公務員面接の併願状況対策
公務員面接で「ほかに受けている自治体や企業はありますか?」と聞かれ、 どこまで正直に答えるべきか迷っていませんか?
併願していると志望度が低いと思われないか、第一志望ではない場合にどう答えればよいのか、不安になる人は少なくありません。
このような疑問を解消します
- 併願していることを正直に話しても不利にならない?
- 面接先が第一志望ではない場合はどう答える?
- 他自治体や民間企業との併願はどこまで伝える?
- 面接カードを提出した後に併願先が増えたらどうする?
- 「両方合格したらどうしますか?」にどう答える?
併願していること自体は、原則として問題ではありません。
大切なのは、併願状況を事実どおり伝えたうえで、 「受験先を選んだ共通の軸」と「その自治体で働きたい固有の理由」を一貫して説明することです。
無理にすべての受験先を「第一志望です」と言う必要はありません。一方で、自治体名を並べるだけでは、「受かればどこでもよいのでは」と受け取られる可能性があります。
- 面接官が併願状況を聞く理由
- 評価されやすい回答の3ステップ
- 他自治体・国家公務員・民間併願の例文
- 第一志望ではない場合の伝え方
- 避けるべきNG回答
- よくある深掘り質問への対策
- 面接カードとの整合性の取り方
- 元採用担当が見ていたポイント
回答例はそのまま暗記するのではなく、自分の受験先、志望分野、自治体研究の内容に置き換えて使うことが大切です。 本記事を読みながら、自分専用の回答を作っていきましょう。
一人で面接回答を作るのが不安な人へ
併願状況の回答は、志望動機や面接カードとの一貫性まで確認する必要があります。 面接対策だけ受講したい人向けに、アガルートの講座内容や注意点を別記事で整理しています。
アガルートの面接対策講座を確認する公務員面接で併願状況を聞かれる3つの理由
公務員面接で併願状況を聞かれると、 「ほかの自治体を受けていると不利になるのでは?」 と心配になる人もいるでしょう。
しかし、面接官は単に併願先の数を知りたいわけではありません。 質問への回答を通じて、 受験先を選んだ理由や、入庁後の働き方をどこまで具体的に考えているか を確認しています。
併願していること自体よりも、回答に一貫性があるかが重要です。1 入庁意思を確認するため
自治体側は、採用試験に合格した人全員が必ず入庁するとは考えていません。 複数の自治体や国家公務員、民間企業を受けている受験生は珍しくないからです。
そのため面接官は、併願状況を通して、 合格を出した場合に入庁する可能性があるか を確認しています。
ただし、ここで重要なのは、何が何でも「第一志望です」と言うことではありません。 面接官が知りたいのは、言葉だけの順位ではなく、 その自治体で働きたいと考えている具体的な理由です。
評価されやすい伝え方
「第一志望です」と繰り返すだけでなく、自治体研究で調べた施策や、 自分が関わりたい行政分野まで説明できると、入庁意思が伝わりやすくなります。
回答が弱くなりやすい例
「第一志望です。昔から公務員になりたかったからです。」 だけでは、なぜその自治体なのかが伝わりません。
併願先があっても、面接先で取り組みたい仕事を具体的に説明できれば、 ただちに志望度が低いと判断されるわけではありません。
2 志望動機に一貫性があるか確認するため
面接官は、併願先の組み合わせから、 受験先を選ぶ基準が明確か も確認しています。
例えば、市役所、県庁、国家一般職を併願していても、 「住民生活に関わる政策の企画や実施に携わりたい」 という共通の軸があれば、不自然ではありません。
一方で、仕事内容や志望分野が大きく異なる受験先を並べながら、 その理由を説明できない場合は、 「受かればどこでもよいのではないか」 と思われる可能性があります。
- どのような仕事に携わりたいのか
- どの地域課題を解決したいのか
- なぜ行政で取り組みたいのか
- なぜその受験先を選んだのか
これらを一つの軸でつなげられると、複数の受験先があっても、 志望動機に説得力を持たせやすくなります。
3 面接カードとの整合性を確認するため
自治体によっては、面接カードやエントリーシートに、 併願先や現在の選考状況を記入する欄があります。
面接官は、その記載内容と当日の回答が一致しているかを確認します。 内容に違いがあると、それだけで不合格になるとは限りませんが、 追加の説明を求められる可能性があります。
面接カードを提出した後に新しい自治体へ申し込んだ場合や、 選考状況が変わった場合は、隠す必要はありません。
状況が変わった場合の伝え方
「面接カード提出後にA市へも応募しました。現在は一次試験の結果待ちです」 と、変更内容と現在の状況を簡潔に伝えれば問題ありません。
むしろ、事実と異なる回答をしたり、回答を曖昧にしたりすると、 志望動機を含めたほかの内容にも疑問を持たれるおそれがあります。
第1章のまとめ
- 面接官は、併願先の数だけで合否を判断しているわけではない
- 併願状況から、入庁意思と志望動機の一貫性を確認している
- 面接カードと回答が違う場合は、変更内容を正直に説明する
- 「第一志望」という言葉より、その自治体を選んだ具体的な理由が重要
結論|併願状況は「正直+一貫性」が最も重要
併願状況では、無理に「第一志望です」と答えることよりも、 事実を正直に伝え、回答全体に一貫性を持たせることが大切です。
面接官は、併願しているかどうかだけではなく、受験先を選んだ理由、 志望動機、面接カードの内容がつながっているかを確認しています。
併願状況を聞かれた際に、多くの受験生が最初に考えるのは、 「第一志望と言わなければ不利になるのではないか」という不安です。
しかし、面接先が実際には第一志望でないにもかかわらず、 無理に断言すると、その後の深掘り質問で説明が崩れる可能性があります。
面接で重要なのは、都合のよい言葉を選ぶことではありません。 自分の受験状況を正しく把握し、その自治体を受けた理由を自分の言葉で説明すること です。
1 嘘をつくのはおすすめできない理由
併願先を隠したり、実際には第一志望でないのに「絶対に第一志望です」と言い切ったりするのは、 おすすめできません。
併願状況そのものが問題になるというより、 事実と異なる回答によって、ほかの回答まで疑われる可能性がある からです。
嘘が危険な理由
面接では、併願先の名称だけでなく、選考状況、第一志望の理由、 両方合格した場合の判断などを続けて質問されることがあります。 最初の回答が事実と異なると、その後の回答との矛盾が生じやすくなります。
- 面接カードの内容と食い違う
- 深掘り質問への回答が不自然になる
- 志望動機全体の信頼性が下がる
例えば、複数の自治体を受けているにもかかわらず、 「他には一切受けていません」と答えた場合、 面接カードやその後の質問と整合しなくなる可能性があります。
また、すべての受験先で「第一志望です」と答えること自体も、 回答の根拠が薄ければ説得力は高まりません。
「県内ではA市とB市も受験しています。いずれも住民に近い立場で子育て支援に携わりたいという軸で選びました。 その中でも貴市は、地域団体と連携した支援に力を入れている点に魅力を感じています。」
この回答では、併願している事実を隠していません。 そのうえで、受験先に共通する軸と、面接先独自の志望理由を説明しています。
2 第一志望ではない場合の考え方
面接先が第一志望ではない場合、 「第二志望です」と順位だけを伝える必要はありません。
面接官が本当に知りたいのは、順位そのものよりも、 合格した場合に入庁を真剣に検討する意思があるか という点です。
第一志望ではない場合も、次の2点は明確にする
1つ目は、その自治体を実際に志望している理由です。 2つ目は、合格した場合に仕事内容や勤務地、将来像を踏まえて真剣に判断する意思です。
伝えるべきこと
- その自治体を受験した具体的な理由
- 関心のある施策や行政分野
- 入庁後に取り組みたい仕事
- 併願先に共通する仕事選びの軸
避けたいこと
- 順位だけを伝えて話を終える
- 第一志望でないから熱意がないと決めつける
- その場しのぎで第一志望と言い切る
- 他の自治体を悪く言って比較する
第一志望でない場合でも、その自治体で働くことを現実的な選択肢として考えており、 志望理由を具体的に説明できるなら、誠実に伝えることができます。
「A県庁も受験していますが、貴市についても、住民に直接関わる福祉行政に携われる点に強く魅力を感じています。 合格をいただいた場合は、担当できる業務や自分の将来像を踏まえ、責任を持って進路を判断します。」
ただし、「まだ決めていません」「条件のよい方へ行きます」といった回答だけでは、 入庁意思が伝わりません。
迷いがある場合でも、少なくとも なぜその自治体を受け、何に魅力を感じているのか は具体的に説明できるようにしておきましょう。
3 面接官は「順位」よりも「軸」を見ている
複数の自治体や民間企業を受けていても、 受験先を選んだ考え方に一貫性があれば、回答をまとめやすくなります。
反対に、受験先の数が少なくても、 なぜ受けたのかを説明できなければ、志望度は伝わりにくくなります。
受験先を選んだ「軸」を整理する4つの質問
- どのような人や地域を支援したいのか
- どの行政分野や仕事に携わりたいのか
- なぜ民間企業ではなく行政を選ぶのか
- なぜその自治体でなければならないのか
例えば、子育て支援を軸に自治体を併願しているなら、 各自治体の制度や地域課題の違いまで調べることで、 それぞれの志望理由を作り分けられます。
国家公務員と地方公務員を併願している場合も、 「政策の企画と現場での実施の両方に関心がある」など、 自分の関心を軸に整理できます。
民間企業との併願でも、 業界や職種、取り組みたい課題に共通点があれば、 選択に一貫性を持たせることができます。
第2章のまとめ
- 併願状況は、面接官から聞かれた範囲で正直に答える
- 嘘をつくと、面接カードや深掘り回答との矛盾が生じやすい
- 第一志望でない場合でも、順位だけを伝える必要はない
- その自治体を受験した理由と入庁意思を具体的に説明する
- 受験先に共通する仕事選びの軸を整理しておく
面接で評価される併願状況の答え方【3ステップ】
併願状況の質問では、自治体名を並べるだけでも、 「すべて第一志望です」と強調するだけでも十分ではありません。
面接官に伝わりやすい回答にするには、 事実・受験先を選んだ軸・その自治体固有の志望理由 を順番に説明することが重要です。
回答の基本テンプレート
「現在は【併願先・選考状況】を受験しています。 いずれも【受験先に共通する軸】を基準に選びました。 その中でも貴自治体は【その自治体固有の特徴】に魅力を感じており、 入庁後は【取り組みたい仕事】に携わりたいと考えています。」
自治体名や施策名だけを入れ替えるのではなく、自分の経験や関心と結び付けて使ってください。
STEP1 併願状況を事実どおり簡潔に伝える
最初に、現在の併願状況を事実どおり伝えます。 面接官から自治体名や選考状況まで聞かれた場合は、 聞かれた範囲で簡潔に答えましょう。
ここで長々と志望理由まで話す必要はありません。 まずは、 どこを受験し、現在どの段階にあるのか を明確にします。
- 受験している自治体・官庁・企業
- 一次試験・面接・結果待ちなどの選考状況
- すでに合格や内定を得ているか
- 面接カード提出後に状況が変わったか
簡潔に答えるのが基本
「A市は一次試験合格後の面接待ち、B県庁は一次試験の結果待ちです」 のように、事実を短く伝えれば十分です。
「A市とB県庁を受験しています。A市は二次面接の結果待ちで、 B県庁は一次試験の結果待ちです。」
「いくつか受けていますが、まだよく分かりません。 受かったところに行こうと思っています。」
「いくつか受けています」とぼかすと、質問に正面から答えていない印象を与えることがあります。 自治体名まで聞かれた場合は、隠さず答える方が自然です。
ただし、すべての申し込み先や応募日まで細かく話す必要はありません。 面接官の質問に合わせて、必要な情報だけを整理して伝えましょう。
事実を伝える段階で避けたいこと
併願していることを必要以上に謝ったり、 「本当は受けたくなかったのですが」と否定的に説明したりする必要はありません。 併願は珍しいことではないため、落ち着いて事実を伝えましょう。
STEP2 受験先を選んだ共通の軸を説明する
次に、なぜ複数の受験先を選んだのかを説明します。 ここで必要なのが、仕事選びの共通の軸です。
受験先が複数あっても、選んだ理由に共通点があれば、 「受かればどこでもよい」という印象を防げます。
仕事選びの軸を見つける4つの質問
- どのような人や地域の役に立ちたいのか
- どの行政分野・業務に携わりたいのか
- どのような働き方や役割を重視しているのか
- 自分の経験や強みをどの仕事で生かしたいのか
例えば、A市とB市を併願している場合でも、 「子育て世帯が地域で孤立しにくい環境づくりに関わりたい」 という軸があれば、受験先の選び方に一貫性が生まれます。
自治体を複数受験する場合
子育て支援、防災、福祉、地域活性化など、 関心のある行政課題を共通軸にします。
国家・地方を併願する場合
制度設計と現場支援、広域政策と住民対応など、 仕事のつながりを説明します。
民間企業と併願する場合
業界、職種、解決したい社会課題などに共通点を持たせます。
職種が異なる場合
自分の経験や専門性を、各仕事でどう生かせるか整理します。
「A市とB市を受験しています。どちらも地域の子育て支援に力を入れており、 保護者が孤立しにくい相談体制づくりに携わりたいという軸で選びました。」
「日程が重ならなかった自治体を受けています。 公務員になれれば、仕事内容には特にこだわっていません。」
試験日程や採用人数を考慮して受験先を選ぶこと自体は不自然ではありません。 ただし、面接ではそれだけでなく、 仕事内容や地域課題への関心 も説明できるようにしておく必要があります。
ケース別|併願状況の回答例【例文付き】
併願状況の答え方は、すべての受験生が同じではありません。 他自治体を受けている人、国家公務員や民間企業と併願している人、 併願していない人では、説明すべきポイントが異なります。
ただし、どのケースでも基本は同じです。 併願状況を正直に伝え、受験先を選んだ軸と、その自治体固有の志望理由を説明します。
- 他自治体を併願している場合
- 国家公務員と地方公務員を併願している場合
- 民間企業と併願している場合
- 併願していない場合
- 第一志望ではない場合
- すでに内定・最終合格がある場合
- 面接カード提出後に併願先が増えた場合
1 他自治体を併願している場合
市役所や県庁を複数受験している場合は、 自治体名を伝えたうえで、受験先に共通する行政分野や仕事選びの軸を説明します。
「県内ではA市とB市も受験しています。 いずれも子育て支援に力を入れている自治体で、 保護者や子どもが地域で孤立しにくい環境づくりに携わりたいという軸で選びました。 その中でも貴市は、地域団体と連携した相談支援に力を入れている点に魅力を感じています。 入庁後は、支援を必要とする家庭が早期に相談できる仕組みづくりに携わりたいと考えています。」
面接官が評価しやすいポイント
複数の自治体を受けていても、子育て支援という共通軸と、 面接先独自の施策を分けて説明できています。
自分用に置き換える箇所
「子育て支援」を、防災・福祉・観光・地域振興・環境政策など、 自分が関心を持つ分野へ置き換えましょう。
2 国家公務員と地方公務員を併願している場合
国家公務員と地方公務員では、仕事の範囲や住民との距離が異なります。 両方を受験する理由を、政策への関心や仕事内容のつながりから説明しましょう。
「国家一般職とA県庁を併願しています。 災害に強い地域づくりに携わりたいという軸で受験先を選びました。 国家一般職では広域的な制度や支援策に関わることができ、 県庁では市町村と連携しながら地域の実情に応じた施策を実施できると考えています。 その中でも貴県は、地域防災計画の見直しや市町村支援に力を入れているため、 現場に近い立場から防災体制の強化に携わりたいと考えています。」
面接官が評価しやすいポイント
国家と地方の役割の違いを理解しつつ、防災という一つの軸で併願理由を説明しています。
3 民間企業と併願している場合
民間企業との併願自体は珍しくありません。 ただし、「民間でも公務員でもどちらでもよい」と受け取られないように、 共通する課題意識と行政を選ぶ理由を説明します。
「民間では福祉サービスを提供する企業を2社受けています。 高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境づくりに関わりたいという軸は共通しています。 民間企業では個別のサービスを通じた支援ができる一方、 行政では制度や相談体制を整え、支援が届きにくい人も含めて地域全体を支えることができます。 そのため貴市で、地域包括ケアや生活支援の仕組みづくりに携わりたいと考えています。」
面接官が評価しやすいポイント
民間と行政の違いを悪く比較せず、それぞれの役割を理解したうえで公務員を志望しています。
「安定しているから公務員」は主軸にしない
給与や雇用の安定を考えること自体は不自然ではありません。 ただし、面接では仕事内容、対象とする住民、解決したい課題を中心に説明しましょう。
4 併願していない場合
併願していない場合も、単に「一本に絞りました」と答えるだけでは不十分です。 なぜその受験先に集中しているのかと、不合格だった場合の考え方を整理しておきます。
「現在、他の採用試験は受験していません。 大学で地域福祉を学ぶ中で、住民に近い立場から生活課題の解決に関わりたいという考えが明確になり、 今年度は貴市の採用試験に集中しています。 特に、貴市が進める地域住民と専門職が連携した相談支援に魅力を感じています。 入庁後は、相談につながりにくい住民を早期に支援できる体制づくりに携わりたいです。」
面接官が評価しやすいポイント
併願なしを精神論で終わらせず、学んだこと、受験先を絞った理由、 入庁後の仕事まで説明しています。
併願していないこと自体が、高評価になるわけではありません。 面接官から「不合格だったらどうしますか」と聞かれる可能性もあるため、 現実的な進路も考えておきましょう。
5 第一志望ではない場合
面接先が第一志望ではなくても、嘘をついてまで第一志望と断言する必要はありません。 ただし、順位だけを伝えて終わるのではなく、その自治体で働きたい理由を具体的に説明します。
「A県庁も受験していますが、貴市についても、 住民に直接関わりながら福祉課題の解決に取り組める点に強く魅力を感じています。 特に、貴市の重層的支援体制整備事業では、 分野を問わず相談を受け止める体制を進めていると理解しています。 合格をいただいた場合は、担当できる業務や自分の将来像を踏まえ、 責任を持って進路を判断します。」
面接官が評価しやすいポイント
第一志望とは断言していませんが、自治体研究に基づく志望理由と、 入庁を真剣に検討する意思を示しています。
6 他自治体・民間企業から内定をもらっている場合
すでに内定や最終合格を得ている場合は、聞かれた範囲で正直に伝えます。 内定があることを隠すよりも、現在の状況と面接先への志望理由を整理して答える方が自然です。
「A市から最終合格をいただいています。 A市も地域福祉に力を入れており、住民に近い立場で支援に関わりたいという軸で受験しました。 一方、貴市は多機関が連携した相談支援や地域づくりを一体的に進めており、 私が大学で学んだ地域福祉をより広く生かせると感じています。 貴市から合格をいただいた場合は、業務内容と将来像を踏まえて真剣に進路を判断します。」
面接官が評価しやすいポイント
内定の事実を隠さず、両自治体の違いと面接先に感じている魅力を説明しています。
7 面接カード提出後に併願先が増えた場合
面接カード提出後に新しい自治体へ応募したり、選考状況が進んだりすることはあります。 提出時点と状況が違っても、変更内容を説明できれば問題ありません。
「面接カード提出時点ではA市のみを受験していましたが、 その後、試験日程と仕事内容を確認し、B県庁にも応募しました。 現在は一次試験の結果待ちです。 いずれも地域の防災体制を強化する仕事に携わりたいという軸で選んでいます。 その中でも貴市では、住民や地域団体と直接連携する防災業務に魅力を感じています。」
面接官が評価しやすいポイント
面接カードとの違いを隠さず、状況が変わった時期と理由を簡潔に説明しています。
例文を自分用に直すチェックリスト
- 実際の併願状況と一致している
- 受験先に共通する軸がある
- 面接先独自の特徴が入っている
- 自分の経験と志望理由がつながっている
- 入庁後に取り組みたい仕事が具体的
- 深掘りされても説明できる
第4章のまとめ
- 併願パターンによって、説明すべき内容は異なる
- どのケースでも、事実・共通軸・固有の志望理由を入れる
- 第一志望でない場合も、嘘ではなく具体的な志望理由で熱意を示す
- 内定や選考状況の変更は、聞かれた範囲で正直に説明する
- 例文は丸暗記せず、自分の経験と自治体研究に置き換える
面接官が評価する回答・評価されにくい回答の違い
併願状況の質問では、併願先の数や種類だけで評価が決まるわけではありません。 同じ併願状況でも、答え方によって面接官が受ける印象は変わります。
評価されやすい回答には、 正直さ・一貫性・具体性・入庁後のビジョン という共通点があります。
1 OK回答とNG回答の違いを比較
まずは、評価されやすい回答と評価されにくい回答の違いを比較してみましょう。
| 評価されやすい回答 | 評価されにくい回答 |
|---|---|
| 併願先と現在の選考状況を事実どおり伝える | 併願先を隠す、曖昧にごまかす |
| 受験先に共通する仕事選びの軸を説明する | 日程が合った、受かりやすそうなどの理由だけで終える |
| 面接先独自の施策や課題を踏まえて志望理由を伝える | 「社会貢献したい」「公務員になりたい」だけで終える |
| 第一志望と断言しなくても、入庁を真剣に検討する意思を示す | すべての受験先で根拠なく「第一志望です」と言う |
| 面接カードと回答内容を一致させる | 提出書類と異なる内容を説明しないまま話す |
| 他自治体や民間企業の役割も尊重して比較する | 他の受験先を悪く言って面接先を持ち上げる |
2 面接官に評価されやすい回答の特徴
- 質問に対して、最初に結論を簡潔に答えている
- 併願先を選んだ理由に共通する軸がある
- 自分の経験と志望分野がつながっている
- 面接先独自の施策・地域課題を具体的に調べている
- 合格後に取り組みたい業務を説明できる
- 深掘りされても、同じ考え方で回答を続けられる
評価されやすい回答は、必ずしも流暢である必要はありません。 少し言葉に詰まっても、自分の経験や考えに基づいて説明できれば、 暗記した文章をそのまま話すよりも説得力が出ます。
「A市とB市を受験しています。どちらも子育て支援に力を入れており、 保護者が孤立しにくい相談体制づくりに携わりたいという軸で選びました。 その中でも貴市は、地域団体と連携した相談支援を進めている点に魅力を感じています。 入庁後は、相談につながりにくい家庭を早期に支援する仕組みづくりに携わりたいです。」
「A市とB市も受けていますが、ここが第一志望です。 公務員は安定しており、人の役に立てる仕事だからです。 合格したところの中から条件を見て決めようと思っています。」
3 評価されにくい回答の特徴
- 併願状況を聞かれているのに、志望動機だけを長く話す
- 自治体名や選考状況を必要以上にぼかす
- 受験先を選んだ理由が、試験日程や採用人数だけになっている
- 「社会貢献」「安定」といった抽象語だけで説明する
- すべての受験先を第一志望だと言いながら、理由を説明できない
- 他自治体や民間企業を否定して、面接先を持ち上げる
- 面接カードと異なる内容を説明せずに答える
- 「受かればどこでもよい」と受け取られる言い方をする
これらの回答は、併願していること自体が問題なのではありません。 面接官が知りたい質問に答えていないことや、 志望動機との一貫性が見えないことが問題です。
やってはいけない代表的なNG回答
- 「全部第一志望です」
- 「受かればどこでも構いません」
- 「公務員なら仕事内容は問いません」
- 「民間企業より公務員の方が楽そうです」
- 「他は練習として受けています」
- 「面接カードに何を書いたか覚えていません」
4 NG回答を評価される回答へ直す方法
現在の回答に不安があっても、すべてを一から作り直す必要はありません。 次の順番で不足している要素を補えば、回答を改善できます。
回答を改善する4ステップ
- 現在の併願先と選考状況を事実どおり整理する
- 複数の受験先に共通する仕事選びの軸を一つ決める
- 面接先独自の施策・地域課題・役割を調べる
- 入庁後に取り組みたい仕事まで一文でまとめる
「いくつか自治体を受けています。すべて第一志望で、 どこでも住民の役に立てる仕事がしたいです。」
「A市とB市を受験しています。どちらも地域防災に力を入れており、 住民と行政が協力して災害に備える仕組みづくりに携わりたいという軸で選びました。 特に貴市は自主防災組織への支援に力を入れているため、 地域の防災力向上に携わりたいと考えています。」
5 回答の長さは40秒前後を目安にする
併願状況の最初の回答は、長くなりすぎないようにしましょう。 自治体名、共通軸、面接先を志望する理由をまとめ、 30〜50秒程度で話せる長さ を目安にすると整理しやすくなります。
面接官がさらに詳しく知りたい部分は、その後の質問で確認されます。 最初からすべてを説明しようとすると、質問への回答が長くなり、 最も伝えたいポイントがぼやけます。
本番前の回答チェックリスト
- 併願先を正直に答えている
- 質問に対して結論から答えている
- 受験先に共通する軸がある
- 面接先独自の魅力を説明している
- 自分の経験と志望理由がつながっている
- 入庁後に取り組みたい仕事が具体的
- 面接カードの内容と矛盾していない
- 他の受験先を否定していない
第5章のまとめ
- 評価される回答は、正直さ・一貫性・具体性がある
- 第一志望という言葉より、面接先を選んだ理由が重要
- 併願先を選んだ共通軸と、自治体独自の志望理由を分けて説明する
- 抽象的な回答や他の受験先を否定する回答は避ける
- 最初の回答は結論から簡潔にまとめ、深掘り質問に備える
併願状況の後によく聞かれる深掘り質問と答え方
併願状況を答えると、面接官はその内容をもとに、 志望動機や入庁意思をさらに確認します。
最初の回答だけを準備していても、その後の質問で説明が変わると、 回答全体の一貫性が弱く見える可能性があります。
- なぜ当市を志望したのですか?
- 他の自治体との違いは何ですか?
- 両方合格したらどうしますか?
- 民間企業では実現できませんか?
- 当市が第一志望ですか?
- 不合格だった場合はどうしますか?
深掘り質問に答える基本の流れ
1 「なぜ当市を志望したのですか?」
併願先が複数ある場合、面接官は 「その中で、なぜ自分たちの自治体を受けたのか」 を確認します。
面接官の意図
どの自治体にも使える志望動機ではなく、地域課題や施策を理解したうえで受験しているかを見ています。
「子育て世帯が孤立しにくい地域づくりに携わりたいと考え、複数の自治体を受験しています。 その中でも貴市は、行政だけでなく地域団体や民間事業者と連携した相談支援に力を入れている点に魅力を感じました。 入庁後は、支援を必要とする家庭が早期に相談につながる仕組みづくりに携わりたいと考えています。」
避けたい回答
「地元だからです」「有名な自治体だからです」だけでは、仕事内容への関心が伝わりません。
2 「他の自治体との違いは何ですか?」
この質問では、自治体研究の深さと、 受験先を比較したうえで選んでいるかが確認されます。
面接官の意図
自治体名や規模だけでなく、役割、地域課題、施策の進め方の違いまで理解しているかを見ています。
「A市も子育て支援に力を入れていますが、貴市は地域の子育て支援団体と行政が定期的に情報共有する仕組みを設けている点に特徴があると考えています。 私は大学時代に子どもの居場所づくりに関わった経験があるため、行政と地域の双方をつなぐ立場として支援体制の充実に携わりたいです。」
避けたい回答
「A市より貴市の方が将来性があります」のように、根拠なく他自治体を低く評価する言い方は避けましょう。
3 「両方合格したらどうしますか?」
面接官は、合格後に入庁する可能性と、 進路を判断する基準を確認しています。
面接官の意図
その場で第一志望と言わせることだけが目的ではなく、受験生が進路をどのように考えているかを確認します。
「貴市を第一志望としています。 住民に近い立場から地域福祉に携われることに加え、分野を問わず相談を受け止める体制づくりに力を入れている点が、自分の目指す仕事と最も一致しているためです。 合格をいただけた場合は、貴市への入庁を希望します。」
「A県庁も受験していますが、貴市についても、住民と直接関わりながら福祉課題の解決に取り組める点に強く魅力を感じています。 合格をいただいた場合は、担当できる業務や将来の働き方を踏まえ、責任を持って進路を判断します。」
避けたい回答
「条件がよい方へ行きます」「まだ何も考えていません」だけでは、入庁意思が伝わりません。
4 「民間企業では実現できませんか?」
民間企業と併願している場合は、行政と民間の役割を理解しているかを確認されます。
面接官の意図
民間企業を否定できるかではなく、なぜ行政という立場を選ぶのかを筋道立てて説明できるかを見ています。
「民間企業でも福祉サービスを通じた支援は可能だと考えています。 一方、行政には、個別サービスの利用者だけでなく、支援につながっていない住民も含めて地域全体の仕組みを整える役割があります。 私は、相談体制や関係機関の連携を整える立場から、必要な人へ支援が届く地域づくりに携わりたいと考え、公務員を志望しています。」
避けたい回答
「民間は利益しか考えていない」「公務員の方が安定している」といった比較は、志望理由として弱くなります。
5 「当市が第一志望ですか?」
第一志望であれば、結論を明確に答えたうえで、 なぜ第一志望なのかを具体的に説明します。
第一志望ではない場合も、反射的に嘘をつくのではなく、 面接先に感じている魅力と入庁を検討する意思を誠実に伝えましょう。
「はい、貴市が第一志望です。 大学で地域防災を学ぶ中で、住民と行政が協力する防災体制づくりに関心を持ちました。 貴市は自主防災組織への継続的な支援に力を入れており、自分の学びを生かしながら地域の防災力向上に携われると考えています。」
「A県庁も志望していますが、貴市についても、住民に最も近い立場から防災活動を支援できる点に魅力を感じています。 特に、地域ごとの課題に応じた自主防災組織への支援に関心があり、合格をいただいた場合は真剣に入庁を検討します。」
避けたい回答
「もちろん第一志望です」とだけ答えても、理由がなければ説得力は高まりません。
6 「不合格だった場合はどうしますか?」
この質問では、公務員への志望度だけでなく、 不測の結果にも現実的に対応できるかが確認されます。
面接官の意図
不合格を想定しているから志望度が低いという意味ではなく、進路や再挑戦を計画的に考えているかを見ています。
「まずは現在受験している試験に全力を尽くします。 不合格だった場合は、結果を振り返り、面接や筆記の課題を整理します。 地域福祉に携わりたいという軸は変わらないため、関連する仕事で経験を積むことも検討しながら、必要であれば再受験を目指します。」
避けたい回答
「絶対に落ちないので考えていません」では、計画性や冷静さが伝わりにくくなります。
深掘り質問まで想定して模擬面接を受ける方法もあります
併願状況・志望動機・面接カードの回答がつながっているかは、 自分だけでは判断しにくいことがあります。 面接対策講座だけを利用したい人向けに、アガルートの講座内容と注意点を別記事で整理しています。
アガルートの面接対策講座を確認する深掘り質問の準備チェックリスト
- 面接先を選んだ理由を具体的に言える
- 他自治体との違いを説明できる
- 両方合格した場合の考えを整理している
- 行政と民間の役割の違いを理解している
- 第一志望の理由を具体的に説明できる
- 第一志望でない場合も誠実に回答できる
- 不合格だった場合の進路を考えている
- 最初の併願回答と内容が矛盾していない
第6章のまとめ
- 併願状況の後は、志望理由や入庁意思を深掘りされる
- 回答は「結論・理由・入庁後の行動」の順で整理する
- 他自治体や民間企業を否定せず、役割の違いを説明する
- 第一志望でない場合も、面接先に感じる魅力を具体的に伝える
- 最初に示した仕事選びの軸を変えずに回答する
面接カードと併願状況の回答は一致させるべき?
面接カードに併願先を記入した後で、新しい自治体へ出願したり、 選考結果が変わったりすることは珍しくありません。
そのため、提出時点と面接当日の状況が完全に同じでなくても、 直ちに問題になるわけではありません。
面接カードと当日の回答は、基本的な考え方を一致させる必要があります。
ただし、提出後に併願先や選考状況が変わった場合まで、 古い内容に合わせて答える必要はありません。 重要なのは、変更を隠さず、志望動機や仕事選びの軸が変わっていないことを説明することです。
1 面接カードと回答が違うとどうなる?
面接官は、面接カードを見ながら質問することがあります。 そのため、記載内容と当日の回答が大きく異なれば、 「なぜ内容が変わったのか」と確認される可能性があります。
ただし、違いがあること自体で不合格になるとは限りません。 面接カードは提出時点の情報であり、面接日までに状況が変わることは十分にあり得るからです。
| 変わる可能性がある項目 | 面接での説明方法 |
|---|---|
| 併願先が増えた | 提出後に出願した自治体名と、追加した理由を簡潔に伝える |
| 一次試験に合格した | 提出時点では受験中だったが、現在は二次試験待ちと説明する |
| 不合格になった | 現在の選考状況を事実どおり伝える |
| 内定・最終合格を得た | 合格の事実と、面接先への志望理由を分けて説明する |
| 志望順位が変わった | 自治体研究や説明会を通じて考えが変わった理由を具体的に話す |
違いがある場合の基本姿勢
「面接カード提出後に状況が変わりました」と最初に伝え、 現在の情報を簡潔に説明すれば、面接官も内容を整理しやすくなります。
避けたい対応
面接カードの記載に無理に合わせて、現在の状況を隠したり、 事実と異なる回答をしたりすることは避けましょう。
2 面接カード提出後に併願先が増えた場合
面接カードを提出した後に、新しい自治体や民間企業へ応募することもあります。 この場合は、追加した事実をそのまま伝えて問題ありません。
「面接カード提出時点ではA市のみを受験していましたが、 その後、仕事内容と試験日程を確認し、B県庁にも応募しました。 現在、B県庁は一次試験の結果待ちです。 いずれも地域防災に携わりたいという軸で選んでおり、 貴市では住民に近い立場から自主防災活動を支援できる点に魅力を感じています。」
3 選考状況が変わった場合の伝え方
面接カードに書いた自治体の選考が進んだ場合も、 現在の状況を事実どおり伝えます。
一次試験に合格した場合
「提出時点では一次試験受験後でしたが、現在は合格し、二次面接を控えています」 と伝えます。
不合格になった場合
「A市は一次試験で不合格となりました。現在選考中なのはB県庁です」 と簡潔に伝えます。
最終合格を得た場合
「A市から最終合格をいただいています」と伝えた後、 面接先への志望理由も説明します。
辞退した場合
辞退した事実を隠さず、なぜ辞退したのかを必要な範囲で説明します。
「面接カード提出後にA市から最終合格をいただきました。 A市も地域福祉に力を入れており、住民に近い立場から支援に携わりたいという軸で受験しました。 一方、貴市は分野を問わず相談を受け止める体制づくりを進めており、 大学で学んだ地域福祉をより広く生かせると感じています。」
4 志望動機との整合性を取る方法
面接カードの併願状況と当日の回答をそろえるだけでは不十分です。 併願先を選んだ理由が、志望動機ともつながっている必要があります。
回答を一貫させる4ステップ
- 自分が取り組みたい地域課題や行政分野を決める
- その軸で各受験先を選んだ理由を整理する
- 面接先独自の施策・役割・地域課題を確認する
- 入庁後に取り組みたい仕事へつなげる
例えば、子育て支援を軸に複数の自治体を受けている場合でも、 各自治体の施策や地域課題は異なります。
面接先については、 「子育て支援に力を入れているから」だけで終わらせず、 どの施策に関心を持ち、自分がどのように関わりたいかまで具体化しましょう。
一貫性がある回答の形
「自分の経験」から「仕事選びの軸」へつなげ、 「自治体独自の特徴」を根拠に「入庁後の仕事」を説明できると、 面接カードと口頭回答に一貫性が生まれます。
5 志望順位が変わった場合は正直に説明する
自治体研究、説明会、職員訪問、面接などを通じて、 志望順位が変わることもあります。
志望順位が変わったこと自体は不自然ではありません。 重要なのは、何を知ったことで考えが変わったのかを具体的に説明することです。
「面接カード提出時点ではA県庁を第一志望としていました。 その後、貴市の職員説明会に参加し、若手職員も地域団体と連携した事業に関われることを知りました。 私が学生時代に取り組んだ地域活動の経験を生かせると感じ、 現在は貴市への志望度が最も高くなっています。」
避けたい回答
「ほかの自治体に落ちたので、貴市が第一志望になりました」 だけでは、面接先を積極的に選んだ理由が伝わりません。
6 面接カードのコピーを使って回答を確認する
面接前には、提出した面接カードのコピーを必ず読み返しましょう。 自分で書いた内容でも、提出から時間がたつと細かな表現を忘れることがあります。
面接カードで確認する項目
- 記入した併願先と選考状況
- 第一志望・志望順位の記載
- 志望動機の中心となる考え
- 関心のある施策・行政分野
- 自己PRで示した強み
- 入庁後に取り組みたい仕事
- 提出後に変わった内容
- 変更理由を簡潔に説明できるか
面接カードを一字一句暗記する必要はありません。 むしろ、書いた文章を丸暗記すると、質問の聞かれ方が変わったときに対応しにくくなります。
記載した事実と考え方を確認し、 自分の言葉で説明できる状態にしておきましょう。
面接直前の整合性チェック
- 面接カードのコピーを読み返した
- 現在の併願先を整理した
- 各併願先の選考状況を確認した
- 提出後の変更内容を把握した
- 変更理由を一文で説明できる
- 仕事選びの軸が一貫している
- 面接先独自の志望理由がある
- 入庁後に取り組みたい仕事が言える
第7章のまとめ
- 面接カードと当日の回答は、基本的な事実と考え方を一致させる
- 提出後に状況が変わった場合は、現在の情報を正直に伝える
- 変更した時期・内容・理由を簡潔に説明する
- 併願先が増えても、仕事選びの軸を変えない
- 面接カードを暗記するのではなく、自分の言葉で説明できるようにする
元採用担当が見た「評価される受験生」の共通点
併願状況の回答では、完璧な例文を暗記している人が 必ず高く評価されるわけではありません。
採用側が確認しているのは、受験生が自分の進路をどのように考え、 なぜその自治体を受験しているのかを、自分の言葉で説明できるかです。
1 併願状況を必要以上に隠さない
評価されやすい受験生は、複数の自治体や民間企業を受けていても、 必要以上に申し訳なさそうにしたり、事実を曖昧にしたりしません。
面接官から聞かれた範囲で、併願先と現在の選考状況を簡潔に伝えます。
- 自治体名まで聞かれたら正直に答える
- 選考状況を事実どおり説明する
- 面接カード提出後の変更も隠さない
- 必要のない細かな情報まで長く話さない
併願していること自体は珍しくありません。 むしろ、事実を隠そうとして回答が不自然になる方が、 面接官に疑問を持たれる原因になります。
「A市とB県庁を受験しています。 A市は二次面接の結果待ちで、B県庁は一次試験の結果待ちです。」
「ほかにも少し受けていますが、あまり関係ないと思います。 詳しいことは控えさせてください。」
2 受験先を選んだ「共通の軸」がある
評価される受験生は、複数の受験先があっても、 なぜその組み合わせになったのかを説明できます。
例えば、市役所、県庁、国家一般職、民間企業を併願していても、 解決したい課題や携わりたい仕事に共通点 があれば、受験先の選び方に一貫性が生まれます。
評価につながりやすい「軸」の例
子育て支援、防災、地域福祉、観光振興、環境政策、企業支援などの行政分野だけでなく、 「住民に近い立場で課題解決に関わりたい」 「制度と現場の両面から支援したい」 といった仕事の役割も軸になります。
一方で、「試験日が重ならなかった」「採用人数が多かった」という理由だけでは、 仕事内容への関心が見えません。
試験日程や採用人数も受験先を選ぶ現実的な条件ですが、 面接では仕事選びの考え方も説明できるようにしておきましょう。
3 面接先独自の志望理由を説明できる
受験先に共通する軸だけでは、 「ほかの自治体でもよいのでは」と思われる可能性があります。
評価される受験生は、共通軸を示した後に、 面接先だからこそ志望する理由を具体的に説明します。
地域課題
人口構成、産業、災害リスク、地域差など、その自治体が抱える課題を理解しています。
施策や事業
総合計画、個別計画、重点事業などから、関心のある取り組みを確認しています。
行政の進め方
住民、地域団体、民間企業、市町村など、誰と連携しているかを見ています。
自分との接点
学習経験、アルバイト、地域活動、仕事経験などと志望分野を結び付けています。
4 面接カードと口頭回答に一貫性がある
面接では、併願状況だけを単独で評価するわけではありません。 面接カード、志望動機、自己PR、入庁後に取り組みたい仕事など、 ほかの回答とのつながりも確認されます。
評価される受験生は、質問が変わっても、 自分の経験や仕事選びの軸が大きく変わりません。
一貫性のある回答の流れ
「過去の経験」から「関心を持った課題」へつなげ、 「受験先を選んだ軸」「その自治体を志望する理由」 「入庁後に取り組みたい仕事」までを一本につなげます。
ただし、すべての回答で同じ文章を繰り返す必要はありません。 質問に合わせて説明する内容は変えながら、 中心となる考え方を変えないことが重要です。
5 深掘り質問へ自分の言葉で答えられる
完成度の高い例文を作っても、 深掘り質問で答えられなければ、暗記した印象が強くなります。
評価される受験生は、用意した文章をそのまま再生するのではなく、 面接官の質問に合わせて情報を選び、自分の言葉で説明します。
- 「なぜその分野に関心を持ったのか」を説明できる
- 自治体の施策を自分の言葉で要約できる
- 他自治体との違いを否定せずに説明できる
- 入庁後に担当したい仕事を具体化できる
- 分からないことを無理に作らず、誠実に答えられる
少し言葉に詰まったとしても、 質問を理解して考えながら答えていることが伝われば、 必ずしも悪い印象にはなりません。
6 評価が伸びにくい受験生に見られる特徴
併願状況で評価が伸びにくい受験生には、 次のような傾向があります。
併願先を隠す、すべて第一志望と言う、 仕事選びの軸がない、自治体固有の理由を説明できないなどです。
質問に答えず長く話す、暗記した文章を繰り返す、 深掘りされると最初の説明と内容が変わるなどです。
これらは、面接が得意でないから起きるとは限りません。 自分の考えを整理せずに例文だけを覚えた場合にも起こります。
まずは上手に話そうとするのではなく、 併願状況、仕事選びの軸、面接先の志望理由を箇条書きで整理しましょう。
7 面接直前に確認したい5つのポイント
元採用担当による最終チェック
- 現在の併願先と選考状況を正確に把握している
- 面接カード提出後の変更を説明できる
- 受験先を選んだ共通の軸がある
- 面接先独自の志望理由を具体的に言える
- 入庁後に取り組みたい仕事が明確
- 他自治体や民間企業を否定していない
- 第一志望でない場合も誠実に答えられる
- 深掘りされても同じ軸で説明できる
- 面接カードと口頭回答が矛盾していない
- 回答を丸暗記せず、自分の言葉で話せる
すべてを完璧に仕上げる必要はありません。 最低限、事実関係と仕事選びの軸、面接先を志望する理由を整理しておけば、 質問の聞かれ方が変わっても対応しやすくなります。
第8章のまとめ
- 評価される受験生は、併願状況を正直かつ簡潔に伝える
- 複数の受験先を選んだ共通の軸を説明できる
- 面接先独自の志望理由と入庁後の仕事が具体的
- 面接カード・志望動機・併願回答に一貫性がある
- 例文の暗記ではなく、質問に合わせて自分の言葉で答える
まとめ|併願状況は「正直さ」と「一貫性」で伝えよう
公務員面接で併願状況を聞かれても、 他の自治体や民間企業を受けていること自体を必要以上に心配する必要はありません。
面接官が確認しているのは、併願先の数よりも、 受験先を選んだ理由と、その自治体で働きたい理由を一貫して説明できるか という点です。
併願していることよりも、事実を隠したり、回答が矛盾したりすることに注意しましょう。
第一志望という言葉だけで熱意を示すのではなく、 自分の経験、仕事選びの軸、自治体研究、入庁後に取り組みたい仕事をつなげることで、 説得力のある回答になります。
1 併願状況の回答は4つの要素で作る
併願状況への回答は、次の4つを順番に整理すると作りやすくなります。
最終回答テンプレート
「現在は【併願先と選考状況】を受験しています。 いずれも【受験先に共通する仕事選びの軸】を基準に選びました。 その中でも貴自治体は【施策・地域課題・仕事の特徴】に魅力を感じています。 入庁後は【具体的に取り組みたい仕事】に携わりたいと考えています。」
自治体名や施策名だけを入れ替えるのではなく、自分の経験や問題意識と結び付けてください。
2 自分の状況に合わせて回答を調整する
他自治体を併願している
共通する行政分野を示した後に、面接先独自の施策や地域課題を説明します。
国家公務員と併願している
国と地方の役割の違いを理解し、関心のある政策や仕事のつながりを示します。
民間企業と併願している
民間を否定せず、行政だからこそ担える対象範囲や役割を説明します。
併願していない
一本に絞った理由と、その自治体で取り組みたい仕事を具体的に伝えます。
第一志望ではない
嘘をつかず、面接先に感じている魅力と入庁を真剣に検討する意思を伝えます。
すでに内定・最終合格がある
合格の事実を正直に伝え、面接先を志望する固有の理由を説明します。
提出後に併願先が増えた
面接カード提出後に変更した時期・内容・理由を簡潔に説明します。
志望順位が変わった
説明会や自治体研究を通じて、考えが変わった具体的な理由を伝えます。
3 最後まで避けたいNG回答
本番で避けたい回答
- 併願先を隠したり、曖昧にごまかしたりする
- 根拠なく、すべての受験先を第一志望と言う
- 「受かればどこでもよい」と伝わる回答をする
- 安定性や待遇だけを志望理由にする
- 他自治体や民間企業を悪く言う
- 面接カードと異なる内容を説明しない
- 自治体名を並べるだけで、受験理由を話さない
- 例文を丸暗記し、深掘り質問で回答が止まる
4 面接前の最終チェックリスト
併願状況の回答を最終確認する
- 現在の併願先を正確に把握している
- 各受験先の選考状況を説明できる
- 面接カード提出後の変更を整理した
- 受験先に共通する仕事選びの軸がある
- 面接先独自の特徴を調べている
- 自分の経験と志望理由がつながっている
- 入庁後に取り組みたい仕事が具体的
- 第一志望の理由を説明できる
- 第一志望でない場合の回答も準備した
- 両方合格した場合の考えを整理した
- 民間企業との役割の違いを説明できる
- 不合格だった場合の進路を考えている
- 他の受験先を否定する表現がない
- 面接カードと回答に矛盾がない
- 30〜50秒程度で簡潔に話せる
- 深掘りされても同じ軸で答えられる
模擬面接で、志望動機や面接カードとの矛盾を確認しておくと安心です
併願状況の回答は、その後の深掘り質問まで含めて準備する必要があります。 面接対策だけを受講したい人向けに、アガルートの面接対策講座の内容・料金・注意点を別記事で詳しく整理しています。
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併願数よりも、回答全体の一貫性が重要です
私は横浜市職員として16年間勤務し、そのうち3年間、 人事採用業務に携わりました。
採用側の視点では、併願しているという事実だけで受験生を判断するのではなく、 志望動機、受験先の選び方、面接カードの内容が一つの考え方でつながっているか を確認することが重要です。
「第一志望です」という言葉だけを強調するよりも、 自治体の特徴を理解したうえで、入庁後に取り組みたい仕事を具体的に説明できる方が、 志望度は伝わりやすくなります。