第1章|はじめに:国際関係論は“パターンで解ける”専門科目
このページでは、公務員試験の専門科目の一つである国際関係論(国際関係)について、 「どんな科目なのか」「なぜ得点源にしやすいのか」「どこでつまずきやすいのか」を、 スマホでも読みやすいレイアウトで整理していきます。
・国際関係論の全体像が“なんとなく”ではなくハッキリ見える
・頻出テーマ(冷戦・国連・理論など)をどこまで・どう押さえるかが分かる
・独学+スタディングを組み合わせた最短攻略ルートがイメージできる
1-1|国際関係論ってどんな科目?(科目の特徴)
公務員試験の国際関係論は、 大学のような難解な国際政治学だけではなく、 「国際社会のルールや枠組みを理解しているか」を問う実務寄りの内容が中心です。
- 国際政治の理論(リアリズム・リベラリズム・構造主義など)
- 国際機構・国際法(国連・EU・NATO・WTOなど)
- 国際安全保障(冷戦・デタント・多極化・地域紛争など)
- グローバル課題(環境・難民・人権・経済危機など)
特に公務員試験では、用語の定義+歴史的な流れを セットで理解しているかどうかが得点の分かれ目になります。
1-2|なぜ国際関係論は“得点源になりやすい”のか
- 計算問題がなく、用語と歴史の流れ中心
→ 数的処理が苦手でも、「流れを理解する力」で十分戦えます。 - 出題パターンがかなり決まっている
→ 冷戦構造、国連の仕組み、地域統合(EU)など、毎年似たテーマからの出題が多いです。 - ニュース・時事とリンクしやすい
→ 国連・NATO・EUなど、ニュースで目にするワードが多く、イメージが湧きやすい分野です。
つまり国際関係論は、「歴史の流れ」と「国際機構の役割」さえ押さえれば、 過去問演習を通して短期間でも安定した得点源にしやすい専門科目です。
1-3|それでも多くの受験生がハマる“3つの落とし穴”
- ① カタカナ用語を“音だけ”で覚えてしまう
→ デタント・デタランス・グローバリゼーション…など、 「意味」と「背景」があいまいなまま丸暗記してしまう。 - ② 冷戦の前後関係があいまい
→ 第二次世界大戦 → 冷戦 → デタント → 多極化 → 冷戦終結…といった 時系列の流れが頭の中で整理されていない。 - ③ 国連やEUなどの“組織の役割”を区別できない
→ 安保理・総会・信託統治理事会・経社理など、 「どこが何を決める機関なのか」がごちゃごちゃになる。
・国際関係の歴史は、“年表”ではなく“ストーリー”として流れでつかむこと
・国際機構は、「誰が参加」「何を決める」「どの分野を担当」の3点セットで整理すること
この2つを意識するだけで、国際関係論の理解スピードは一気に上がります。
1-4|この記事を読み終えたときの“到達イメージ”
- 国際関係論の全体像を「理論/国際機構/安全保障/グローバル課題」で整理できる
- 冷戦から現代までの国際秩序の流れを、自分の言葉で説明できる
- 国連・EU・NATOなどの役割の違いを、図でイメージしながら理解できる
- スタディング公務員講座を使った国際関係論の最短攻略ルートが分かる
「国際関係論はカタカナだらけで難しそう…」という状態から、 「流れとパターンが見えてきた。あとは過去問を回せば点が取れそう」 という感覚になってもらうことが、この記事のゴールです。
次の第2章では、国際関係論を
① 国際政治の理論 ② 国際機構 ③ 国際安全保障・グローバル課題
の3ブロックに分けて、SVG図解で“地図化”していきます。
まずは全体マップを頭に入れてから、頻出テーマを順番に攻略していきましょう。
第2章|国際関係論の全体像(SVG図解マップ)
国際関係論は大きく3つのブロックで構成されています。 この章では、それぞれの位置関係を理解するために、図解で「地図化」していきます。
このマップを押さえることで、 どの単元が「理論」「組織」「歴史(流れ)」に位置するのかが一目でわかり、 頭の中の整理が一気に進むようになります。
- リアリズム:国家は自国利益のために行動する。力の均衡。
- リベラリズム:国際協調・国際機構が国家行動を安定させる。
- 構造主義:世界経済の構造(先進国/途上国)が国家行動を決める。
国際関係論の問題の多くは、これら3理論の比較理解が前提になります。
- 国連 → 安全保障・経済・人権など全般を扱う
- EU → 経済統合、政治統合を目指す地域共同体
- NATO → 集団安全保障(軍事同盟)
- WTO → 貿易ルールを管理する国際組織
特に国連は、役割・権限の違いが試験の頻出ポイントです。
- 冷戦:米ソの二極構造
- デタント:緊張緩和(1970年代)
- 多極化:米・欧・中など複数の力が並ぶ構造へ
- 現代:地域紛争、経済安全保障、エネルギー問題など
国際関係論は時系列の理解が武器になる科目です。 次章以降では、これを図解とNG→OK比較を使って徹底的に整理します。
第3章では、試験で必ず出る5つの頻出テーマを 図解(SVG)+カード解説でわかりやすく整理していきます。
第3章|国際関係論の頻出テーマ5つ(図解+カードで理解)
国際関係論の過去問を分析すると、 ほぼ毎年のように出ている“鉄板テーマ”が5つあります。 この章では、それぞれを図解&カードでコンパクトに整理していきます。
ここを押さえておけば、国際関係論の問題の半分以上に対応できるイメージです。
3-1|リアリズム vs リベラリズム(国際政治の2大理論)
- リアリズム:国益・軍事力・力の均衡がキーワード
- リベラリズム:協調・国際機構・相互依存がキーワード
「どちらが正しいか」ではなく、 “どの理論がどんな説明をするか”を押さえるのが試験対策として重要です。
3-2|国連の主要機関(どこが何を決めるのか)
- 安保理のみが法的拘束力のある決議を出せる
- 総会は「勧告」が中心であり、拘束力は弱い
- 経社理は、経済・社会・人権分野の調整役
3-3|冷戦構造とその後(東西対立 → 多極化)
- 冷戦:イデオロギー対立(資本主義 vs 社会主義)+軍拡競争
- デタント:核戦争回避を目的とした緊張緩和(SALT など)
- 多極化:米ソ以外の勢力(欧州共同体・中国・日本など)が台頭
3-4|グローバル課題(環境・難民・人権・経済)
- 地球環境問題(温暖化・生物多様性など)
- 難民・移民問題
- グローバル経済危機(通貨危機・金融危機)
- 人権・ジェンダー・開発など
これらは「一国では解決できない」→「国際機構・国際協力が必要」という流れで問われます。 単体で暗記するのではなく、国際機構・国際法との関連で押さえると効率的です。
3-5|地域統合の代表例:EUの仕組みと目的
- 単一通貨ユーロ(ただし全加盟国が採用しているわけではない)
- 欧州議会・欧州理事会・欧州委員会などの役割
- 「戦争の反省から、欧州での大規模戦争を二度と起こさない」ことが出発点
第4章では、ここまでの頻出テーマを使って、 実際の事例問題を「NG → OK」で解説していきます。
第4章|よく出る事例問題(NG→OKで理解する国際関係論)
国際関係論は「背景の理解」が決定的に重要な科目です。 この章では、試験で頻出の3つの事例を取り上げ、 NG回答→OK回答の比較で “何がポイントなのか” を明確にしていきます。
4-1|国連の限界を説明する問題
「国際連合が国際紛争を解決できないケースがあるのはなぜか。 国連の組織構造を踏まえて説明しなさい。」
「国連は力が弱いから。うまくいかないケースもある。」 → 抽象的すぎて、理由になっていない。
「安保理には常任理事国が拒否権を持つため、 大国の利害が対立すると決議が成立しない。 その結果、武力紛争の停止や制裁が実施できない場合がある。」 → 組織構造(拒否権)を理由として説明できている。
このように「構造」を理由にすると一発で満点の形になります。
4-2|冷戦後の国際秩序を説明する問題
「冷戦終結後の国際秩序の特徴を、冷戦期と比較しながら説明しなさい。」
「冷戦が終わって世界は平和になった。」 → 現実とかけ離れており、根拠がない記述。
「二極構造が崩れ、多極化が進行した。 アメリカ・EU・中国など複数の勢力が影響力を持つ構造となり、 地域紛争や経済安全保障など、冷戦期とは異なる多様な課題が生じた。」 → 「多極化」というキーワードを核に説明している。
冷戦後の説明は“多極化”を中心にまとめるとロジックが整います。
4-3|地域紛争の原因を説明する問題
「地域紛争が繰り返される原因について、歴史的背景を踏まえて説明しなさい。」
「その地域の情勢が悪いから。」 → あまりにも抽象的で、点にならない典型例。
「植民地支配の時代に引かれた国境線が、 民族や宗教の分布を無視した線引きであったため、 独立後も対立が残り、紛争の原因となっている。」 → “歴史的背景”を使って説明できている。
地域紛争は「植民地時代の国境線」を押さえておくと、 ほとんどの問題に対応できます。
第5章では、国際関係論で多くの受験生がハマるミス3つを NG→OKの形式でわかりやすく解説します。
第5章|受験生が陥るミス3つと対策(NG→OKで理解)
国際関係論は「覚える量が多そう」に見えて、じつは “ミスのパターンを知っているかどうか”で得点が大きく変わる科目です。 この章では特に多い3つのミスを、NG→OKでわかりやすく解説します。
「デタントは…なんか緊張がゆるむやつ? 多極化は…勢力が増える?」 → ふわっとしていて背景・理由が説明できない。
「デタント=米ソ対立の激化を避けるための緊張緩和(SALTなど)。 多極化=米ソ以外のEUや中国が台頭し力の中心が複数化した状態。」 → “背景+定義”で明確に説明できている。
国際関係論は、用語単体ではなく 『なぜそうなったのか?』という因果で覚えると一気に理解が深まります。
「国連が決めれば戦争も止められるはず!」 → 実際には、安保理・総会・事務局の権限の差を理解していない。
「武力制裁を行う決議ができるのは安保理のみ。 総会は全加盟国が参加するが、決議は勧告的で拘束力は弱い。」 → 機関ごとの“できること・できないこと”を説明できている。
国連問題は「安保理=強い権限」「総会=議会的機能」で覚えるとミスを防げます。
「冷戦 → 多極化 → なんか色々あって…現在?」 → 事件名だけを覚えて流れがつながっていない。
「第二次世界大戦後の米ソ二極構造 → 核戦争回避のためのデタント → 米ソ以外の勢力が台頭する多極化 → 現代は地域紛争が中心。」 → “ストーリーで理解”できている。
冷戦は『二極 → 緊張緩和 → 多極』の3段階で覚えると混乱しません。
第6章では、国際関係論を最短で得点源にするための スタディング活用術(講義 → 演習 → AI復習)を紹介します。
第6章|スタディングで国際関係論を最短攻略(講義→演習→AI復習)
国際関係論は、単に暗記するよりも “流れと構造”を理解することが得点力に直結します。 その点で、スタディングの講義は短時間で核心部分を押さえやすい構成になっており、 独学と組み合わせることで最短で得点源にできます。
スタディングの国際関係論は、 ・冷戦 → 多極化の流れ ・国連の仕組み ・国際政治の主要理論 など、試験で繰り返し狙われる部分を中心に、 スマホでサクサク学べる動画講義としてまとまっています。
独学だとつまずきやすい 「リアリズムとリベラリズムの違い」 「国連の権限構造」 といった部分も図解で理解できるため、学習の進みが段違いです。
国際関係論は「知識として知っている」だけでは不十分で、 “問題文でどう問われるか”に慣れる必要があります。
スタディングの問題演習は ・国連の機構 ・安全保障 ・国際政治理論 ・冷戦史 のような頻出テーマごとに出題されるため、 苦手テーマのあぶり出しが簡単です。
スタディングのAI復習は、 あなたの学習履歴に合わせて 忘れやすいタイミングで問題を再出題してくれます。
国際関係論は、 ・冷戦中のイベント ・国連の機関の役割 ・多極化の理由 など、細かい知識を忘れると点が落ちやすい科目です。 AI復習は「記憶の穴」をうめてくれるため、 スキマ時間で得点力を維持できます。
第7章では、国際関係論の要点を試験直前に確認できるまとめとして整理します。
第7章|国際関係論の総まとめ(試験直前チェック)
ここでは、国際関係論の重要ポイントを “試験直前に1分で確認できるレベル”に圧縮してまとめています。 本番前の最終チェックとして活用してください。
- リアリズム:国益・軍事力・無政府状態・力の均衡
- リベラリズム:協調可能・相互依存・国際機構の役割
- 構造主義:資本主義システムの不平等構造(依存理論など)
- 安保理:武力制裁など最も強い権限。常任理事国の拒否権。
- 総会:全加盟国が参加。決議は勧告的で拘束力は弱い。
- 事務局:事務総長のもと国連の実務を担当。
- 冷戦:米ソの二極構造・イデオロギー対立
- デタント:核戦争回避のための緊張緩和(SALTなど)
- 多極化:米ソ以外にEU・中国・日本が台頭
- 国家だけでは解決できず国際協力が不可欠
- 地球温暖化・人権問題・移民・難民などが典型
- 国際機構(UNHCR、UNEP、UNDPなど)との結びつきが重要
- 単一市場 → 関税同盟 → 共通通貨ユーロへ発展
- 欧州議会・欧州委員会・欧州理事会の役割の違い
- 目標は「欧州で二度と大規模戦争を起こさない」
第8章では、国際関係論と相性の良い関連記事(内部リンク)を カード形式で紹介します。
第8章|関連記事リンク(国際関係論と一緒に読みたい)
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