「学生時代に力を入れたことは?」
すごい実績がないとダメ?
アルバイトしかしていない。部活で表彰されたこともない。 ゼミでも目立った成果はない――。 そんな状態で、公務員面接の「ガクチカ」をどう答えればいいのか悩んでいませんか?
- 公務員面接では何を話せばいい?
- アルバイトだけでも大丈夫?
- 自己PRと同じ経験でもいい?
- 深掘りされたら答えられるか不安
実は、「特別な実績がない」ことで悩んでいる受験者は珍しくありません。
そこで、えびうるゼミでは 過去3年以内に国家一般職・地方上級・市役所などの公務員面接を受験した男女300人 を対象に、ガクチカについて独自アンケートを実施しました。
公務員面接で
ガクチカを聞かれましたか?
ことに困った
深掘りを受けた
調査期間:令和8年(2026年)8月9日~8月31日
調査方法:インターネットアンケート調査
※64.7%は複数回答設問。91.0%は「かなり深掘りされた」52.3%と「少し深掘りされた」38.7%の合計です。本調査はすべての試験・自治体を代表するものではなく、回答内容と合否との因果関係を示すものではありません。
94.3%という数字を見ると、 「やっぱり立派なガクチカを用意しないと……」 と思うかもしれません。
しかし今回の調査では、 194人(64.7%)が「アピールできるような特別な実績や成果がない」ことに困った と回答しています。
さらに、実際に使われたガクチカの題材で最も多かったのは、 「アルバイト経験」38.0%(114人)でした。
探すべきなのは、
「すごい実績」ではなく「説明できる経験」です。
ガクチカを作るときは、受賞歴や派手な成果だけを探す必要はありません。 アルバイト、部活動、ゼミ、研究、ボランティアなど、 自分が実際に取り組んだ経験から、 「何が起きたか」「なぜそう考えたか」「自分はどう動いたか」 を掘り下げていきます。
この記事では、この6ステップで回答を整理します
丸暗記する文章ではなく、深掘りに対応するための「回答の設計図」です。
特に意識したいのが、 「思考=なぜその行動を選んだのか」です。
今回の調査では、300人中273人(91.0%)が 「かなり」または「少し」ガクチカを深掘りされたと回答しました。 自由記述でも、 「なぜ他の方法ではなく、その方法を選んだの?」 といった質問が挙がっています。
だからこそ、完成した例文をそのまま覚えるのではなく、 自分の行動の理由まで説明できる状態 を目指します。
では最初に、 「公務員面接でガクチカは本当に聞かれるのか?」 から確認しましょう。300人の回答を詳しく見ていきます。
- 公務員面接で「ガクチカ」は本当に聞かれる?300人に調査
- 公務員面接のガクチカは何を話す?実際に使われた題材TOP5
- 「ガクチカがない」と悩む人へ|64.7%が「特別な実績がない」と回答
- 公務員面接のガクチカは何を話せばいい?300人が中心に話した内容
- 公務員面接のガクチカの答え方|6ステップで作ろう
- 【題材別】公務員面接のガクチカ回答例5選
- ガクチカで伝えた強み・学びTOP4|300人調査
- ガクチカと自己PRは同じエピソードでもいい?300人に調査
- 公務員面接のガクチカNG回答5選|改善例つき
- ガクチカは91.0%が深掘りされた|実際に聞かれた質問
- 社会人・既卒の公務員面接ではガクチカをどう答える?
- 面接後に分かった「やっておけばよかったガクチカ対策」
- まとめ|ガクチカは「すごい実績」より深掘りまで話せる準備を
- 公務員面接のガクチカでよくある質問
公務員面接で「ガクチカ」は本当に聞かれる?300人に調査
「学生時代に力を入れたことは、本当に公務員面接でも聞かれるの?」
民間就活では定番の質問ですが、公務員試験を受ける人にとっても気になるところでしょう。
そこで、えびうるゼミでは 過去3年以内に公務員面接を受験した男女300人に、 実際の面接で「学生時代に力を入れたこと・頑張ったこと」を聞かれたか調査しました。
300人中283人(94.3%)が「聞かれた」と回答
今回の調査では、300人中283人が 「ガクチカを聞かれた」と回答しました。
公務員面接で「学生時代に力を入れたこと・頑張ったこと(ガクチカ)」を聞かれましたか?
今回の回答者では、 10人に9人を超える割合でガクチカについて質問された という結果になりました。
もちろん、この結果だけから 「すべての公務員面接で必ず聞かれる」 とは言えません。
自治体や官庁、試験区分、面接官、面接カードの内容などによって、 実際に聞かれる質問は変わります。
それでも今回の300人調査を見る限り、 ガクチカは「聞かれてから考える」のではなく、事前に自分の経験を整理しておきたい質問の一つ と考えて準備しておくとよいでしょう。
調査対象・期間・方法
今回の記事で使用するアンケートの調査概要は、以下のとおりです。
| 調査対象 | 過去3年以内に国家一般職・地方上級・市役所等の 公務員面接を受験した男女300名 |
|---|---|
| 有効回答数 | 300名 |
| 調査期間 | 令和8年(2026年)8月9日~8月31日 |
| 調査方法 | インターネットアンケート調査 |
本調査は、今回回答した300人の結果です。 すべての公務員試験・自治体・官庁に同じ割合が当てはまることを示すものではありません。 また、特定の回答方法と面接の合否との因果関係を示す調査でもありません。
ガクチカは「回答を1つ作って終わり」にしない
では、ガクチカを聞かれる可能性に備えて、 例文を1つ作って暗記しておけば十分なのでしょうか。
今回の調査結果を見ると、そこでもう一段準備しておきたいことが分かります。
別の設問では、 52.3%(157人)が「かなり深掘りされた」、 38.7%(116人)が「少し深掘りされた」 と回答しました。
2つを合わせると、 91.0%(273人)です。
つまり今回の回答者では、 「学生時代に力を入れたことは○○です」と答えた後、 さらに質問された人が多くいました。
取り組んだ?
考えた?
どう動いた?
そのため、ガクチカ対策では 「完成した文章を覚えること」よりも、自分の経験を掘り下げて説明できるようにしておくこと が重要です。
たとえば、 「飲食店のアルバイトで新人教育を頑張りました」 という回答を用意したなら、
「なぜ新人教育に取り組もうと思ったのか」
「どんな問題があったのか」
「なぜその方法を選んだのか」
「周囲はどう反応したのか」
「うまくいかなかったことはなかったか」
といったところまで、自分の経験を振り返っておくと、 深掘りされたときにも自分の言葉で答えやすくなります。
ガクチカを準備するときに、 最初から「面接で良く見えるエピソード」を作ろうとすると、 本来の経験から離れてしまうことがあります。
まずは、 実際に自分が時間を使ったこと、困ったこと、工夫したこと、周囲と関わったこと を書き出してください。
そのうえで「なぜそうしたのか」を掘り下げていく方が、 深掘り質問にも対応しやすい回答を作れます。
公務員面接のガクチカは何を話す?実際に使われた題材TOP5
「ガクチカを準備しよう」と言われても、 そもそも何を題材にすればいいのか分からない人も多いでしょう。
アルバイト、部活動、ゼミ、ボランティア、資格取得――。 選択肢はいくつもあります。
そこで300人に、 実際の公務員面接で何をガクチカとして答えたのか を聞きました。
1位は「アルバイト経験」38.0%
調査結果は次のとおりです。
ガクチカとして何について答えましたか?
※n=300、単一回答。割合は今回のアンケート回答者における構成比です。 題材ごとの面接評価や合否を比較した調査ではありません。
今回の回答者では、 最も多かったのが「アルバイト経験」38.0%(114人) でした。
次いで、 サークル・部活動26.3%、学業・ゼミ・研究活動17.7% と続いています。
ここから分かるのは、 ガクチカとして実際に使われている題材は、 「全国大会で優勝した」「大きなプロジェクトを成功させた」といった特別なものだけではない、ということです。
ガクチカの題材は「派手さ」ではなく話せる中身から選ぶ
では、自分に複数の経験がある場合、 どれをガクチカにすればよいのでしょうか。
今回のランキングで上位だから、という理由だけで題材を選ぶ必要はありません。
たとえばアルバイト経験が1位ですが、 この調査は「アルバイトを話した人ほど面接結果が良かった」ということを示しているわけではありません。
Q2で調べたのは、300人が「何を題材として使ったか」です。 題材別の評価や合格率を調査したものではありません。 「アルバイトが1位だからアルバイトを選ぶ」という使い方はしないようにしましょう。
題材を選ぶときは、 自分自身の行動や考えを具体的に説明できるか という視点で比べてみてください。
ガクチカ候補を選ぶときの4つの確認ポイント
- 自分が実際に時間や労力をかけた経験か
- 途中で起きた課題・困難・工夫を説明できるか
- 「なぜそうした?」と聞かれたときに、 自分の考えを説明できるか
- チームの実績だけでなく、 自分自身が何をしたのかを説明できるか
たとえば、 「全国大会に出場した部活動」と 「3年間続けた飲食店アルバイト」 の2つがあったとします。
全国大会の方が一見すると華やかでも、 自分自身の行動をほとんど説明できないのであれば、 アルバイトの方が自分の経験を具体的に整理しやすい場合もあります。
△「部活動で全国大会に出場しました」
→ 実績は分かるものの、自分が何を考えて何をしたのかはまだ分かりません。
○「飲食店のアルバイトで、新人が質問しにくい状況を改善するため、業務チェック表の作成に取り組みました」
→ 課題と本人の行動が見えるため、この先を掘り下げやすくなります。
5つの題材それぞれに「話せるポイント」がある
今回の調査で挙がった5つの題材は、 それぞれ違う経験を掘り下げられます。
接客、業務改善、新人教育、忙しい時間帯への対応、スタッフ間の連携など、 日常的な経験の中から具体的な行動を探せます。
大会成績だけでなく、練習方法の改善、メンバーとの調整、 後輩への働きかけなども振り返れます。
研究成果だけでなく、テーマ設定、情報収集、計画、 試行錯誤、共同研究での役割なども材料になります。
参加した事実だけでなく、現場で気づいた課題、 周囲との協力、自分から工夫したことを整理します。
「資格に合格した」で終わらず、目標を決めた理由、 計画、継続するための工夫などまで振り返ります。
このように考えると、 「何をやったか」だけでガクチカの良し悪しを決める必要はありません。
同じアルバイトでも人によって経験は違いますし、 同じ部活動でも、直面した課題や取った行動は変わります。
まずは自分が実際に経験したことの中から、 「なぜ?」「具体的には?」と聞かれても話を広げられる題材 を探してみましょう。
「ガクチカがない」と悩む人へ|64.7%が「特別な実績がない」と回答
「大学生活を振り返っても、面接でアピールできるようなことを何もしていない……」
ガクチカを考え始めると、 自分には話せるエピソードがないと感じる人もいるでしょう。
しかし、最初から 「表彰された経験」「リーダー経験」「大きな成果」 だけを探す必要はありません。
194人が「アピールできる特別な実績や成果がない」と回答
300人に 「ガクチカの回答を作るとき、何に困りましたか?」 と聞いたところ、最も多かった回答は次の項目でした。
ガクチカの回答を作るとき、何に困りましたか?
※n=300、複数回答。 194人(64.7%)が「アピールできるような特別な実績や成果がない」、 159人(53.0%)が「公務員特有の視点(協調性・市民目線など)にどう結びつけるか」、 124人(41.3%)が「エピソードを要約して短くまとめるのが難しい」、 110人(36.7%)が「自己PRとの内容の重複や違いの出し方」と回答しました。 複数回答のため、割合の合計は100%になりません。
今回の回答者では、 300人中194人、約3人に2人が「特別な実績や成果がない」ことに困っていました。
つまり、 「自分だけガクチカがない」と感じている人ばかりではありません。
「すごいこと探し」から「自分が動いたこと探し」へ変える
たとえば、 「大学時代に頑張ったことは?」とだけ考えると、 頭に浮かぶのは目立った成果ばかりになりがちです。
表彰・大会成績・リーダー・売上実績などから探す。
困った・考えた・工夫した・続けた・周囲と関わった経験から探す。
後者に変えると、候補になる経験は一気に増えます。
たとえば、 「アルバイトを3年間続けただけ」 と思っている経験でも、その3年間を細かく振り返れば、
新人に仕事を教えた、忙しい時間帯の動き方を工夫した、 お客様からの要望に対応した、スタッフ同士で役割を調整した―― といった具体的な場面が見つかる可能性があります。
ガクチカが見つからない人は4ステップで経験を掘り起こす
「それでも何も思いつかない」という場合は、 いきなり完成した回答を書こうとしないでください。
まず、次の順番で経験を掘り起こします。
ガクチカ候補を見つける4ステップ
アルバイト、授業、ゼミ、部活、サークル、資格勉強、 ボランティア、趣味など、最初は良し悪しを判断せず書き出します。
失敗した、うまく進まなかった、意見が合わなかった、 時間が足りなかったなど、順調ではなかった場面を探します。
誰かに相談した、やり方を変えた、調べた、声をかけた、 計画を作ったなど、自分自身の行動を抜き出します。
行動の理由まで説明できる経験は、 面接で深掘りされたときにも話を広げやすい候補になります。
アルバイト・授業・資格勉強でも候補は見つけられる
ガクチカ候補は、部活動やサークルだけから探す必要はありません。
普段の大学生活を、次のような視点で振り返ってみてください。
接客、新人教育、業務改善、繁忙時の対応、スタッフとの調整など。
発表、グループワーク、研究、情報収集、期限管理、役割分担など。
練習、後輩との関わり、メンバー調整、イベント運営、継続した活動など。
学習計画、苦手分野への対応、時間確保、継続するための工夫など。
参加者との交流、運営補助、課題への気づき、周囲との協力など。
長期間続けた活動、役割を任された経験、自分なりに改善した経験など。
「ただのアルバイト」も分解するとガクチカ候補になる
たとえば、 「飲食店でアルバイトを3年間続けました」 だけでは、まだガクチカとして何を話すのか見えてきません。
そこで経験を分解します。
「大学では飲食店のアルバイトくらいしかしていません」
新人スタッフが仕事を覚えるまでに時間がかかり、 同じ質問が繰り返されていることに気づいた。 そこで、先輩スタッフに相談しながら、 新人が確認できる業務チェック表を作った。
最初の状態では、 「アルバイトをした」という事実しかありません。
しかし分解すると、 課題への気づき→周囲への相談→自分の行動 という具体的な経験が出てきます。
このように、 ガクチカは新しい経験を作るのではなく、すでに経験したことを掘り起こす ところから始めてみてください。
候補が見つかったら「なぜ?」を自分に質問する
経験が1つ見つかったら、 次はその経験について自分自身に質問します。
- なぜ、そのことに取り組もうと思った?
- 一番困ったことは何だった?
- そのとき、自分は何を考えた?
- なぜ、その行動を選んだ?
- 結果として何が変わり、自分は何を学んだ?
ここに具体的に答えられる経験があれば、 ガクチカの材料として整理していけます。
ガクチカを考える段階で避けたいのは、 「面接で受けそうな話」を先に作り、それに自分の経験を合わせていくことです。
深掘りされるほど、借り物の表現や実際とは違うエピソードは説明しにくくなります。
まずは事実ベースで経験を細かく書き出し、 「自分は何を考え、何をしたのか」 を整理してから回答にまとめていきましょう。
公務員面接のガクチカは何を話せばいい?300人が中心に話した内容
ガクチカの題材が決まったら、次に悩むのが 「その経験の何を話せばいいのか?」です。
たとえば同じアルバイト経験でも、 「3年間続けたこと」「売上」「新人教育」「トラブルへの対応」など、 話せる内容はいくつもあります。
そこで300人に、 ガクチカの中でどの部分を中心に話したのか を聞きました。
最多は「課題・困難と、それをどう乗り越えたか」48.3%
調査結果を見ると、最も多かったのは 「直面した課題・困難と、それをどう乗り越えたか」でした。
ガクチカの経験の中で、どの部分を中心に話しましたか?
それをどう乗り越えたか 145人 / 300人
※n=300、単一回答。 「直面した課題・困難とそれをどう乗り越えたか」145人(48.3%)、 「周囲と協力・協調したプロセス」81人(27.0%)、 「取り組みの成果や具体的実績」44人(14.7%)、 「その活動を始めたきっかけ・動機」30人(10.0%)でした。 本調査は、それぞれの回答方法と面接評価・合否との因果関係を示すものではありません。
今回の回答者では、 約半数の145人が「課題・困難と、それをどう乗り越えたか」を中心に話していました。
その次に多かったのが、 「周囲と協力・協調したプロセス」27.0%(81人)です。
一方で、 「取り組みの成果や具体的実績」を中心にした人は14.7%(44人) でした。
この調査結果から 「成果を話してはいけない」 「課題を話せば評価される」 と結論づけることはできません。
ただ、ガクチカを作るときに 結果だけしか書けていない人は、そこに至るまでの出来事を振り返る余地があります。
何に困り、何を考え、誰と関わり、自分が何をしたのか。 そこまで整理すると、エピソードを具体的に説明しやすくなります。
「成果だけ」の回答から、自分の行動が見える回答へ
たとえば、アルバイトをガクチカにするとします。
次のような回答では、成果は分かります。
「飲食店のアルバイトに力を入れ、店舗の売上向上に貢献しました。」
「新人が仕事を覚えるまでに時間がかかっていることに気づき、先輩スタッフと相談して業務チェック表を作りました。」
後者では、 「何が問題だったのか」「自分が何をしたのか」 が具体的になっています。
さらに、 「なぜチェック表を作ろうと思ったの?」 「先輩にはどう相談した?」 と聞かれても、実際の経験をもとに話を広げられます。
ガクチカは「出来事」を4つに分解すると整理しやすい
題材が決まっているのに文章が書けない人は、 いきなり完成形を作ろうとせず、 まず経験を次の4つに分解してみてください。
何がうまくいっていなかったのか。 自分や周囲は何に困っていたのか。
その状況をどう捉え、 なぜその対応が必要だと考えたのか。
自分から何をしたのか。 誰かと協力したなら、どう働きかけたのか。
その後どうなったのか。 経験から何を学んだのか。
ここで特に注意したいのが、 「自分の考え」と「自分の行動」を混ぜないことです。
「チェック表を作りました」は行動ですが、 なぜチェック表という方法を選んだのかは別の情報です。
この「なぜ」を整理しておくことが、 後の深掘り対策にもつながります。
チームの話では「自分が何をしたか」を抜き出す
サークル、部活動、ゼミ、アルバイトなど、 複数人で取り組んだ経験を使う場合は、 「私たちは~しました」だけにならないよう注意してください。
このように分解すると、 「みんなで学園祭を成功させました」という話から、 自分が考え、働きかけた部分を取り出せます。
今回のQ6では159人(53.0%)が 「公務員特有の視点(協調性・市民目線など)にどう結びつけるか」 に困ったと回答しています。 ただし、これは回答者が感じた悩みを集計したもので、 特定の言葉を入れれば評価が上がることを示すデータではありません。 まずは実際の経験を正確に整理することを優先しましょう。
まずは1つの経験をこの4問で書き出してみよう
ここまで読んだら、 自分のガクチカ候補を1つ選んで、次の4問に答えてみてください。
- その経験で、一番困ったことは何だった?
- そのとき、自分は何を考えた?
- 自分から具体的に何をした?
- その結果どうなり、何を学んだ?
この段階では、きれいな文章にする必要はありません。
箇条書きでもよいので、 「事実」「自分の考え」「自分の行動」 をできるだけ具体的に出しておきましょう。
材料がそろってから文章にした方が、 無理に話を作ったり、抽象的な回答になったりするのを防ぎやすくなります。
公務員面接のガクチカの答え方|6ステップで作ろう
ここまでで、 「何を題材にするか」「その経験のどこを掘り下げるか」 は整理できました。
次はいよいよ、それを 面接で話せる回答に組み立てていきます。
えびうるゼミでは、ガクチカを準備するときに 「結論 → 課題 → 思考 → 行動 → 結果・学び → 仕事」 の6つに分けて整理する方法をおすすめします。
完成した文章を丸暗記するのではなく、まずは「話す材料」を整理します。
学び
この6ステップは、 面接で最初から最後まで読み上げるための台本ではありません。
まず6項目を準備しておき、 最初の回答では必要な部分を簡潔に伝える。 その後、「なぜ?」「具体的には?」と聞かれたら、 準備していた材料から答えるイメージです。
STEP1|結論:最初に「何に力を入れたか」を伝える
最初に、 学生時代に何に力を入れたのか を一文で伝えます。
前置きを長くせず、 面接官がこれから何の話を聞くのか分かる形にします。
STEP2|課題:何がうまくいっていなかったのか
次に、その経験の中で どんな問題・困難があったのか を整理します。
第4章の300人調査では、 48.3%(145人)が「直面した課題・困難と、それをどう乗り越えたか」を中心に話した と回答しました。
STEP3|思考:「なぜその行動を選んだのか」を言葉にする
このステップは、この記事で特に重視している部分です。
「チェック表を作った」 「メンバーに声をかけた」 「勉強方法を変えた」 という行動だけで終わらせず、なぜその方法を選んだのか まで考えます。
この「思考」を準備しておく理由は、 今回の調査で集まった自由記述にも表れています。
実際の深掘り質問として、 「なぜその状況で、他の方法ではなくその手段を選んだの?」 といった質問が挙がりました。
つまり、完成した文章だけを覚えるのではなく、 「なぜ自分はそう判断したのか」まで自分の言葉で説明できる状態 にしておくことが、深掘りへの備えになります。
STEP4|行動:「自分が何をしたか」を具体化する
行動では、 「チームが何をしたか」ではなく「自分が何をしたか」 を具体的にします。
周囲と協力した経験なら、 一人で全部やったように見せる必要はありません。 むしろ、誰にどう働きかけたのかまで整理します。
STEP5|結果・学び:数字がなくても事実ベースでまとめる
結果では、 無理に「売上30%アップ」のような派手な数字を作る必要はありません。
実際に確認できる変化があるなら、それを具体的に伝えます。 数字がなければ、 「何がどう変わったのか」「自分は何を学んだのか」 を事実に沿って整理します。
STEP6|仕事:経験から得たことを公務でどう活かすか
最後に、 経験から得た学びを仕事でどう活かしたいか まで準備しておきます。
ただし、 「公務員には協調性が必要なので活かします」 のように、抽象的な言葉を無理に付け足す必要はありません。
志望する仕事を調べたうえで、 自分の経験との接点を具体的に考えます。
6ステップに当てはめるとガクチカはこうなる
ここまでのアルバイト経験を、 6ステップに当てはめて並べてみましょう。
実際の面接では「短い基本回答+深掘り」で考える
ここが非常に重要です。
6ステップで材料を作ったからといって、 最初の回答で6項目をすべて長く説明する必要はありません。
質問の仕方や面接時間にもよりますが、 指定がない場合はまず要点を簡潔に答え、 追加質問に合わせて詳しく説明できるようにしておくと整理しやすいです。
「学生時代に最も力を入れたのは、飲食店でのアルバイトです。 新人スタッフが仕事を覚えるまでに時間がかかっていたため、 先輩スタッフと相談し、迷いやすい業務をまとめたチェック表を作成しました。 その経験から、相手の状況を確認し、周囲と協力しながら改善することの大切さを学びました。」
ここでは、 結論 → 課題 → 主な行動 → 結果・学び を中心に答えています。
そして、面接官から 「なぜチェック表にしたのですか?」 「先輩はすぐに協力してくれましたか?」 などと聞かれたら、準備していた「思考」や「周囲との関わり」を使って答えます。
結論
↓
課題
↓
主な行動
↓
結果・学び
なぜそう考えた?
他の方法は?
周囲とどう関わった?
仕事でどう活かす?
このように、 「話す文章」と「深掘り用の材料」を分けて準備する のがポイントです。
文章を丸ごと覚えてしまうと、質問の言い方が変わったときや途中で追加質問されたときに対応しにくくなります。 覚えるなら文章そのものではなく、 「課題はこれ」「この行動を選んだ理由はこれ」「学んだことはこれ」 という材料を整理しておきましょう。
自分のガクチカを6ステップで書き出してみよう
次のテンプレートを使って、 自分の経験を一度箇条書きにしてみてください。
ガクチカを作るときは、 最初から「きれいな1分回答」を完成させようとしない ことをおすすめします。
まずは6つの材料を、箇条書きで十分なので出してください。 特に「思考」は、 「なぜ?」「他の方法ではダメだった?」と自分に問い直す と具体化しやすくなります。
そのあとで基本回答を短くし、 削った内容を深掘り質問への回答として残しておく。 この順番なら、原稿を丸暗記するだけの対策になりにくくなります。
【題材別】公務員面接のガクチカ回答例5選
「作り方は分かったけれど、 実際にはどんな回答にすればいいの?」
ここでは、第2章で紹介した300人調査の題材に合わせて、 5パターンのガクチカ回答例を紹介します。
ただし、例文をそのまま暗記するのではなく、 「自分なら課題・思考・行動の部分に何が入るか」 を考えながら読んでください。
部活動 26.3%
研究活動 17.7%
地域活動 10.0%
資格取得など 8.0%
この順位は、 今回の300人が実際に何を題材として回答したか を示したものです。
「アルバイトを選べば評価されやすい」 「ボランティアなら公務員面接で有利」 といった意味ではありません。
自分が具体的に説明できる経験を選び、 事実に沿って自分の思考・行動を整理する ための参考として使ってください。
回答例①|アルバイト
私が学生時代に力を入れたのは、飲食店でのアルバイトです。 新人スタッフが仕事を覚えるまでに時間がかかり、同じ内容を何度も確認する状況が続いていました。 私は、口頭で説明するだけでなく、新人自身が確認できる仕組みが必要だと考えました。 そこで先輩スタッフに相談し、新人が迷いやすい業務を整理したチェック表を作成しました。 その結果、新人が自分で確認しながら業務を進められる場面が増えました。 この経験から、相手がどこで困っているのかを確認し、周囲と相談しながら改善することの大切さを学びました。
- なぜチェック表という方法を選んだのですか?
- 先輩スタッフにはどのように相談しましたか?
- チェック表を作る際に工夫したことはありますか?
- うまくいかなかった点はありませんでしたか?
回答例②|サークル・部活動
私が学生時代に力を入れたのは、サークルでの学園祭準備です。 準備期間中、メンバーによって参加できる時間に差があり、一部の人に作業が集中していました。 私は、参加できない人にも事情があるため、まず状況を確認して役割を調整する必要があると考えました。 そこで一人ひとりの予定を確認し、短時間でも担当できる作業に分けて役割を整理しました。 その結果、これまで参加しにくかったメンバーも準備に加わりやすくなりました。 この経験から、相手の事情を確認しながら、全体が動きやすい方法を考えることの大切さを学びました。
- 協力してくれない人はいませんでしたか?
- 意見が合わない人にはどう対応しましたか?
- あなた自身の役割は何でしたか?
- もう一度やるなら何を変えますか?
回答例③|学業・ゼミ・研究活動
私が学生時代に力を入れたのは、ゼミでのグループ研究です。 研究を進める中で、メンバーによって集める資料の基準が異なり、議論がまとまりにくいことが課題でした。 私は、意見をまとめる前に、全員が同じ基準で情報を確認できる状態を作る必要があると考えました。 そこで研究目的と必要な資料の条件をメンバーで整理し、共有できる一覧表を作りました。 その後は共通の資料をもとに議論を進めやすくなりました。 この経験から、意見が異なるときほど前提条件を確認し、共通認識を作ることが大切だと学びました。
「ゼミで研究を頑張った」だけではなく、 意見がまとまらなかった原因をどう考え、何を変えたのか まで具体化しています。 研究成果そのものが派手でなくても、経験を細かく整理できます。
- メンバー間では具体的にどんな意見の違いがありましたか?
- なぜ一覧表を作ろうと考えたのですか?
- あなたの提案に反対する人はいませんでしたか?
- この経験を仕事でどう活かしたいですか?
回答例④|ボランティア・地域活動
私が学生時代に力を入れたのは、地域イベントの運営ボランティアです。 当日は受付が混雑し、参加者から会場の場所について同じ質問が繰り返されていました。 私は、受付で一人ずつ説明するだけでは混雑が続くと考え、運営責任者に相談しました。 そのうえで、よく聞かれる場所を整理した案内を受付前に掲示し、スタッフ間でも案内方法を共有しました。 その後は案内を見て移動する参加者が増え、受付で説明する場面も減りました。 この経験から、目の前の対応だけでなく、同じ困りごとが繰り返されない方法を考える大切さを学びました。
ボランティア経験を使う場合も、 「地域のために活動しました」だけで終わらせず、 実際にどんな状況で、自分がどう考えて動いたのか を具体化します。
- なぜそのボランティアに参加したのですか?
- 運営責任者にはどのように提案しましたか?
- 参加者から直接言われたことはありますか?
- その経験から自分の考え方はどう変わりましたか?
回答例⑤|インターン・資格取得
私が学生時代に力を入れたのは、資格取得に向けた勉強です。 当初は大学の授業やアルバイトとの両立がうまくいかず、計画どおりに学習できないことが課題でした。 私は、勉強時間を増やすだけでは継続できないと考え、1週間単位で予定を見直すことにしました。 具体的には、学習内容を小さく分け、通学時間などの短い時間でも進められる内容と、まとまった時間が必要な内容を分けました。 その結果、学習を継続しやすくなり、計画を調整しながら取り組む習慣が身につきました。 この経験から、計画どおりに進まないときは原因を確認し、現実的な方法に修正することの大切さを学びました。
資格取得を題材にする場合、 「○○資格に合格しました」で終わらせるのではなく、 どんな課題があり、学習方法をどう工夫したのか まで整理すると経験を具体化できます。
- なぜその資格を取ろうと思ったのですか?
- 一番苦労したことは何でしたか?
- 計画が崩れたときはどう修正しましたか?
- この経験を仕事でどのように活かしますか?
回答例は「文章」ではなく「構造」を参考にする
ここまで5つの回答例を紹介しましたが、 そのまま自分の回答として使うことはおすすめしません。
同じ「飲食店のアルバイト」でも、 新人教育に取り組んだ人もいれば、 接客、業務改善、シフト調整などに取り組んだ人もいます。
ネット上の回答例を選び、店名や数字だけを自分用に変更する。
自分の事実を先に書き出し、結論・課題・思考・行動・結果・仕事の順で整理する。
参考にしたいのは、 「何を話しているか」ではなく「どう組み立てているか」 です。
特に、 「なぜその行動を選んだのか」 は、自分自身の経験でなければ深掘りされたときに説明しにくくなります。
回答例を見るときは、 「この表現なら受かりそう」と文章を覚えるのではなく、 自分なら同じ質問にどう答えるかを考えてみてください。
たとえば回答例の 「なぜチェック表を選んだのか?」 を自分のエピソードに置き換えて、 「なぜ私はその方法を選んだのか?」 と問い直します。
こうして自分の経験から材料を増やしておくと、 質問の角度が変わっても、自分の言葉で説明しやすくなります。
ガクチカで伝えた強み・学びTOP4|300人調査
ガクチカを作っていると、 「最後にどんな強みをアピールすればいい?」 と悩む人も多いでしょう。
そこで今回の300人調査では、 ガクチカとして使った経験から、どんな強み・学びを伝えたのか についても回答してもらいました。
上位回答を見ると、最多は 「協調性・巻き込み力」34.3%(103人) でした。
ガクチカの回答で使った経験から、どんな強み・学びを伝えましたか?
(立場が異なる人と協力する力) 今回の調査で最も多かった上位回答
※n=300。「協調性・巻き込み力」103人(34.3%)、 「課題発見・粘り強い問題解決力」87人(29.0%)、 「傾聴力・コミュニケーション能力」63人(21.0%)、 「計画性・主体的な行動力」47人(15.7%)。 本調査ではこれらを「上位回答」として集計しています。 この順位と面接評価・合否との因果関係を示すものではありません。
この調査から分かるのは、 今回の回答者の中では「協調性・巻き込み力」を伝えた人が多かった ということです。
「公務員面接では協調性が最も評価される」 「協調性を入れれば有利になる」 という意味ではありません。
強みを決めるときはランキングから選ぶのではなく、 自分が実際に取った行動から逆算する のがおすすめです。
1位|協調性・巻き込み力 34.3%
周囲と相談した、役割を調整した、意見の異なる人と話し合ったなど、 他者との関わりが中心となる経験から整理しやすい強みです。
問題に気づき、原因を考え、方法を変えながら取り組んだ経験なら、 課題への向き合い方として整理できます。
相手の意見や事情を聞き、その内容を踏まえて対応を変えた経験なら、 「聞いた後にどう行動したか」まで整理してみましょう。
自分で計画を立てた、予定を修正した、必要な行動を自分から始めた経験などから、 具体的な行動として説明できます。
強みは「言葉」からではなく「自分の行動」から探す
「協調性」「主体性」「コミュニケーション能力」といった言葉を先に決めると、 自分の経験をその言葉に無理やり合わせてしまうことがあります。
そこでおすすめなのが、 第5章で整理した「行動」から強みを逆算する方法です。
この順番なら、 「私は協調性があります」と言葉だけでアピールするのではなく、 「この行動をした経験から、こういう強みがあると考えた」 と説明しやすくなります。
「強み」と「学び」は少し違う
ガクチカを整理するときは、 強みと学びを必ず同じものにする必要はありません。
たとえば、サークルでメンバーの役割調整をした経験なら、 自分の強みを「調整力」と整理しつつ、 経験から得た学びを 「相手の事情を確認してから役割を決めることの大切さ」 とすることもできます。
言葉だけでは、経験から何を学んだのかが具体的に伝わりにくい。
「自分の考えを伝えるだけでなく、相手の事情を確認して役割を調整することの大切さを学びました。」
「○○力を学びました」とまとめるより、 「この経験から、自分は何を大切にするようになったのか」 まで言葉にすると、自分自身の経験として整理しやすくなります。
ガクチカと長所・自己PRを完全に別物にする必要はない
ガクチカを作っている途中で、 「自己PRでは協調性と言っているけど、ガクチカでも協調性になってしまう」 と悩む人もいるでしょう。
ここで大切なのは、 質問ごとの役割を分けて考えることです。
ガクチカでは 「どんな経験に取り組み、そこでどう考えて行動したのか」 を中心に整理します。
一方、自己PRでは 「自分のどんな強みを伝えるのか」 が回答の中心になります。
そのため、結果的に同じ強みが出てきたとしても、 質問に対する答え方まで同じ文章にする必要はありません。
「公務員だから協調性」 「市役所だから傾聴力」 と先に答えを決めてしまうと、実際の経験とのズレが生じることがあります。 まず自分が何を考え、何をしたのかを整理し、その行動を表す言葉として強みを選びましょう。
- その経験で、自分から起こした行動は何だった?
- 周囲の人に対して、どんな働きかけをした?
- 問題が起きたとき、どんな考え方で対応した?
- 経験後、自分が大切にするようになったことは何?
この4問に答えたあとで、 「この行動を一言で表すなら何だろう?」 と考えてみてください。
その順番なら、ランキングから強みを選ぶのではなく、 自分のエピソードに根拠のある強みを見つけやすくなります。
ガクチカから自分の強みが見えてきたら、 「あなたの長所は?」と直接聞かれた場合の回答も準備しておきましょう。 300人調査をもとに、長所・短所の答え方や深掘り対策を解説しています。
公務員面接「長所・短所は?」の答え方を見る →強みを考えるとき、 最初から格好いい言葉を探す必要はありません。
「人の話を聞いてから動いた」 「うまくいかなかったので方法を変えた」 「一人で決めず周囲に相談した」 という具体的な行動を先に書き出してください。
そのあとで、 「これは傾聴力と言えそうだ」 「課題を見つけて改善する力として整理できそうだ」 と名前を付ける方が、 深掘りされても実体験に戻って説明しやすい回答 になります。
ガクチカと自己PRは同じエピソードでもいい?300人に調査
「アルバイト経験をガクチカに使いたい。でも、自己PRでも同じ経験を使っている……」
そんなとき、 「同じエピソードを使ったらダメなの?」 と不安になる人もいるでしょう。
今回、面接受験経験者300人に調査したところ、 31.7%(95人)は、ガクチカと自己PRで同じエピソードを使い、切り口を変えて話していた と回答しました。
ガクチカと自己PRで同じエピソードを使いましたか?
切り口を変更
※n=300。本調査は「どちらの方法が面接で有利か」を比較したものではありません。 68.3%が別々のエピソードを使用していたことをもって、「別エピソードの方が評価される」と判断することはできません。
ガクチカと自己PRは、 質問されているポイントが同じではありません。
そのため、同じアルバイト経験を使う場合でも、 ガクチカでは「経験の中でどう考えて行動したか」、 自己PRでは「その経験から説明できる自分の強み」 を中心に組み立てることができます。
ガクチカと自己PRの違いは「質問の中心」で考える
まずは、ガクチカと自己PRを完全に別物として考えるのではなく、 「何を聞かれている質問なのか」 を整理しましょう。
経験・課題・思考・行動・結果・学びなど、 取り組みのプロセスを中心に整理します。
強みを先に示し、 その根拠となる経験と、 仕事でどう発揮したいかを整理します。
この違いが分かると、 「同じアルバイト経験だから全部同じ回答になる」 という状態を避けやすくなります。
同じアルバイト経験でも回答はここまで変えられる
実際に、第6章でも使った 「飲食店で新人教育を改善した経験」 を例に比べてみましょう。
私が学生時代に力を入れたのは、飲食店でのアルバイトです。 新人スタッフが仕事を覚えるまでに時間がかかっていたため、 新人自身が確認できる仕組みが必要だと考えました。 そこで先輩スタッフに相談し、迷いやすい業務をまとめたチェック表を作成しました。 その経験から、相手の状況を確認し、周囲と相談しながら改善することの大切さを学びました。
私の強みは、相手の状況を確認しながら改善策を考え、周囲に働きかけられることです。 飲食店のアルバイトでは、新人スタッフが業務を覚えるまでに時間がかかっていました。 そこで新人が迷いやすい点を確認し、先輩スタッフにも相談したうえで、確認用のチェック表を作成しました。 仕事でも、周囲の意見を聞きながら課題に向き合い、必要な改善を積み重ねていきたいと考えています。
ガクチカは「何に取り組み、どう考えて行動したか」から始まり、 自己PRは「私の強みは○○です」から始まっています。 エピソードは同じでも、回答の中心が違います。
同じエピソードを使うなら「コピペ回答」にしない
同じ経験を使う場合に避けたいのは、 ガクチカと自己PRでほぼ同じ文章を繰り返すことです。
たとえば、
「アルバイトで新人教育を頑張りました。チェック表を作りました。その結果……」
という話を、ガクチカでも自己PRでも同じ順番・同じ内容で答えてしまうと、 質問ごとの違いが分かりにくくなります。
同じ経験を使うなら、 「エピソードを変える」のではなく「回答の焦点を変える」 と考えてください。
別エピソードを使えるなら、無理に同じにする必要もない
一方で、今回の調査では 68.3%(205人)がガクチカと自己PRで別々のエピソードを使っていました。
自分の中に複数の具体的な経験があるなら、 別のエピソードを使って回答を組み立てることもできます。
ガクチカと自己PRで質問の焦点を変え、自分の言葉で説明できるなら、同じ経験を使う形でも整理できます。
アルバイト、ゼミ、部活動など、それぞれ十分に説明できる経験があるなら、質問ごとに別のエピソードを使う方法もあります。
「別々にしなければ」と考えて、具体的に説明できない経験を無理に採用する必要はありません。まずは自分が深掘りまで答えられる経験かを確認しましょう。
今回の調査は、回答者が実際にどちらの方法を使ったかを集計したものです。 別エピソードを使った人と同じエピソードを使った人の合格率・面接評価を比較した調査ではありません。 したがって、「68.3%が別だったから別の方が有利」とは言えません。
自己PRとガクチカの両方を並べてチェックしよう
最後におすすめしたいのが、 ガクチカと自己PRを別々に完成させて終わりにせず、横に並べて読むこと です。
そのうえで、次の点を確認します。
ガクチカは「力を入れた経験」、自己PRは「自分の強み」から答え始めているか確認します。
どちらも同じ出来事の説明だけになっていないかをチェックします。
自分の役割、行動、結果など、同じ経験について説明している事実関係にズレがないか確認します。
「ガクチカとの違いは分かったけれど、自己PR自体がまだ完成していない」という人は、自己PRの作り方から整理してみてください。
公務員試験の自己PRの作り方を詳しく見る →「同じエピソードを使ってはいけない」と考えて、 弱いエピソードを無理にもう1つ作る必要はありません。
まず確認したいのは、 同じ経験について 「何を頑張った?」 「なぜそうした?」 「あなたの強みは?」 「仕事でどう活かす?」 と角度を変えて聞かれても、自分の言葉で説明できるかどうかです。
同じ経験を使う場合ほど、 文章を2本丸暗記するのではなく、1つの経験を複数の角度から整理しておく と、深掘りにも対応しやすくなります。
公務員面接のガクチカNG回答5選|改善例つき
ガクチカは、題材そのものよりも 「その経験をどう説明するか」 で内容が大きく変わります。
アルバイトや部活動など十分に話せる経験があっても、 「頑張りました」「成果を出しました」だけでは、自分が何を考え、何をしたのかが伝わりません。
ここでは、ガクチカを作るときに避けたい5つの回答パターンを、 NG例 → 問題点 → 改善例 の順番で解説します。
NG①|「アルバイトを頑張りました」だけで終わる
私が学生時代に力を入れたことは、飲食店でのアルバイトです。 接客や清掃などさまざまな仕事を一生懸命頑張りました。 この経験を公務員になってからも活かしたいです。
「一生懸命頑張った」という事実だけでは、 どんな課題があり、本人が何を考え、どう行動したのかが分かりません。 深掘りされたときに説明する材料も少なくなります。
「何を頑張ったか」からもう一段掘り下げ、 困ったこと → 考えたこと → 実際にしたこと を具体化します。
私が学生時代に力を入れたのは、飲食店でのアルバイトです。 新人スタッフが業務を覚えるまでに時間がかかっていたため、 新人自身が確認できる仕組みが必要だと考えました。 そこで先輩スタッフに相談し、迷いやすい業務をまとめたチェック表を作成しました。 この経験から、相手がどこで困っているのかを確認し、周囲と相談しながら改善することの大切さを学びました。
NG②|成果や数字だけをアピールする
私はサークルの新入生勧誘に力を入れました。 その結果、前年より多くの新入生に入会してもらうことができました。 この経験から、目標を達成する力が身につきました。
成果があること自体は問題ありません。 ただし、結果だけでは 「なぜその方法を選んだのか」「本人が具体的に何をしたのか」 が分かりにくい回答になります。
数字を消す必要はありません。 成果に至るまでの課題・判断・行動 をセットで説明します。
私はサークルの新入生勧誘に力を入れました。 説明会への参加者が少なかったため、まず新入生が知りたい情報と、私たちが発信している内容にズレがないかを確認しました。 そこでメンバーと相談し、活動内容だけでなく、活動頻度や費用など質問の多かった内容も事前に発信するようにしました。 その結果、説明会への参加者が増えました。 この経験から、結果だけを見るのではなく、相手が必要としている情報を確認して方法を見直す大切さを学びました。
NG③|「みんなで頑張った」で自分の行動が見えない
私は部活動に力を入れました。 チーム全員で練習方法を工夫し、みんなで声を掛け合いながら努力しました。 その結果、チームとして目標を達成することができました。
チームで取り組んだ経験でも問題ありません。 ただし「みんなで」「チームで」だけが続くと、 その中で本人がどんな役割を担い、どんな働きかけをしたのか が見えにくくなります。
チーム全体の話と、 「その中で私は何をしたのか」 を分けて整理します。
私は部活動で、練習に参加しにくいメンバーも含めた役割調整に取り組みました。 メンバーごとに授業やアルバイトの予定が異なり、一部の人に準備が集中していたためです。 私は一人ひとりに参加可能な時間を確認し、短時間でも担当できる作業に分けることを提案しました。 その結果、これまで参加しにくかったメンバーも準備に関われるようになりました。 この経験から、相手の事情を確認しながら役割を調整する大切さを学びました。
NG④|「公務員らしさ」を無理に入れる・話を盛る
私はコンビニのアルバイトで、常に市民目線を意識しながら接客しました。 公務員には協調性や奉仕の精神が必要だと思うため、 アルバイトでもそれらを意識して行動していました。
公務員の仕事につなげようとするあまり、 実際の経験よりも「市民目線」「協調性」などの言葉が前面に出ています。 経験当時に本当に何を考えていたのかが見えにくくなります。
まずは当時の事実をそのまま整理します。 公務への接続は最後に、 経験から得た姿勢を仕事でどう活かしたいか という形で加えれば十分です。
私が学生時代に力を入れたのは、コンビニでのアルバイトです。 高齢のお客様から商品の場所を尋ねられることが多く、口頭で場所を説明しても分かりにくそうにされる場面がありました。 そこで、状況に応じて売り場まで一緒に案内するようにしました。 この経験から、同じ説明をするのではなく、相手の状況を確認して対応を変えることの大切さを学びました。 仕事でも、相手の話を確認したうえで必要な対応を考える姿勢を大切にしたいです。
NG⑤|完成した原稿を一字一句丸暗記する
400字程度の完成原稿を作り、最初から最後まで一字一句覚える。 「学生時代に力を入れたことは?」と聞かれた場合だけを想定して繰り返し練習する。
面接では、最初の回答から 「なぜ?」「具体的には?」「他の方法は考えなかった?」 など、質問の角度が変わることがあります。 完成文だけを覚えていると、 原稿にない質問へ切り替わったときに答えにくくなる ことがあります。
覚えるのは文章ではなく、 自分の経験を構成する「材料」です。 第5章の6ステップを使って整理しておきましょう。
今回の300人調査では、ガクチカで中心に話した内容として、 48.3%(145人)が「直面した課題・困難と、それをどう乗り越えたか」 と回答しました。
また、面接後に「こう準備すればよかった」と振り返った内容では、 41.0%(123人)が「なぜその行動をとったかという意図・思考プロセスの言語化」 を挙げています。
これらは合否との因果関係を示すデータではありませんが、 ガクチカを「何をしたか」だけで終わらせず、自分の思考まで整理しておく ことの実践的なヒントになります。
完成したガクチカを5項目でチェックしよう
回答を作ったら、最後に次の5項目を確認してください。
- 「頑張りました」だけで終わらず、具体的な課題が入っている
- チーム全体ではなく「自分が何をしたか」を説明できる
- 「なぜその方法を選んだのか」を自分の言葉で説明できる
- 実際の経験以上に話を盛ったり、「公務員らしい言葉」を無理に足したりしていない
- 原稿を見なくても、質問の順番が変わったときに経験の材料から答えられる
ガクチカを添削するときは、 文章をきれいにすることだけに時間をかけないでください。
「なぜその方法を選んだ?」 「あなた自身は何をした?」 「反対されたらどうした?」 「もう一度やるなら何を変える?」 と、自分の回答に質問を重ねてみましょう。
そこで説明できない部分があれば、 文章を覚え直すのではなく、 当時の状況・考え・行動をもう一度思い出して整理する のがポイントです。
ガクチカは91.0%が深掘りされた|実際に聞かれた質問
ガクチカは、最初の回答を作っただけでは準備完了とはいえません。
今回、過去3年以内に公務員面接を受験した300人に 「ガクチカについて深掘りされましたか?」 と聞いたところ、非常に多くの回答者が何らかの深掘りを経験していました。
「かなり深掘りされた」と「少し深掘りされた」を合わせると、 300人中273人(91.0%)です。
「深掘りされた」と回答
※「かなり深掘りされた」52.3%と 「少し深掘りされた」38.7%を合算した数値です。
※n=300。「かなり深掘りされた」157人(52.3%)、 「少し深掘りされた」116人(38.7%)、 「あまり深掘りされなかった(あっさり終わった)」27人(9.0%)。 91.0%は前者2項目を合算した数値です。 本調査はすべての試験・自治体に当てはまるものではなく、合否との因果関係を示すものでもありません。
最初のガクチカは、 結論 → 課題 → 主な行動 → 結果・学び を中心に簡潔に伝えれば構いません。
その代わり、 「なぜ?」「具体的には?」「他の方法は?」 と聞かれたときに説明できるよう、 第5章で整理した「思考」や「仕事への接続」まで準備しておきましょう。
実際に聞かれた深掘り質問は大きく4方向
さらに今回の調査では、 実際にどのような深掘り質問をされたのか を自由記述で回答してもらいました。
回答内容を整理すると、次のような質問が代表例として挙げられます。
なぜその状況で、他の方法ではなくその手段を選んだの?
「何をしたか」だけでなく、 なぜその方法が必要だと考えたのか を説明できるようにします。
反対するメンバーや協力してくれない人には、どうアプローチした?
チーム経験なら、 意見の違う相手にどう向き合ったか まで振り返っておきましょう。
その経験で得た強みは、公務員のどのような業務で活かせると思う?
「公務員でも活かします」だけではなく、 どんな場面で、どのような行動として活かすのか まで考えます。
一番大変だった局面はどこ?もう一度やり直せるならどうする?
成功した部分だけでなく、 うまくいかなかった点と、今ならどう改善するか まで整理しておきます。
上記は自由記述回答をもとに整理した代表的な質問例です。 各質問が何人に聞かれたかを集計したランキングではないため、 「1位」「最も多かった質問」などとは表現していません。
同じガクチカを4方向から深掘りしてみよう
深掘り対策は、想定質問を何十個も暗記するより、 1つの経験を複数の角度から説明できる状態にする と整理しやすくなります。
ここでは、これまで使ってきた 「飲食店で新人教育を改善した経験」 を例にしてみます。
飲食店のアルバイトで、新人スタッフが業務を覚えやすくするため、 先輩スタッフと相談して確認用のチェック表を作成した。
新人スタッフに確認したところ、 教えてもらった内容を後から自分で確認できず、同じ点で迷うことが多いと分かったからです。 口頭で説明する回数を増やすだけでなく、本人が必要なときに確認できる方法が必要だと考えました。
「新しい作業を増やすと負担になる」という意見がありました。 そこで、最初から大きなマニュアルを作るのではなく、 特に質問の多かった項目だけに絞った簡単なチェック表から始めることを提案しました。
自分の考えだけで対応を決めるのではなく、 まず相手がどこで困っているのかを確認する姿勢を活かしたいです。 そのうえで、周囲と相談しながら必要な対応を考えていきたいと思っています。
作成後の意見を確認する機会をもっと早く設けます。 当時は作ることに意識が向いていたため、 実際に使った新人スタッフから定期的に意見を聞けば、より早く改善できたと考えています。
深掘り対策は「思考・対人・仕事・振り返り」の4方向で準備する
自分のガクチカが完成したら、次の4方向から質問を当ててみてください。
なぜその課題に注目した?なぜその方法を選んだ?他の方法は考えた?
誰に相談した?反対意見は?協力してくれない人にはどう対応した?
その経験で得た学びや強みを、仕事のどんな場面でどう活かしたい?
一番大変だったことは?失敗したことは?今なら何を変える?
原稿を読む練習ではなく「質問に答える練習」をする
深掘り対策で重要なのは、 完成したガクチカを何度も読み上げることだけではありません。
質問の角度が変わっても、自分の経験から答えを組み立てる練習 をしておきましょう。
特におすすめなのは、 相手に回答原稿を見せず、 「気になったところを自由に質問して」と頼む方法 です。
自分では想定していなかった角度から質問されるため、 丸暗記ではなく、経験そのものを整理できているか確認できます。
深掘り対策で想定質問を大量に作る人もいますが、 質問を100個暗記する必要はありません。
重要なのは、自分の経験について 「なぜそう考えたのか」 「誰と関わったのか」 「うまくいかなかったことは何か」 「今ならどうするか」 を自分の言葉で説明できる状態にすることです。
回答が止まった質問が見つかったら、 新しい模範解答を暗記するのではなく、 その質問に関係する当時の事実をもう一度掘り起こしてください。
スマホ録画や家族・大学のキャリアセンターなどで練習したうえで、 「予想外の質問への対応をもっと練習したい」という場合は、 公務員面接の対策サービスを利用する方法もあります。
社会人・既卒の公務員面接ではガクチカをどう答える?
社会人や既卒で公務員試験を受ける場合、 「ガクチカは学生時代の話をしなければいけないの?」 と迷う人もいるでしょう。
特に社会人の場合は、 学生時代より現在の仕事のほうが具体的に話せる経験が多いこともあります。
ここで大切なのは、 「社会人だから職務経験」「ガクチカだから学生時代」と機械的に決めないこと です。
面接官から 「学生時代に力を入れたことを教えてください」 と聞かれたのであれば、まずはその質問に沿って学生時代の経験を答えるのが自然です。
一方、 「これまで力を入れて取り組んだことは?」 のように時期が限定されていない質問なら、 社会人は職務経験を候補にすることもできます。
なお、実際の質問形式や面接カードの記載項目は試験によって異なるため、 受験先から示された質問・記入欄の文言を優先してください。
まず「学生時代」なのか「これまで」なのかを確認する
同じ「力を入れたこと」に関する質問でも、 質問文によって対象となる期間が違います。
アルバイト、部活動、サークル、ゼミ、研究、資格取得、 ボランティアなど、学生時代の経験を振り返ります。
現在・過去の仕事を含め、 自分の考えや行動を具体的に説明できる経験を候補として整理します。
たとえば、社会人経験が5年ある人に 「これまで最も力を入れたこと」と聞かれた場合、 学生時代のエピソードだけに限定して考える必要はありません。
逆に、質問が明確に 「学生時代」 と指定されているのに、説明なしで現在の仕事の話だけを始めると、 質問とのズレが生じます。
社会人でも「学生時代」と聞かれたら学生時代の経験を整理する
「何年も前だから学生時代のことを覚えていない」という場合でも、 いきなり特別な実績を探す必要はありません。
第3章で解説したように、 アルバイト・学業・部活動・資格勉強など、日常的に続けていた経験 から振り返ってみましょう。
学生時代に力を入れたことは、飲食店でのアルバイトです。 特に、忙しい時間帯に注文の伝達ミスが発生することが課題になっていました。 私は、どの場面でミスが起きているのかを確認したうえで、 他のスタッフと相談し、注文内容を復唱して確認する手順をそろえることを提案しました。 この経験から、問題が起きたときに原因を確認し、 周囲と相談しながら改善していく大切さを学びました。
社会人になってから時間が経っていても、 基本的な作り方は新卒の場合と変わりません。
結論 → 課題 → 思考 → 行動 → 結果・学び の材料を整理し、深掘りされたときに当時の状況を説明できるようにしておきます。
「これまで力を入れたこと」なら職務経験を使う方法もある
社会人の場合、現在または過去の職場で 課題に気づき、自分なりに考えて行動した経験 があるなら、回答材料として整理しやすいでしょう。
ただし、 「売上を上げた」「大きなプロジェクトを成功させた」 といった派手な成果が必須という意味ではありません。
これまで力を入れて取り組んだことは、 前職での問い合わせ対応の改善です。 同じ内容の問い合わせが繰り返されており、 担当者によって説明内容にも違いがありました。 そこで、まず問い合わせ内容を整理し、 よくある質問と回答例をまとめることを上司に提案しました。 作成時には他の担当者にも確認してもらい、 実際の対応で使いやすい内容に修正しました。 この経験から、自分だけで判断せず、 関係者の意見を確認しながら改善する大切さを学びました。
学生時代と職務経験、どちらを選ぶか迷ったときの整理方法
質問で時期が限定されていない場合、 「学生時代と仕事、どちらを話せばいいのか」と迷うことがあります。
その場合は、単純に 「新しい経験だから仕事」「大きな成果だから仕事」 と決めるのではなく、次の観点から比較してください。
どちらを使うか迷ったときは、 課題・自分の判断・具体的な行動・周囲との関わり・結果・振り返り を説明できるか確認してください。
第10章で紹介したような深掘り質問を自分に当ててみると、 どちらのエピソードのほうが話しやすいか判断しやすくなります。
社会人は「なぜ公務員へ転職するのか」との整合性も確認する
職務経験をガクチカとして使う場合は、 そのエピソードだけを独立して考えるのではなく、 志望動機や転職理由との整合性 も確認しておきましょう。
たとえば、 「前職では周囲と協力して業務改善に取り組んだ」と説明した直後に、 転職理由として 「職場の人間関係が嫌だったので辞めました」 とだけ答えれば、面接で詳しい説明を求められる可能性があります。
だからといって、前職への不満を隠して きれいなストーリーを作る必要はありません。 事実をベースに、転職を考えた理由と公務員を志望する理由をそれぞれ整理する ことが大切です。
職務経験を回答に使う場合は、 顧客・取引先・社内の個人情報や、外部に出せない業務情報を具体的に話しすぎないよう注意しましょう。 必要に応じて名称や細部を一般化し、エピソードの本質である「課題・思考・行動」を説明します。
社会人・既卒もここまで深掘りを想定しておく
職務経験を使う場合も、 完成した回答だけを覚えるのではなく、 その前後の事実まで説明できる状態 にしておきましょう。
社会人・既卒のガクチカ最終チェック
社会人になると、 「学生時代より仕事の経験を話したほうが立派に見えるのでは?」 と考えがちです。
しかし、回答を準備するときに最初に確認したいのは、 経験の新しさや派手さではなく、質問にきちんと答えているか です。
そのうえで、 「なぜそう考えたのか」 「自分は何をしたのか」 「周囲とどう関わったのか」 「何を学んだのか」 まで、自分の言葉で説明できる経験を選びましょう。
面接後に分かった「やっておけばよかったガクチカ対策」
ガクチカの原稿が完成すると、 「これで準備は終わった」と思ってしまいがちです。
しかし今回、過去3年以内に公務員面接を受験した300人に、 「面接を振り返って、こう準備すればよかったと思うこと」 を聞いたところ、回答原稿を作るだけでは見落としやすい課題が見えてきました。
最も多かったのは、 「なぜその行動をとったか」という意図・思考プロセスの言語化 です。
※n=300、単一回答。 本調査は当サイトが実施した300人調査の結果であり、 すべての試験・自治体に当てはまるものではありません。 また、各対策と合否との因果関係を示すものではなく、 面接を受けた回答者による振り返り結果です。
この結果を、 「41.0%の対策をすれば面接で評価される」 と読むことはできません。
ただし、受験経験者の振り返りとして見ると、 思考の言語化・予想外の深掘り・仕事内容の理解・簡潔に話す練習 の4つは、本番前に確認しておきたい実践的なポイントです。
① 41.0%|「なぜその行動をとったのか」まで言葉にする
まず見直したいのが、 「何をしたか」は言えるのに、「なぜそうしたのか」を説明できない状態 です。
たとえば、 「新人向けのチェック表を作りました」 という行動だけを覚えるのではなく、 なぜチェック表という方法を選んだのかまで振り返ります。
新人スタッフ向けにチェック表を作りました。
新人に確認したところ、教わった内容を後から確認できず同じ点で迷っていたため、自分で確認できる方法が必要だと考えてチェック表を作りました。
ここが言葉にできれば、第10章で紹介した 「なぜ他の方法ではなく、その手段を選んだの?」 という深掘りにも対応しやすくなります。
② 31.7%|予想外の角度から質問される練習をする
自分で想定質問を作ると、 どうしても「自分が答えやすい質問」に偏りやすくなります。
そこで、ガクチカをある程度整理できたら、 第三者から自由に質問してもらいましょう。
原稿を見ずに答え、長すぎないか・結論が後回しになっていないかを確認する。
回答原稿を渡さず、聞いていて気になったところを自由に質問してもらう。
利用できる環境があれば、実際の面接形式に近い状態で回答してみる。
一人では気づけない質問への対応や、回答の伝わり方を確認する。
ポイントは、 想定質問の答えを増やすことではなく、質問が変わっても経験の事実から答えられるようにすること です。
③ 18.3%|公務員の仕事内容を理解してから「仕事への接続」を考える
第5章では、ガクチカを 「結論 → 課題 → 思考 → 行動 → 結果・学び → 仕事」 の6ステップで整理しました。
しかし最後の「仕事でどう活かすか」は、 受験先の仕事内容を理解していないと、 「公務員として活かしたいです」だけの抽象的な回答 になりやすい部分です。
この経験で得たコミュニケーション能力を、公務員として活かしたいです。
相手の状況を確認して説明方法を変えた経験を、住民や関係者の話を聞き、必要な情報を整理して対応する場面でも活かしたいです。
ここでも、 「公務員なら協調性を言えばよい」と考えるのではなく、 自分が実際にした行動と、受験先の仕事との接点 を探します。
自治体の公式サイト・採用案内・総合計画などを確認し、 「どんな部署があり、どんな課題や業務を扱っているのか」を整理しましょう。 自治体研究の具体的な進め方は、 公務員試験の自治体研究のやり方 で詳しく解説しています。
④ 9.0%|丸暗記をやめて「結論から簡潔に」話す練習をする
ガクチカを丁寧に準備するほど、 作った文章をそのまま覚えたくなります。
しかし、面接では質問の言い方や順番が変わることがあります。 そのため、文章そのものではなく「話す材料」を覚えるほうが対応しやすくなります。
最初の回答ですべてを長く話す必要はありません。 まずは 「結論 → 課題 → 主な行動 → 結果・学び」 を軸に簡潔に答え、 思考や周囲との関係、仕事への接続は深掘りされたときに説明できるよう準備します。
面接直前でもできる|ガクチカ最終確認3ステップ
ここまで読んで、 「面接まで時間がない」と感じている人は、 新しいガクチカをゼロから作り直す必要はありません。
まずは今ある回答を使って、 思考 → 深掘り → 口頭練習 の順に確認しましょう。
ガクチカは、文章をきれいに仕上げるほど完成度が上がるとは限りません。 本番で質問の角度が変わっても、事実に基づいて自分の考えや行動を説明できる状態を目指しましょう。
ガクチカを何度も書き直しているのに不安が消えない人は、 文章の修正から一度離れて、口頭練習に移ってみてください。
「なぜ?」 「具体的には?」 「周囲はどう反応した?」 「やり直すなら?」 と聞かれたときに詰まる部分があれば、そこが次に整理すべきポイントです。
模範解答を増やすのではなく、 自分の経験について説明できる範囲を広げる。 この意識で準備すると、深掘り質問にも対応しやすくなります。
まとめ|ガクチカは「すごい実績」より深掘りまで話せる準備を
公務員面接のガクチカ対策というと、 「人よりすごい経験を話さなければいけない」 と考えてしまう人もいるでしょう。
しかし、この記事で紹介した300人調査では、 アルバイト・部活動・学業など、身近な経験が実際の回答に使われていました。
さらに、 194人(64.7%)がガクチカを作る際に「アピールできるような特別な実績や成果がない」ことに困った と回答しています。
だからこそ、 「すごい経験を探す」より、自分が実際に考えて行動した経験を掘り下げる ところから始めてみてください。
「聞かれた」と回答
困ったと回答
深掘りされたと回答
※94.3%はQ1、64.7%は複数回答のQ6、 91.0%はQ4の「かなり深掘りされた」52.3%と 「少し深掘りされた」38.7%を合算した数値です。 本調査は当サイトが実施した300人調査の結果であり、 すべての試験・自治体に当てはまるものではありません。 また、各回答と合否との因果関係を示すものではありません。
面接前に整理しておきたいのは、 エピソードのタイトルや成果だけではありません。
「どんな課題があったのか」
「なぜそう考えたのか」
「自分は何をしたのか」
「周囲とどう関わったのか」
「何を学んだのか」
こうした部分まで自分の言葉で説明できるようにしておくことが、 この記事で一貫しておすすめしてきた準備方法です。
ガクチカはこの6ステップで整理すればOK
これから回答を作る人も、すでに回答が完成している人も、 最後に第5章で紹介した6ステップへ当てはめて確認してみましょう。
ただし、 この6項目を最初の回答ですべて長く話す必要はありません。
最初は 「結論 → 課題 → 主な行動 → 結果・学び」 を軸に簡潔に答え、 「思考」「周囲との関係」「仕事への接続」などは、 深掘りされたときに説明できるよう準備しておきましょう。
本番前のガクチカ最終チェック10項目
この記事を閉じる前に、この3つだけやってみよう
情報を読んだだけで終わらせず、 今から自分のガクチカを一度確認してみてください。
ガクチカと一緒に準備しておきたい面接対策
ガクチカだけ完成しても、 公務員面接の準備がすべて終わるわけではありません。
次に迷っている項目があれば、 必要なところから続けて対策してください。
公務員面接のガクチカでよくある質問
最後に、公務員面接の「学生時代に力を入れたこと」で 受験者が迷いやすいポイントをQ&A形式でまとめます。
ガクチカは何分くらいで答えればいいですか?
試験側から回答時間の指定がある場合は、 その指示を最優先してください。 すべての公務員面接に共通する「○分が正解」という基準はありません。
時間指定がない場合は、 最初から細部まで長く説明するより、 「結論 → 課題 → 主な行動 → 結果・学び」 を軸に簡潔に答え、その後の質問で詳しく説明できるよう準備しておくと整理しやすいです。
練習時には、まず1分程度で基本回答をまとめられるか試し、 長すぎる部分や分かりにくい部分を調整してみましょう。
ガクチカはアルバイト経験でも大丈夫ですか?
アルバイト経験もガクチカの題材になります。
今回の300人調査では、 ガクチカとして答えた題材の中で アルバイト経験が38.0%(114人)と最も多い回答でした。
ただし、この結果は 「アルバイトを選べば有利」という意味ではありません。 大切なのは、そこで直面した課題や自分の考え、 具体的な行動を説明できることです。
サークルや部活動をしていなくてもガクチカは作れますか?
サークル・部活動に限定する必要はありません。
今回の調査でも、 アルバイト、学業・ゼミ・研究、ボランティア・地域活動、インターンシップ・資格取得 など、さまざまな経験が回答に使われていました。
「所属していた組織」から探すのではなく、 自分が時間をかけたこと、困ったこと、改善しようと動いたこと から振り返ると、題材を見つけやすくなります。
数字で示せる成果がないとガクチカとして弱いですか?
数字で示せる成果がないからといって、 それだけでガクチカとして使えないわけではありません。
売上○%アップ、全国大会○位などの数字がなくても、 「何が問題だったのか」「自分はどう考えたのか」「何を変えたのか」「その後どうなったのか」 を事実に沿って具体化できます。
数字を作るために実際にはない成果を付け足すのではなく、 自分の経験を正確に説明することを優先してください。
ガクチカと自己PRは同じエピソードでもいいですか?
同じエピソードを使うこと自体を一律にNGとする必要はありません。
今回の300人調査では、 68.3%(205人)が別々のエピソード、 31.7%(95人)が同じエピソードを切り口を変えて使用していました。
同じ経験を使うなら、 ガクチカでは「取り組みの過程」、 自己PRでは「その経験から説明できる自分の強み」というように、 質問に対して何を伝えるのかを整理しておきましょう。
高校時代の経験をガクチカに使ってもいいですか?
高校時代の経験を一律に使えないとはいえませんが、 まずは質問文と受験先の面接カードの記載内容を確認してください。
大学時代など、より最近の経験から十分に説明できる題材がある場合は、 そちらも比較してみましょう。
高校時代の経験を選ぶ場合は、 「なぜその経験を選んだのか」 「当時、自分は具体的にどう考えて行動したのか」 まで説明できる状態にしておくことが重要です。
社会人経験がある場合、仕事の経験を話してもいいですか?
質問の文言によって判断してください。
「学生時代に力を入れたこと」と明確に聞かれた場合は、 まず学生時代の経験から回答を考えるのが自然です。
一方、 「これまで力を入れて取り組んだこと」のように期間が限定されていなければ、 職務経験も候補になります。 受験先の面接カードや質問の表現を優先しましょう。
面接カードに書いたガクチカと同じ内容を話すべきですか?
面接カードにガクチカを書いている場合は、 記載した内容との整合性を確認しておきましょう。
ただし、カードに書いた文章をそのまま読み上げる必要はありません。 面接では、カードに収まらなかった 「なぜそう考えたのか」「具体的に何をしたのか」などを説明できるよう準備します。
面接カードの書き方から確認したい人は、 公務員試験の面接カード完全ガイド も確認してください。
ガクチカは2つ以上準備したほうがいいですか?
すべての受験者に「必ず2つ必要」とはいえません。 まずは1つの主要エピソードを深掘りまで説明できる状態にすることを優先しましょう。
そのうえで余裕があれば、 別の経験について聞かれた場合に備えて、 2つ目の題材も 「結論・課題・思考・行動・結果/学び」 程度まで整理しておくと対応しやすくなります。
ガクチカはどこまで深掘り対策をすればいいですか?
今回の300人調査では、 52.3%(157人)が「かなり深掘りされた」、 38.7%(116人)が「少し深掘りされた」と回答しました。 合わせると273人(91.0%)です。
ただし、これは今回の回答者の結果であり、 すべての公務員面接で同じ割合になることを意味しません。
最低限、 「なぜその行動を選んだ?」「周囲とはどう関わった?」「一番大変だったことは?」「やり直すなら?」「仕事でどう活かす?」 の5方向から、自分の経験を説明できるか確認しておきましょう。


