地元以外の受験生は不利⁉
いいえ、チャンスです!
こんにちは
元 公務員人事担当
現 ビジネスマナー講師かつ公務員予備校コンサルの
『えびうる』です。
今回は「地元以外の自治体を受験する方」に向けて、面接官が納得する志望動機の作り方を解説していきます。
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地元以外の受験生は不利なの?
(結論) 地元以外の受験者は有利です!!
面接官は1日に何人もの受験者を担当し、何人もの志望動機を聞いています。
「あぁ、またこの志望動機か…。」
ほとんどの受験生は同じような志望動機で面接官も呆れてきます。
私も中核市の人事課で3年の人事担当歴があり、このような思いでした。
しかし、地元以外の受験生は別です!!
あれ?この受験生は縁もゆかりもない自治体をなんで受験しているんだろう…?
まずは、このような疑問になり、志望動機についてガンガン突っ込んだ質問をしてくるのです。
面接官からすると、同じような志望動機ばっかりで飽き飽きしている頃に、地元以外の受験生が新鮮な志望動機を伝えると、注目するものです。
その注目されている中で、面接官をガッカリさせるような志望動機を伝えると、不合格まっしぐらです。
逆に、縁もゆかりもないのに、説得力のある志望動機を伝えれば、面接官は好印象を持つこと間違いなしです!
なので、地元以外の受験生だからこそチャンスなのです。
志望動機に書くべき5つの内容
では実際、志望動機を作成する際、何を書けばいいのかわからなくなってしまう人も多いと思います。仕事内容が幅広いことから、民間企業とは違った難しさもあるでしょう。
ここでは地元以外の受験先に対する、志望動機に書くべき内容を5つ紹介します。内容を決めるときの参考にしてください。
公務員に興味を持ったキッカケ
志望動機に書くべき1つ目の内容は、公務員として働きたいと思うようになったきっかけです。よく「人の役に立ちたいから」「地域に貢献したいから」といった理由を述べる学生がいますが、そのような志望動機では不十分です。民間企業や他の公務員でも同様のことが言えるため、「市役所でなくても良いのでは?」と思われてしまういます。
大切なのは、公務員としての職業に興味を持ったきっかけをなるべく具体的に示すこと。たとえば「旅行に来た際に〇〇の魅力を感じたから」「公共インフラの整備を通して市民の生活をより良くしたい」など、民間企業ではできない市役所の役割に触れると良いでしょう。「若い世代を誘致して地域を活性化させたい」など、その自治体が抱える課題に注目するのもおすすめです。
その自治体を受験した理由
次に、全国各所にある公務員の中でなぜその自治体を選んだのかを明確に示しましょう。この部分をあいまいにしてしまうと、「なんとなく公務員になりたいだけなのでは?」と熱意を疑われる可能性があります。
地元の自治体を受験する大抵の人は「地元に恩返しをしたいから」など地域への愛着や思い入れを述べる就活生が多いです。もちろんそれも大切なことではありますが、それだけではありきたりで印象には残りません。自治体のおこなっている政策や抱えている問題などを理解し、どのように貢献したいのかを明確化しておきましょう。
また「地元が受かったらそっちに行ってしまうのでは?」と思われやすいので注意が必要です。その自治体の特色や地元との違いなど、客観的視点を加えると地元以外であることの強みを活かせるでしょう。
取り組みたい仕事内容
一言で公務員といっても子育て支援や環境整備、観光や消防などさまざまな仕事があります。市のホームページや広報誌などを見てどんな仕事・部署があるのかを把握し、その中で特に興味がある分野を述べましょう。そうすることで志望動機の説得力が増し、採用側も入職後のイメージがつきやすくなります。
ただし市役所職員は、採用段階ではどの部署に配属されるかわからないことが多いです。特に事務系職種は異動も多いため、ひとつの仕事だけをアピールしすぎると「希望の部署に配属されなかったら辞めてしまうのでは?」と思われてしまうでしょう。そのため興味のある仕事に触れつつも、それ以外の部署でも頑張っていく姿勢を示すことが大切です。
地域や住民に貢献する思い
4つ目のポイントは、地域や住民への想いを述べることです。民間企業の場合、「〇〇という自分の強みを活かしたい」「〇〇の分野で実績を上げたい」など自身の目標をアピールすると評価につながりやすいです。しかし公務員は地域や市民への貢献が主な目的であるため、それだけでは独りよがりな印象を与える可能性があります。「何があっても住民の生活を守る」という強い気持ちもアピールしましょう。
仕事に活かせる自分の強み
公務員は民間企業のように利益をもとめる仕事ではありませんが、ボランティアでもないため採用するからにはメリットのある人材を選びたいと担当者は思っています。そのため学業やサークル活動、前職での成果などこれまでの経験から、仕事に活かせる自身の強みをアピールすることも大切です。
地域が抱える課題や解決策、やってみたい業務などを伝えた上で、その仕事に取り組めるスキルがあることをアピールできると、面接官をより納得させられます。
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志望動機を作るときの参考になる情報源
ここでは、志望動機を作成する際の参考になる情報源を紹介します。志望動機の作成には、市役所や地域の特色などの理解が欠かせません。以下の内容を参考に、幅広く情報収集しましょう。
市役所のホームページ
志望する自治体のホームページは必ず確認してください。市区町村から出される情報のすべてがホームページに集約されているので、くまなくチェックすることをおすすめします。特に、「市民からの声」などのページは、地域の課題を見つける参考になるでしょう。
そもそも、市役所のホームページが見にくくないか、必要な情報をすぐに探せるかも確認してみてください。情報へのアクセスしにくさも、その地域が抱える課題の一つになる場合もあるでしょう。
自分が考える地域の課題や問題点と組み合わせて、志望動機作成に活かしてください。
OB・OG
その自治体で働く、大学やサークルのOB・OGに話を聞くのもおすすめです。市役所のホームページからでは入手できない、リアルな情報を教えてもらえます。OB・OGが就活で苦労した点や志望動機で気をつけたポイントなどを聞けば、自身の就活にも活かせるでしょう。
自治体が発行している地方紙
地方紙やローカルニュースからも、地域の取り組みやイベントを確認できます。市役所以外が主催するイベントもあり、市役所のホームページから得られなかった地域の活動もチェックできるでしょう。
各種イベントや町おこしのなかには、成功したものもあれば失敗したものもあります。過去のイベントの実施状況や結果を分析して自分の意見に含めるだけで、より説得力のある志望動機になるでしょう。
個人のブログやSNS
OB・OGの知り合いがいない場合は、個人が運営するブログメディアを検索するのもおすすめです。
実際に市役所で働く職員が運営している個人ブログでは、志望動機を書く際のポイントや採用担当者が評価するポイントなどをまとめていることも。
実務経験を踏まえた志望動機の書き方のコツを紹介しているような記事もあるため、情報の信ぴょう性は慎重に判断しつつ、参考にできる内容は取り入れてみてください。
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志望動機を作る際の3つの注意点
公務員の志望動機では、「これはやらない方が良い」という注意点もいくつか存在します。それを知らないと、せっかく頑張って志望動機を作成しても思わぬところでマイナス評価を受けてしまうかもしれません。ここでは、志望動機を書くときに注意すべき3つのポイントを紹介します。
安定や休暇などはNG
就活生の中には、安定していることが理由で公務員を志望している人もいるでしょう。その考え方自体は悪くありませんが、志望動機として積極的にアピールするのはおすすめできません。というのも、「安定しているから」や「休暇がしっかりしている」と伝えると「楽をしたいだけ」「自己中心的な人」と捉えられる可能性が高いからです。
公務員は、市民の生活を守るため、ときには市民を第一に考えなければならない仕事です。そのような使命がある仕事の中で、自分のメリットだけを考える人は不適正とされてしまうでしょう。特に公務員の場合は「安定」という言葉に嫌悪感を持つ採用担当者も多いため、本音がどうであれ志望動機には書かない方が無難です。
特定の業務だけにこだわりすぎない
志望動機には携わりたい仕事について書くべきだと説明をしましたが、だからといって特定の業務だけにこだわりすぎるのはおすすめできません。
もし特定の業務だけを熱く語ってしまうと、採用担当者に「他の業務はやりたくないのかな?」「希望の仕事に就けなかったら辞めてしまうのでは?」と不安を与えてしまうでしょう。やりたい仕事について触れつつも、「仕事を通じて何を実現したいか」をメインに伝えるのがおすすめです。
民間企業ではない理由を説明できるように
公務員試験の面接では、「民間企業は受けないのですか?」「なぜ民間企業でなく公務員なのですか?」と聞かれることが多々あります。志望度をアピールするためにも、志望動機を作成する段階からその理由を明確化しておきましょう。
このときのポイントは、自身の経験を交えながら自治体にしかできないことを挙げることです。たとえば「市の助成金のおかげで留学することができました。同じように志を持つ若者を応援したいと思い、〇〇市職員の一員になりたいと考えています。」といった言い方が良いでしょう。
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志望動機の作成方法
公務員の志望動機の作成方法を3つのステップで解説します。
これまで紹介した内容で、志望動機に盛り込みたい材料の用意はできるはずです。以下で内容する順番でポイントを押さえれば、説得力のある志望動機を作成できるでしょう。
結論ファースト
志望動機を書く際は、最初に結論である志望した理由を具体的に書くことが大切です。最初に結論を記載することで、読み手が以後の内容を理解しやすくなります。
なお、物語の論理展開でよく使われる起承転結の場合、結論が最後になるため志望動機を伝えるには不向きです。志望動機では最初にその自治体の公務員を目指したいと思った理由を書き、自分の主張を明確にしましょう。
エピソードで補足
一文目に公務員を志望した理由を伝えたら、その理由に至ったきっかけや問題意識などについて、エピソードを交えて補足します。
・生まれ育った故郷である
・学生時代に市が主催するイベントに参加して目的意識が芽生えた
・大学で学んだ内容をその自治体で活かせると思った出来事がある
きっかけは人それぞれですが、自分なりのエピソードがあれば志望動機の独自性につながり、ほかの受験生との差別化にもなるでしょう。
逆に、志望動機に対する具体的なエピソードがなければ説得力を持たせられないため、最も工夫すべきポイントといえます。だらだらとエピソードを伝えるのも印象が悪くなりかねないため、簡潔にまとめましょう。
取り組みたい仕事内容を加える
エピソードを交えてきっかけや問題意識を伝えたら、就職後に取り組みたいことや抱負などを盛り込んで志望動機をまとめます。
面接官は、学生が長期間にわたって地域のさらなる発展に貢献してくれるかを判断しています。そのため、問題意識を持っているかどうかはもちろん、「どのように活躍していきたいか」というビジョンがどれほど具体的であるかが評価の分かれ道になるのです。
就職後に働くイメージを具体的に持てる学生であれば、採用するメリットも相対的に高まります。就職後の抱負を盛り込みつつ、志望動機を簡潔にまとめましょう。
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志望動機を作成したら添削してもらおう
ここまで公務員の志望動機のポイントや注意点を解説してきましたが、より魅力的に仕上げたいなら第三者に添削してもらいましょう。
客観的な視点が入ることで、わかりにくい部分や足りない部分など改善点が見つかる可能性もあります。おすすめの添削の依頼先について、解説しますのでぜひチェックしてみてください。
公務員試験に合格した先輩
公務員試験に合格した先輩であれば、実際の仕事内容や採用で重視されること、答え方のコツなどを心得ている可能性が高いです。そのため身近にお願いできそうな先輩がいるなら、積極的に添削してもらいましょう。
できれば自分の希望する自治体と同じ自治体で働く先輩がベストですが、公務員で共通する部分もあるためそれ以外でもかまいません。併せて面接の雰囲気や聞かれること、注意点なども聞いておくと良いでしょう。
家族や友人
志望動機の添削は、信頼できる相手であれは自分の親や友人など身近な人でもかまいません。志望動機で大切なのは、その志望動機を初めて読んだ(聞いた)人がどう感じるかです。そのため就活や公務員に詳しい人でなくても、読みやすさや全体の印象を聞いてみると参考になるでしょう。
ただし相手が就活や公務員試験に詳しくない場合、アドバイスを鵜呑みにしないように注意してください。そもそも志望動機に明確な正解はないため、アドバイスを参考にしつつ最終的には自分で内容を決定しましょう。
添削のプロ
1番理想的なのはプロに添削してもらうことです。
デメリットとしては費用がかかることですが、志望動機のみならず、面接対策も行っているのでプロ(公務員予備校の講師)に添削してもらうのが理想です。
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OK例文3選
ここまでのポイントを踏まえて、公務員の志望動機の例文を見ていきましょう。
例文①
私は△△市の農業の活性化に関わりたいと思い、貴市役所を志望致しました。
祖父母が△△市で農業を行っていたため、休みの日はよく手伝いに来ていました。そのため、小さい頃から農業に興味があり、大学でも農学について学んでいました。
△△市は農業の高齢化と後継者不足が問題になっていると聞きます。大学では△△に関する研究をしていたこともあり、△△市の農政に関心を持つようになりました。
入職しましたら、現在進んでいる政策やその実行計画に関する勉強を行ったうえで、△△市の農業を盛り上げ、地域に貢献をしたいと思っております。
例文②
子どもの数を増やすことは、国や地域の発展において非常に大切だと考えています。そのため自身も○○市の一員になり、市民の方が本当に望む子育て支援を提供していきたいです。子育てしやすい街づくりのモデルケースとして注目を集め、○○市をさらに活性化させることが私の目標です。
例文③
NG例文3選
次に、先程紹介した志望動機を作成する際の注意点を踏まえてNG例文を紹介します。就活生にありがちなパターンをまとめたので、自身が志望動機を作成する際は十分注意しましょう。
例文① 志望理由が「安定」になっている
例文② エピソードが含まれていない
例文③ 特定の業務にのみ関心を示している
まとめ
ここまできて「志望動機が作れない」と思ったあなたは、自分で考えるのを諦めて他に時間をかけてください。公務員試験はいくら時間があっても足りない試験です。他に任せられるものは任せるのも1つの決断です。
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以下の記事では面接対策全般を行っている講座を徹底解説しているので、ぜひご参考にしてください。