃度差の比も利用する。
- 間違えた問題は日を空けて解き直し、手順を再現できるか確認する。
濃度算は、基本公式と「食塩量の保存」を理解すると手順を整理しやすい分野です。 まずは混合・希釈・蒸発・入れ替えの基本例題を自力で解ける状態を目指し、その後に過去問や類題で応用力を確認しましょう。
濃度算のよくある質問
Q. 食塩量はいつでも保存されますか?
A. いいえ。水だけを加える・水だけが蒸発するなどの条件では食塩量は変わりませんが、食塩水の一部を捨てる場合は食塩も一緒に減ります。操作ごとに確認してください。
Q. 2種類の食塩水を混ぜた濃度は単純平均で求められますか?
A. 2つの量が等しい場合を除き、通常は単純平均では求められません。それぞれの食塩量を求めて合計し、混合後の全体量で割る方法が基本です。
Q. 濃度差の比はどんな問題でも使えますか?
A. 2種類の濃度の溶液を混ぜ、その間の目標濃度を作る条件などで利用できます。蒸発や入れ替えなど別の操作が含まれる場合は、溶質量と全体量を直接追う方が整理しやすいことがあります。
公務員試験の数的推理は、基本事項を理解し、条件整理→問題演習→解き直しを繰り返すことが大切です。 濃度算で身につけた割合や比の考え方も、関連する単元の学習に活用していきましょう。


