はじめに|「憲法」は専門科目の中で最もコスパが高い!
公務員試験の専門科目の中でも、「憲法」は得点効率が高い科目の一つ。 出題数が安定し、理解型の問題が中心なので、正しい学び方で早期に得点源化できます。
- 専門全体40問前後 → 憲法は4〜6問
- 頻出:人権 / 統治 / 重要判例
- 理解重視:条文暗記だけでは足りない
第1章|公務員試験の憲法出題範囲と頻出分野ランキング
まずは出題範囲の全体像と、どこから手を付けるべきかが一目でわかる「頻出分野」を押さえましょう。
範囲 憲法は「人権・統治・判例」の3ブロック
- 🧑⚖️ 人権:総論(基本原則・公共の福祉)/各論(自由権・社会権・参政権 など)
- 🏛️ 統治:国会・内閣・裁判所・地方自治・天皇・財政 など
- 📚 判例:主要判決の事案→法的評価→結論の流れ
頻出 憲法の頻出テーマランキング TOP5
- 制約の基準(合理性・厳格・中間)
- 判例の結論と理由をセットで
- 法律の留保・委任立法・政令
- 違憲審査制・司法権の限界
- 条例制定権・住民投票・監査
- 自治事務と法定受託事務
- 優越的地位/二重の基準論
- 検閲・事前抑制の判例
- 国事行為・助言と承認
- 内閣の権能と国会の権能
学習 ここから始めると効率が良い
- ① 公共の福祉と表現の自由(人権の柱)
- ② 国会・内閣・裁判所の権限対比(統治の柱)
- ③ 地方自治(用語が多いので早めに慣れる)
第2章|初心者でも理解できる!憲法の基礎3ステップ
いきなり判例から入ると挫折しやすいです。まずは「原則 → 人権 → 統治」の3ステップで、 憲法の骨組みを作っていきましょう。
全体像 3ステップで「骨組み」を作る
日本国憲法の3原則(国民主権・基本的人権の尊重・平和主義)+統治の大枠。
「誰が」「どんな自由を」「どこまで」持つのかをパターン化して覚える。
国会・内閣・裁判所の関係性を図解でつなげ、判例理解の土台にする。
STEP1 憲法の基本原則をざっくりつかむ
最初に押さえるべきは、教科書で必ず出てくる憲法の3原則です。 ここが理解できていれば、後の人権・統治の位置づけがスムーズになります。
| 原則 | ざっくり説明 |
|---|---|
| 国民主権 | 政治の最終的な決定権は国民にある(選挙・代表を通して行使) |
| 基本的人権の尊重 | 人が人らしく生きるための権利を、国家が最大限尊重しなければならない |
| 平和主義 | 戦争の放棄・戦力不保持などを通じて、平和を維持しようという考え方 |
STEP2 人権総論・各論を「誰・何・どこまで」で整理
人権分野は覚える項目が多いため、「誰が/どんな自由を/どこまで持つか」という型で整理します。
| 観点 | 確認するポイント |
|---|---|
| 誰が | 日本国民/外国人/法人 など、権利主体は誰か? |
| どんな自由を | 精神的自由・経済的自由・人身の自由など、どのカテゴリーか? |
| どこまで | 公共の福祉による制約の程度/違憲審査基準(厳格・中間・合理性) |
・どんな自由:言論・出版・デモなどの精神的自由
・どこまで:民主主義の基盤→厳格な違憲審査基準で守られる
STEP3 統治機構を図でつなげて、判例の土台を作る
統治分野は、「誰が」「どんな権限を持ち」「どうチェックされるか」の関係をつかめれば怖くありません。 下の図のように、国会・内閣・裁判所を矢印で結んでイメージを作りましょう。
- 事案:何が起きたのか?(登場人物と争点)
- 法的評価:どの条文・自由が問題になった?
- 結論:合憲/違憲/限定合憲など、裁判所はどう判断した?
この3つを一行メモで残すだけで、判例問題への対応力が大きく変わります。
まとめ 基礎3ステップのおさらい
- STEP1:3原則(国民主権・人権・平和主義)で憲法の「目的」を理解
- STEP2:人権は「誰/何/どこまで」の型で整理し、優越的自由から潰す
- STEP3:統治機構を図でつなぎ、判例を「事案→評価→結論」で読む
第3章|頻出テーマ3選と出題パターン攻略
憲法の問題はバラバラに見えて、実は「出題パターン」が決まっていることが多いです。 ここでは、特に頻出な3テーマを「よくある聞かれ方」とセットで整理します。
①公共の福祉と人権の制約
「公共の福祉」とセットで問われるのが、違憲審査の三基準です。 精神的自由権か、経済的自由権かによって、求められる合理性のレベルが変わります。
「経済的自由に対する規制について、違憲審査基準として適切なものはどれか。」
→ 多くは合理性の基準で審査/精神的自由ならより厳しい基準 など。
- 精神的自由:表現の自由・学問の自由… → 厳格審査が原則
- 経済的自由:職業選択の自由・営業の自由… → 合理性の基準 など
① どの自由が問題か?(精神/経済)
② 規制の重さは?(厳しい?軽い?)
③ どの審査基準が妥当か?…の順に判断すると迷いにくくなります。
②国会・内閣・裁判所の権限対比
統治分野では、「誰がどの権限を持つか」を取り違えるミスが頻発します。 特に、法律の留保・委任立法・政令といったテーマで混乱しがちです。
「次のうち、内閣の権限として妥当なのはどれか。」 → 法律の制定(×:国会)、政令の制定(○:内閣)…といった形で主語を問う。
- 国会:唯一の立法機関/条約の承認 など
- 内閣:政令の制定/条約の締結/予算の作成 など
- 裁判所:司法権の独立/違憲審査制の運用 など
問題文に出てくる権限を見たら、心の中で「これは本来誰の仕事?」と唱えてから選択肢を見るクセをつけましょう。
③地方自治と判例パターン
地方自治は、用語が多くて苦手にしやすい部分ですが、「団体自治」と「住民自治」の2つの軸で整理するとスッキリします。
「次のうち、団体自治の内容として妥当なものはどれか。」 「条例制定権」「住民投票」「首長選挙」などを混ぜて出題。
- 団体自治:条例制定権・財政権・事務配分(自治事務/法定受託事務)
- 住民自治:首長・議会の選挙、住民投票、直接請求 など
判例問題では、地方自治の原則と結びつけて
「国がどこまで口出しできるか?」が問われることが多いです。 事案の中で、「誰が何に口出ししているのか」を意識して読みましょう。
まとめ 頻出テーマの攻略ポイント
- 公共の福祉+違憲審査基準は、自由の種類と規制の重さで判断する。
- 統治分野は、「誰が何を決めるのか」という主語チェックがカギ。
- 地方自治は、「団体自治/住民自治」の軸と判例の事案をセットで整理。
第4章|憲法で失点しやすい3つのミスと対策
「過去問を解いているのに点が伸びない…」という場合、解法よりも“間違え方”に原因があることが多いです。 ここでは、受験生がハマりやすい3つのミスと、その対策をセットで整理します。
①条文・判例を「丸暗記」で片付ける
NG 条文番号+結論だけ覚える
- 条文をひたすら暗記ノートに書き写す
- 判例の「違憲/合憲」だけ覚えて満足
- 選択肢の言い回しが変わると一気に不安に…
OK 因果関係+図でざっくり理解
- 判例は「事案→問題になった権利→結論」の3点セットで1行メモ
- 条文は「誰が/何を/どこまで」を分解して覚える
- 人権・統治ごとにマインドマップや表で整理
②「誰の権限か?」の主語を取り違える
NG キーワードだけで判断する
- 「条約」「政令」「条例」などの単語だけを見て反射的に答える
- 国会・内閣・裁判所の関係図を頭に入れないまま解く
- 似た表現(批准/承認、締結/制定)で混乱
OK 「仕事の分担表」を持ちながら解く
- 国会=立法/内閣=行政/裁判所=司法+違憲審査を明確に
- 条約:締結=内閣、承認=国会…とセットで整理
- 混乱しやすいテーマはミニ対比表を作る
③過去問を解きっぱなしで終わらせる
NG 正解かどうかだけ確認して次へ
- ○×だけチェックしてすぐ次の問題に進む
- 同じテーマで何度も同じミスを繰り返す
- 試験直前に「どこが弱いか」が分からない
OK ミスを「タグ付け」して管理する
- ミスの原因にタグをつける(例:主語/判例事案/用語暗記)
- 同じタグの問題をまとめて復習する
- 弱点タグを中心に、試験前に総チェック
まとめ ミスを減らすチェックリスト
- 判例は事案→問題→結論の3点セットで1行メモしているか?
- 統治問題を解く前に、国会/内閣/裁判所の役割を確認しているか?
- 過去問のミスに原因タグを付けて、弱点を一覧できるようにしているか?
第5章|スタディングで憲法を最短攻略する学習設計
ここまで見てきたように、憲法は「理解→整理→反復」がカギです。 とはいえ、独学でこれを全部やるのは大変…。そこで頼りになるのが、スタディング公務員講座です。
学習設計 憲法を「講義+問題演習」で一気に固める
- ポイント解説講義で、人権・統治・判例をコンパクトに理解
- AI問題演習で、頻出テーマを反復練習
- 弱点分析で、「どこが苦手か」を自動で可視化
・独学でテキストが積み上がっている人
・判例や条文を「どこから手をつければいいか」分からない人
・通勤・通学のすきま時間を憲法の復習に使いたい人
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Q&A よくある不安と回答
-
Q. 憲法は独学でもいけますか?
A. 可能ですが、判例や統治の整理に時間がかかりがちです。 スタディングを使うと、「どこが重要か」を講義で示してくれるので、回り道を減らせます。 -
Q. 仕事や学校と両立できますか?
A. 動画講義はスマホで倍速再生もできるので、 平日は1日30分+休日にまとめて復習、というスタイルでも十分狙えます。 -
Q. すでにテキストを持っているのですが…
A. 手持ちテキストは「補足」として使い、インプットと演習はスタディング中心に寄せると効率的です。
この記事のまとめ|憲法は理解すれば確実に点が取れる科目
本記事では、公務員試験(専門科目:憲法)を短期間で攻略するための 「出題範囲 → 基礎 → 頻出テーマ → ミス対策 → 学習設計」まで、すべて整理しました。
- 憲法は『人権・統治・判例』の3ブロックで理解が加速
- 頻出テーマは「公共の福祉」「統治の主語」「地方自治」の3つ
- ミスの8割は「丸暗記・主語ミス・復習不足」から発生
- スタディングを使うと、講義→演習→復習がスマホ1台で完結
- 憲法は短期間でも“得点源”に変えやすい科目
法律科目が苦手でも、図解・因果関係・主語チェックを意識するだけでスムーズに理解できます。


