はじめに:最大・最小は“思考力の本丸”
公務員試験の数的推理で頻出のテーマのひとつが、「最大・最小問題」です。 一見すると計算問題に見えますが、実はここには論理的思考力と整理力が問われています。
「どうすれば一番大きく(または小さく)なるか?」という問題は、 ただの計算ではなく、条件の中での“最適化”を見抜くことがカギ。 そのため、最大・最小を苦手とする受験生は非常に多いのです。
2つの数の和が12のとき、積が最大になるのはどんなとき?
👉 「2つの数が等しいとき」が正解です。 つまり、バランス(対称性)が最大・最小を決めるヒントになります。
最大・最小問題で問われる3つの力
- ① 条件を整理する力: 与えられた数や関係式を見やすくまとめる
- ② パターンを見抜く力: 平均・差・積などの型を瞬時に判定する
- ③ 最短ルートで答えにたどり着く力: 試行錯誤せずに式を構築する
本記事では、これらの力をバランスよく身につけるために、 出題頻度が高い4つのパターン(平均・差・積・分配)を中心に整理します。 さらに、スタディング公務員講座の教材を活用しながら、 AIによる反復演習で理解を確実に定着させる方法も紹介します。
基礎理解:最大・最小を見抜く3つの発想
最大・最小問題を解くためには、公式や特殊技法よりも、「どの視点で考えるか」が重要です。 数的推理では、ほとんどの問題が以下の3つの発想に整理できます。
① 平均を使う:バランスのとれた状態が最適
「全体の和が一定」のとき、個々の数がバランスしている(=平均に近い)ときに積が最大になります。 これは、“平均の原理”と呼ばれます。
2つの数の和が10のとき、積が最大になるのは?
→ 5と5のとき(=等しいとき)に最大。
考え方:
和が一定 ⇒ 差をなくすほど積が大きくなる。 「平均=最も安定した状態」=最大値というイメージ。
② 差を使う:距離・偏りを最小化する
数字の「距離」や「偏り」が問題になるときは、差を最小化するのが基本です。 特に「絶対値」や「距離を合計したとき最小」という問題でよく出ます。
A地点、B地点、C地点の距離を合計したときに最小になる点はどこ? → 3点のうち中央の点(中央値)で合計距離が最小。
③ 積を使う:かけ合わせの最適化
「掛け算で最大になる条件」を見抜くのが積の発想です。 特に「面積」「体積」「速度と時間」など、複数要素の掛け算が関係する問題で多用されます。
長さの和が20の長方形の面積を最大にするには? → 一辺10×10のとき(=正方形)で面積最大。
理由: 「積最大=バランスが取れた状態」。 平均の発想と同じく、“対称性が最大化を生む”のです。
- 平均 → バランスを取る(和一定・積最大)
- 差 → ズレを減らす(距離・絶対値)
- 積 → 掛け合わせを最適化(面積・効率)
ここまでの考え方が理解できれば、次に紹介する「4つの頻出パターン」で あらゆる最大・最小問題をスムーズに分類できるようになります。
頻出4パターン:最大・最小の“型”を攻略
数的推理の最大・最小問題は、出題のほとんどが次の4つの型に整理できます。 「どのパターンか」を見抜くだけで、解答スピードが劇的に上がります。
① 平均固定型(和が一定 → 積が最大)
和が一定のときは、全ての値を平均に近づけるときに積が最大になります。 代表例は「和が一定のときの積最大」や「長方形の面積最大」など。
② 差一定型(距離・誤差を最小化)
差が固定されている場合は、平均に近い値ほど全体の誤差が小さくなります。 特に「位置」「時間」「距離」などで出る問題はこのタイプ。
A・B・Cの3点からの距離の合計が最小となる点は? → 中央値の位置。 (=差が最も均等になる点)
③ 積最大型(かけ算・比・面積問題)
「かけ算で大きさを決める」問題は、2つの変数がバランスしたときに最大になります。 例えば、「長方形の面積」「比の積」「速度×時間」など。
周の長さが20の長方形の面積が最大になる条件は? → 正方形(10×10)のとき。 これは、“対称性が最大化を生む”という考え方。
④ 分配最適型(リソース配分の最大化)
「仕事をどう分けるか」「お金をどう配分するか」など、 配分や割合を問う問題では、効率が均等な状態が最大・最小を決めます。
2人が同時に仕事をする。1人あたりの作業時間をどう分ければ最短? → 作業効率(仕事率)が等しくなるように分配。 つまり、「比をそろえる」のがコツ。
- 平均固定型 → 和一定で積最大
- 差一定型 → 中央・平均が最小
- 積最大型 → 対称性が鍵(a=b)
- 分配最適型 → 比をそろえると最短・最効率
次の章では、これら4パターンを実際の試験レベルの問題で体験していきます。 ステップごとの思考プロセスを明確にして、ミスを減らす“解き方の型”を身につけましょう。
例題で学ぶ:ステップ式で考える最大・最小
ここからは実際の試験レベルの例題を通して、「どう考えれば早く正解にたどり着けるか」を体感していきましょう。 難しく見える問題も、型にはめればスッと解けます。
例題①:平均固定型(和が一定のとき積最大)
2つの数の和が12のとき、積が最大になるのはどの組み合わせか。
ステップ解説:
① 和一定 → 「平均固定型」と判断。
② 2つの数を a, b とすると a+b=12。
③ 積 a×b=a(12−a)=−a²+12a(最大値は軸で求める)。
例題②:差一定型(距離の合計が最小)
A地点(1m)、B地点(7m)、C地点(10m)に3人がいる。3人が1箇所に集まるとき、 全員の移動距離の合計が最小となる位置はどこか。
ステップ解説:
① 「距離を最小に」→ 差一定型。
② このときの最小値は中央値の位置になる。
③ 位置を並べると 1, 7, 10 → 中央は7。
答え: 7mの位置で合計距離が最小。
例題③:積最大型(長方形の面積最大)
周の長さが24cmの長方形があります。 このとき面積が最大となる形はどれか。
ステップ解説:
① 周=2(a+b)=24 → a+b=12。
② 面積=a×b=a(12−a)=−a²+12a。
③ 最大値は a=6, b=6 のとき。
例題④:分配最適型(仕事の分担)
Aさんは1人で仕事を12時間、Bさんは8時間で終える。 2人で作業するとき、最短で終えるにはAとBがどんな比率で働くのがよいか?
ステップ解説:
① 仕事率:A=1/12, B=1/8。
② 合わせて 1/12+1/8=5/24 → 4.8時間で完了。
③ 時間配分は仕事率の逆比で考える。
- 平均固定型 → 和一定 ⇒ 平均で最大
- 差一定型 → 距離・誤差 ⇒ 中央で最小
- 積最大型 → 対称 ⇒ 正方形で最大
- 分配最適型 → 比をそろえる ⇒ 最短時間
ここまでで、“型を使えばどんな問題でも整理できる”感覚がつかめたはずです。 次は、よくあるミスパターンとそれを防ぐ時短テクを見ていきましょう。
ミスしやすい思考パターンと対策
最大・最小問題では、「考え方を間違える」よりも、 “条件を取り違える”ことによるミスが圧倒的に多いです。 試験中に焦ってしまうと、思考の型を忘れがちなので注意しましょう。
① 「和が一定」を見落として平均型を逃す
「2つの数の和が12」と書いてあるのに、「どちらかを適当に決めて」計算してしまう。
🔍 対策:
「和が一定」と出た瞬間に、「平均固定型!」と反射的に判定できるようにする。 式よりも、まず“バランスを取る発想”を意識。
② 「中央値」を忘れて距離問題で混乱する
A・B・Cの3点の距離を最小化する問題で、平均値を使ってしまう。
🔍 対策:
距離・移動・誤差 → 「中央値」
和・平均 → 「平均値」
キーワードで判断するクセをつけておく。
③ 式にこだわりすぎて時間をロスする
「a×bの最大値を求める」と言われて、いちいち展開して軸を求める。
🔍 対策:
型を覚えておけば瞬殺。 「和一定 → a=b」「積最大 → 対称性」「距離最小 → 中央」 公式暗記ではなく“判断パターン”で処理!
④ 単位・条件の見落とし
面積の単位が cm² なのに、答えをそのまま数値で書いて減点。
🔍 対策:
計算前に「単位」「条件」「制約(整数・小数)」をメモ欄に書き出す。 計算よりも条件整理のクセづけを優先。
⑤ 「バランスが崩れる」=最小ではないことを忘れる
長方形の辺の比を2:8にすると、見た目は「細長い」けど面積は? → バランスが崩れると面積は小さくなる。 対称性が最大化の基本!
- □ 「和が一定」→ 平均型を疑う
- □ 「距離・移動」→ 中央型を疑う
- □ 「比・効率」→ 分配型を疑う
- □ 「面積・掛け算」→ 積最大型を疑う
時短テクと暗算のコツ
最大・最小問題は“時間との勝負”です。 式を立てる前に「判断→近似→瞬間検算」の3ステップを意識するだけで、 1問あたりの解答時間を30%以上短縮できます⏱️。
① まず「型」を判定する(式は後!)
「和が一定」「距離を最小」「掛け算」「仕事率」などのキーワードで即分類。 → 平均固定型 / 差一定型 / 積最大型 / 分配最適型 のどれかを選ぶ!
② 暗算で“平均”を意識する
和が一定の問題は、平均を先に出せば自動的に最大値や最小値が見えるようになります。 たとえば「和が24のとき積最大」なら、平均12がすぐ出せます。
2数・3数の平均は暗算で出せるように訓練しましょう。 「等しい=最大」「偏る=小さくなる」という感覚を鍛えることが最短ルートです。
③ “対称性”を利用して検算を省く
多くの最大・最小問題は、答えが対称(a=b, 左右が同じ)になります。 計算結果が非対称な場合、「あれ?ミスしたかも」と気づけるのが時短のポイント。
面積最大→正方形/距離最小→中央点/効率最大→比が等しい どれも「対称性」が成り立っている。
④ 図で整理して“見える化”する
数直線や表を使うと、平均・差・配分が一目でわかります。 特にスマホ学習中は、頭の中で式を追うよりも、 「図で位置関係を想像する」方がはるかに速く正確です。
- 距離問題 → 3点を線上に配置して中央を探す
- 平均問題 → 値を両端に置き、釣り合う位置を探す
- 分配問題 → 比を矢印で描いて長さを比較
⑤ 選択肢を使って“逆算”する
本試験では、複雑な計算をせずに選択肢を使って答えを確認できることが多いです。 特に「最大・最小」の問題では、真ん中の数を試すのがコツ。
選択肢が 4, 5, 6, 7, 8 のとき → まず6を代入して、上下を比較。 中央が最適ならそれが最大(または最小)!
- ・最初の5秒で型を判定(平均/差/積/分配)
- ・平均は暗算で出す(和÷項目数)
- ・対称性チェックで計算ミス発見
- ・図で整理して頭を軽くする
- ・選択肢を中央から試す
効率的な勉強法:型暗記+AI復習で定着
最大・最小問題を「得点源」に変えるには、“型の理解 × 反復練習”の両立が欠かせません。 ここでは、短期間で記憶を定着させるための勉強サイクルを紹介します。
① 1日3問の「型練習」ルール
数的推理は一気に詰め込むより、毎日少しずつ繰り返すのが最も効果的。 まずは次のサイクルで「型思考」を体に染み込ませましょう。
1️⃣ 月曜:平均型(和一定)
2️⃣ 火曜:差一定型(距離最小)
3️⃣ 水曜:積最大型(面積最大)
4️⃣ 木曜:分配型(仕事・効率)
5️⃣ 金曜:混合問題
6️⃣ 土日:過去問演習+復習
② スタディングのAI復習機能を活用する
スタディングの公務員講座には、間違えた問題を自動で再出題してくれる 「AI復習機能」があります。 苦手パターンをAIが分析し、最適なタイミングで出してくれるので、 “忘れる前にもう一度”を自然に実行できます。
- ・苦手パターンを自動検出してくれる
- ・スマホだけでスキマ時間に学習できる
- ・講義動画+問題演習が連動している
- ・学習履歴がグラフ化され、成長が見える
③ 「理解 → 定着 → 実戦」サイクルを回す
最大・最小は“考え方を使う問題”なので、 理解だけで満足してしまうと得点にはつながりません。 以下の流れを意識して、スムーズに実戦対応へ移りましょう。
① 理解(講義で考え方を学ぶ)
② 定着(AI復習で反復)
③ 実戦(過去問で型を使って得点化)
→ この流れを1セット=1テーマで回すのが効率的!
- 理解:平均・差・積・分配の4型を把握
- 定着:AI復習で苦手を克服
- 実戦:過去問で型を使って得点化
スタディング活用法:映像×AIで「理解→得点」へ
最大・最小問題は「考え方を理解して使いこなす」ことが大切。 その点で、映像講義+AI復習を両立できる スタディング公務員講座は非常に相性が良い教材です🎯。
① スマホで完結する「映像×演習」学習
スタディングでは、通勤やスキマ時間にスマホだけで 「講義 → 問題演習 → AI復習」まで一気に完結。 忙しい社会人・学生でも続けやすい設計になっています。
- ・講義と演習がセットになっている
- ・復習タイミングをAIが自動提案
- ・進捗がグラフ化され、モチベ維持しやすい
- ・すべてスマホ操作で完結(PC不要)
② 数的推理を“型思考”で整理できる講義
最大・最小・比・濃度・損益など、バラバラに見える数的推理も、 スタディングでは「型」で整理して解説してくれます。 講師の説明が具体的で、公式暗記ではなく “考え方を身につける”ことにフォーカスしている点が特徴です。
・「和一定→平均型」「距離最小→中央値型」など
→ パターンをつなげて理解できる講義構成。 だから初学者でもスッと入ってくる!
③ AI復習で「忘れる前にもう一度」
スタディングのAIは、過去の解答データをもとに あなたが苦手とするパターンを自動抽出し、 最適なタイミングで出題してくれます。 忘却曲線に合わせた復習ができるので、定着率が格段に上がります📈。
④ 継続できるデザインとサポート
公務員試験は長期戦ですが、スタディングでは 「学習マップ」や「進捗ゲージ」で視覚的にモチベ維持ができます。 さらに合格者インタビューや応援メッセージが随所に配置されており、 “最後まで続けられる仕組み”が整っています。
- ・動画で理解し、AIで定着できる
- ・スマホ学習で継続しやすい
- ・効率的に苦手克服できる
- ・合格者の学習法を参考にできる
最大・最小などの応用分野を制するには、 こうした「継続×効率」の学習設計が欠かせません。 スタディングなら、あなたの生活リズムに合わせて 自然に学習が積み上がる仕組みが手に入ります。
まとめと次の学習ステップ
今回は、数的推理「最大・最小」の問題をテーマに、 出題パターンから時短テク、そして勉強法まで体系的に解説しました。 難しそうに見える分野ですが、実は「型」を理解すれば誰でも得点できます✨
✅ 本記事の要点まとめ
- ・最大・最小問題は「型」で判断(平均/中央値/積/分配)
- ・考える順番は「条件確認 → 型判定 → 対称性チェック」
- ・時間短縮のカギは「平均暗算」と「選択肢中央試し」
- ・AI復習を使うと“忘れる前に復習”が自動化できる
- ・スタディング講座で効率的に苦手克服が可能
💪 次の学習ステップ
最大・最小をマスターしたら、次に挑戦すべきは 「比・割合」や「濃度」の応用分野です。 これらは考え方が似ており、「型思考」を継続すればスムーズに習得できます。
- ① 最大・最小 → 対称性の理解を固める
- ② 比・割合 → 比例関係で“増減”を直感化
- ③ 濃度・損益 → 混合・変化を扱う応用へ進む
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