第1章|公務員試験の民法は何を勉強する?(出題範囲の全体像)
民法は公務員試験の専門科目の中でも、「頻出×配点が高い」超重要科目です。 しかし範囲が広いため、まずは全体像を体系的に押さえるのが最短ルートです。
基本 民法は「物権」「債権」「家族法」の3本柱で構成される
公務員試験の民法は、この3つのブロックから必ず出題されます。 特に比率が高いのは「債権(契約法・不法行為法)」です。
① 物権:モノに対する権利のルール
所有権・占有権・抵当権など、「モノを持つ人の権利」を定める分野。 線引きが明確なので、得点源にしやすいパートです。
- 所有権の範囲
- 占有回収の訴え
- 抵当権・担保物権
② 債権:人と人の約束ごと(契約・請求権)
民法の中心分野。契約の成立・解除・損害賠償など、 公務員試験でも頻出のテーマです。
- 契約の成立・無効・取消し
- 債務不履行(一部・全部)
- 不法行為の要件・損害賠償
③ 家族法:親族・相続のルール
結婚・戸籍・親権・相続など、生活に身近なテーマが中心。 範囲は狭めで、ここも得点源にしやすい領域です。
- 婚姻・離婚
- 親権・扶養義務
- 相続・遺言
まとめ 民法の出題範囲は広いがパターン化できる
民法は広く見えますが、「物権・債権・家族法」の3つに分ければ一気に理解が進みます。 まずは債権から着手し、次に物権・家族法へと広げていくのが最短ルートです。
第2章|まず押さえるべき民法の基礎3つ(物権・債権・家族法)
民法は範囲が広いぶん、「どこから手を付けるか」で効率が大きく変わります。 この章では、これから学ぶうえで絶対に外せない3つの基礎を整理します。
全体像 3つの視点で民法を読むクセをつける
選択肢を読むときに、「これは物権の話なのか? 債権の話なのか? 家族法の話なのか?」を 一瞬で判断できるようになると、問題の読み方が大きく変わります。
① 物権の基礎|「誰のモノか?」をはっきりさせるルール
物権は、「特定のモノを、ある人が直接支配できる権利」のことです。 所有権・占有権・担保物権(抵当権など)が代表例です。
| キーワード | ざっくりイメージ |
|---|---|
| 所有権 | そのモノを自由に使ったり売ったりできる、いちばん強い権利 |
| 占有 | 実際にモノを持っている状態(現に持っている人を守るルール) |
| 担保物権 | お金を返してもらえないときに、モノを売って回収できる権利 |
② 債権の基礎|「約束を守らせる」ためのルール
債権は、「ある人が、別の人に何かをするよう請求できる権利」です。 売買契約・賃貸借契約・不法行為による損害賠償などがここに当たります。
| 場面 | よく出るテーマ |
|---|---|
| 契約が成立するとき | 申込みと承諾/錯誤・詐欺・強迫による無効・取消し |
| 約束が守られなかったとき | 債務不履行(履行遅滞・履行不能・不完全履行) |
| 契約以外で損害を受けたとき | 不法行為の成立要件(故意・過失・損害・因果関係など) |
③ 家族法の基礎|「家族と相続」のルール
家族法は、婚姻・離婚・親子関係・相続など、 私たちの生活に直結するルールが中心です。出題数はそれほど多くないものの、狙いやすい分野です。
| 分野 | テーマの例 |
|---|---|
| 親族 | 婚姻の要件・離婚の方法・親権者・扶養義務 |
| 相続 | 法定相続分・遺留分・遺言の方式 |
重要 物権と債権の違いを最初にハッキリさせておく
公務員試験の民法でよくあるミスが、物権と債権の混同です。 次の表のように、違いを一度整理しておきましょう。
| 物権 | 債権 | |
|---|---|---|
| 権利の対象 | 特定の「モノ」 | 特定の「人の行為」(お金を払え、モノを渡せ 等) |
| 効力が及ぶ範囲 | 原則として第三者にも主張できる | 原則として当事者間だけ |
| イメージ | この本は私のものだ(所有権) | あなたは私にお金を払う義務がある(債権) |
まとめ 民法の学習は「どの分野の話か」を意識するところから
- 民法は「物権・債権・家族法」の3本柱で整理すると分かりやすい
- 問題文を読んだら、まずどの分野の話かを一瞬で判断するクセをつける
- 物権と債権の違いは、対象(モノ/人)と効力範囲で押さえる
第3章|頻出の民法テーマ3選(図解でスッキリ理解)
公務員試験の民法では、毎年のように出題される「鉄板テーマ」があります。 ここでは特に重要な3つ、契約の成立・債務不履行・不法行為を、出題パターンと一緒に整理します。
① 契約の成立・無効・取消し
契約に関する問題は、「いつ有効になり、いつ効力を失うか」を問うものが中心です。 特に、無効と取消しの違いは頻出ポイントです。
🔍 無効と取消しのざっくり違い
- 無効:最初から法律上の効果が発生しない
- 取消し:いったん有効だが、あとから取り消せる
「次のうち、錯誤に関する記述として正しいものはどれか。」 → 錯誤が無効か取り消しか/要件は何か、などを細かく聞いてくる。
② 債務不履行と損害賠償
債務不履行は、「約束どおりに義務を果たさなかった」場合に問題となる場面です。 履行遅滞・履行不能・不完全履行の3つに分類されます。
「次の事例のうち、履行不能にあたるものはどれか。」 「債務不履行に基づく損害賠償請求が認められるための要件はどれか。」 など。
✅ 債務不履行でチェックすべきポイント
- ① 義務の内容は何か?(何をしなければならない契約だったか)
- ② どんな形で守られなかったのか?(遅れた/できなくなった/一部だけ など)
- ③ 債務者の帰責性(故意・過失)があるか?
③ 不法行為と損害賠償請求
不法行為は、契約がなくても「人に損害を与えたら賠償する責任」のルールです。 要件は、故意・過失/損害/因果関係/違法性などに分解して覚えます。
「不法行為が成立するための要件として誤っているものはどれか。」 「使用者責任・監督義務者の責任が問題となる事例はどれか。」など。
不法行為でチェックすること
- ① 誰が・誰に・どんな損害を与えたか?
- ② 故意・過失(注意義務違反)が認められるか?
- ③ 損害と行為との間に因果関係があるか?
まとめ 頻出テーマは「流れ」と「チェックポイント」で押さえる
- 契約問題は、申込み→承諾→有効性(無効/取消し)の流れを意識する。
- 債務不履行は、「どんな義務が・どのように守られなかったか」を3分類で整理する。
- 不法行為は、故意・過失/損害/因果関係という要件を1つずつチェックする。
第4章|受験生がつまずく民法のミス3つと対策
民法は文章量が多いため、「読み方のミス」で点を落としてしまう受験生が非常に多い科目です。 ここでは、特に多い3つのミスをNG/OKの比較つきでわかりやすく整理します。
① 「有効・無効・取消し」を混同する
NG 名前だけで判断してしまう
- 錯誤・詐欺・強迫を見ると自動的に「取消し」と思い込む
- 「重大なミス=無効」「軽いミス=取消し」と感覚で判断
- 要件を見ずに勢いで答えてしまう
OK 「成立 → 効力 → 効果」を順にチェックする
- ① 契約は成立しているか?(申込み+承諾)
- ② 成立後に問題があったか?(詐欺・強迫 → 取消し)
- ③ そもそも成立しない事情は?(錯誤 → 無効の場合あり)
② 物権と債権の違いを取り違える
NG 「請求できるから債権」と安易に考える
- 「第三者に対抗できるか?」の意味を理解していない
- 所有権・占有・抵当権などの図解が頭にない
- 物権変動の仕組みを理解していない
OK 「対象」と「効力範囲」で判断する
- 物権:モノに対する権利 → 第三者にも主張できる
- 債権:人に対する請求 → 当事者だけ
- 対抗できる=物権、対抗できない=債権
③ 不法行為の要件を一気に覚えようとする
NG 「暗記だけ」でどうにかしようとする
- 故意・過失/損害/因果関係を丸暗記
- 事例で何が問題になっているか見抜けない
- 使用者責任・監督義務などの特別規定が覚えられない
OK ストーリーを「3つの視点」で分解する
- ① 加害者は何をした?(故意・過失)
- ② 被害者にどんな損害が?
- ③ 行為と損害の間に因果関係は?
まとめ 民法のミスは「読み方の癖」で防げる
- 契約問題は「成立 → 効力」の順で整理する
- 物権・債権は「対象/効力範囲」で判断する
- 不法行為はストーリーを3視点で読む
第5章|スタディングで民法を最短攻略する方法(PR)
民法は範囲が広いため、独学だけだと非効率になりやすい科目です。 そこで、スマホ1台で学べて圧倒的に時短できる「スタディング公務員講座」を使った最短学習ルートを紹介します。
全体像 民法を最短で得点源にする3ステップ
スタディングは「わかる → 解ける → 定着する」の流れが自然に作れるため、 独学より圧倒的に速度が速いのが特徴です。
① 講義で「理解の壁」を一瞬で突破する
民法の講義は図解+アニメーション+具体例で超わかりやすい構成。 特に、契約・物権・不法行為などの難所がスッと入ります。
- 難しい用語が噛み砕かれている
- 1講義が短いのでスキマ時間で進む
- 条文→判例→結論が一貫して理解できる
② 問題演習で「出題パターン」を固める
スタディングの問題集は、本番の選択肢と同じ構成になっており、 迷いやすいポイントがすべて丁寧に解説されています。
- 契約の成立・無効・取消し
- 債務不履行の3分類(遅滞・不能・不完全履行)
- 不法行為の要件(故意・過失/損害/因果関係)
③ AI復習で「忘れない」を自動化する
スタディングのAI復習は、 受験生が忘れやすいポイントを自動で抽出して出題してくれる機能です。
- 間違えた問題を優先的に復習
- 忘却曲線に合わせて自動で出題
- スキマ時間でもスマホで5問ずつ解ける
民法のような暗記事項が多い科目では、 この自動復習システムが爆発的に効率を上げます。
▶ スタディングで民法を効率よく復習するまとめ スタディングなら民法は短期間で得点源になる
公務員試験の民法は難所ですが、 正しいルートを使えば短期間で一気に得点源にできます。
- ① 講義で理解を一気に進める
- ② 問題演習でパターンを固める
- ③ AI復習で忘れない仕組みを作る
第6章|まとめ(民法はパターンで攻略できる)
公務員試験の民法は範囲が広いものの、 「パターンで理解する」ことで短期間でも得点源にできます。
- 物権・債権・家族法の3本柱で構造的に理解する
- 契約/債務不履行/不法行為などの頻出テーマから攻める
- 無効・取消し・対抗要件などの典型ミスを避ける
- 理解 → 演習 → AI復習のルートで学習効率を最大化する
民法は「ただ暗記する科目」ではなく、 流れで理解すれば一気に点が伸びる科目です。 ぜひ本記事のポイントを参考に、効率よく学習を進めてみてください。
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